【感想・ネタバレ】サイケデリック・マウンテンのレビュー

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Posted by ブクログ

某協会、某宗教団体が関わった事案が思い起こされます。特に第3章は一気に読みました。結末がどうなるのか引き込まれました。小難しい部分がありますが、知的好奇心が充たされます。読後感は大満足です。お勧めです。映画化されたのを見たいです。

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2023年08月20日

Posted by ブクログ

榎本憲男作品は全作読んでいる。
どの作品もその次代の社会性を孕んだ作品で、モデルとなる人物、事件を別視点や置き換えたりしている。
今作の『サイケデリック・マウンテン』も勿論、ここ数年の事件や社会問題をモチーフとしている(その一つは明かしてしまうとクライマックスのあるシーンのネタバレになってしまいかねない)特に統一教会問題を発端とする宗教問題。
オウムの事件や、その後の後継団体などを彷彿させる団体が登場し、ある殺人事件との関係が浮上する。そこから更にマインドコントロールによる殺人教唆までに発展する。
そしてその洗脳の真実が明らかになったときに実際こんなこと可能なのかな、と疑問に思ったのだが、意外と周りに他者からの影響を語る人を見たこともあり、ありえるのかもしれない、と。
榎本憲男作品、どの作品も一定のクオリティは担保されてる信頼出来る作家なのだが、本作はその中でも指折りの一冊。帯に記されている最高傑作の文字は間違いではなかった。

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2023年07月12日

Posted by ブクログ

新興宗教の元信者でマインドコントロールが疑われる容疑者がアジア開発投資銀行の鷹栖祐二を視察した事件を国家総合安全保障委員会(NCSC)の井澗紗理奈と弓削啓史が調査する中で日本の今後を左右する国家的背景が明らかになっていくという長編サスペンス。
マインド・コントロールやその解除法、脳科学、仏教など様々な知識が織り込まれ、勉強にもなり、考えさせられる、読み応えのある小説だった。
ミステリーとしてのオチも思いもよらないものだったが、その具体的方法については本当にそんなことができ得るものなのかとちょっと疑問に思った。
ストーリーのカギを握る国家的プロジェクトについて、本書の主要登場人物たちはおしなべて否定的だったが、そんな技術が可能なら、ゾーニングと管理を適切に行えば、個人的にはそんなに悪くないのではないかと感じた。メガソーラーと大差ないのではないかと。
物語の中ほどに本筋のストーリーとは独立して挿入される「鷹栖祐二の生涯」も1人の人間のライフストーリーとしてとても面白く、鷹栖のいう「あるところからないところにちょっと移す」という発想はなかなか示唆に富む考え方だと共感を覚えた。

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2023年11月04日

Posted by ブクログ

榎本氏の作品は全て読んでいるが今作は扱うテーマが大き過ぎて私には難しく感じた。とは言え昨今の日本の不安定さがうまく描かれていて、宗教、経済、国民不在の政治など目の付け所の鋭さが冴えていた。

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2023年07月15日

Posted by ブクログ

東アジア一帯の安全保障が日増しに厳しさをましている中、自衛隊が自衛軍と改められ、防衛のみならず経済、エネルギー、食糧、テロ対策など幅広い分野での安全保障強化のため内閣府に設置された国家総合安全保障委員会(NCSC)。
NCSCの兵器開発セクションで脳科学専門の井澗とテロ対策セクションの弓削は、新興宗教のマインドコントロールが疑われるある殺人事件を調査し始める。調査が進むにつれて明らかになる事件の背後に隠されたある恐ろしい謀略とは‥‥。


面白い!
500ページ超えの結構なボリュームですが、一気に読み終わりました。
マインドコントロールと洗脳、宗教の功罪、科学への盲信とその政治利用、経済発展か国土保全かさまざまな問題を提起しながら事件の真相解明が進む。
オウムによるサリン散布や元総理殺害など現実の事件を彷彿とさせる展開。そして何より肝となる謀略が、SDGSの名の下にいつのまにか田舎の山林を埋め尽くすソーラーパネルの光景を思い出させて背筋が寒くなる。

「巡査長真行寺弘道」シリーズ同様、社会派でありながら極上のエンタメになっているその絶妙な匙加減がいい。
そして重くなりがちなテーマを和らげているのが井澗と弓削の関係性。中でも弓削のキャラクターが好き。熱血愛国警察官僚だけど、共感力もありすぐに洗脳されそうになるその緩さ。巨悪が滅びないのを目の当たりにして一転、虚無感に襲われる人間味がなんとも魅力的。

惜しかったのは、作品の山場の井澗の熱弁が論理破綻すぎるのと、あまりにくど過ぎてラストに向かっての加速する高揚感を損ねたところかな〜。
それでも最後にシリーズ化も匂わせる展開は期待大。
是非、弓削にはもう一度会いたいし、2人の恋発展するところも見たいな〜。

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2023年07月03日

Posted by ブクログ

殺人事件の犯人はすぐに捕まったけれど、どうもマインドコントロールされているもよう。
じゃあ、実行犯を洗脳した真犯人は誰?という話でした。
エネルギー問題や環境問題、量子物理学に気功他。色々な事柄が出てきて、難しかったです。
あの事件を彷彿とさせるところがありました。

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2024年03月09日

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