あらすじ
53歳の真行寺弘道は、「巡査長」という肩書きが警視庁捜査一課で異例なだけでなく、きっちり公休を取り自宅のオーディオでロックを聴くのが楽しみという、刑事としてはかなりの変わり種。捜査の「お約束」である所轄刑事との相勤を避けて単独行動するなど、型破りな行動・言動で知られている。
そしてこのベテラン刑事、ヒラなのに、やけにデカい事件に当たる。
元警察官僚の尾関一郎衆院議員変死事件に続くヤマは、インド人変死事件。荒川沿いを流していた真行寺は、捜査員たちに出くわす。河川敷で死体が発見されたという。やがてこの死体はインド人男性のものであることが判明。死体の耳の周囲に残る火傷に着目し、事件性を感じた真行寺は、インドを専門とする若き研究者・時任の協力を得て真相に迫るが――。
シリーズ第1巻『巡査長 真行寺弘道』が、読売新聞、しんぶん赤旗、産経新聞、「小説推理」、「stereo」など各紙誌で絶賛された、圧倒的なスケールの痛快エンターテインメント第2弾!
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Posted by ブクログ
大学内傷害事件とインド人男性殺害事件。意外過ぎるストーリー展開。
インドの宗教や社会、自動運転のネタがパンパンに詰め込まれ、めっちゃ面白かった。功利主義などを考える哲学的小説。
Posted by ブクログ
2024.11.10
わたしはこの本が好きです。
でもそれは私の嗜好にたまたま当てはまっただけなのに、こうした本が商業ベースに乗って文庫書き下ろしとはいえ商業出版されていることに驚きを禁じえないです。
おもしろいけど難解だと思うからです。
まあ深く考えず、楽しむ読者がひとりでも多くなり、このシリーズに続いてほしいと願うばかりです。
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カレー屋の小さな事件から、最新情報技術が脅かす未来につながる流れが見事で中盤までぐいぐい引き込まれていった。音楽好きの読者であれば、主人公に共感する面も多々あると思う。
Posted by ブクログ
巡査長 真行寺弘道シリーズの前作よりも、率直に言って面白かった。設定自体は前作を踏襲し、ヒンドゥー教、カースト制、自動運転車などといった、本来交わることはないであろう世界をひとつにした物語は、意外に面白くて引き込まれた。是非、本シリーズの続編を読んでみたいものだ。
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ミスタリーではなくて、かなり純文学に近い。
文体がさらに乾いてもうちょっとぶっきらぼうだったら、ハルキムラカミになるんじゃないのか。
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えーー!!なにその終わり方!!!
ちよっとびっくり。いいのか、それで。
不勉強なので、ヒンドゥー教のカースト制度のことなどかなり驚いた。
色々考えさせられた。ただ推理小説として期待して読んでしまったので、そこは弱い気がする。
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インド人の変死に関する捜査からインドの身分制度に関係する原因を探り出す。インドの社会的問題もあれば、国際的な自動運転開発プロジェクトあり、ロックあり。
森園、サランとの出会い。黒木、水野とお馴染みの登場人物あり。
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巡査長真行寺弘道シリーズ第2作目。
第1作と比べると面白さがだいぶ劣る。真行寺がインドのヒンドゥー教・カーストにかかわる事件に対するが、宗教・カーストに関する考察は長く面白味もない。自由を信条とする主人公は作者の投影で、信条に沿わないものとの対決をテーマにするのは1,2作とも同様で、作者の意思を感じる。(今作は生まれながら身分が固定されるカースト制)
最後の終わり方は、ひねりが効いてなかなか良かった。
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巡査長真行寺弘道シリーズ第二弾。
インド人料理人によるインド人旅行者殺人事件。その遺体発見現場に偶然居合わせた真行寺が事件の真相に迫る。そこにはインド社会の宗教の問題や厳しいカースト制度が深く関わっていた。そして北海道のインド人コミュニティである研究所で密かに行われている完全自動運転システムの実証実験。
功利主義に則ったプログラムと、その先に隠されたある計画とは。
今回も真行寺の思想が全開。何より個人の自由を重んじる姿勢は相変わらず青臭いほど。だけど、「善か正義か」では正義を選んだはずなのに、今回のラストシーンで彼が撮った行動は正義と言えるのか疑問。あまりに独善的かつ情緒的で、刑事としてあるまじき行動で酌量の余地はない。
(だけど普通なら、研究所としては所長の特徴くらいは識別させるからこんな結果にならないと思うんだけど。)
カーストに対する思いもわかるが、異国の人間が簡単に口を挟めることではないし、黒木が言うように、そもそも自由主義、民主主義が善だという前提で物事を決めつけることも危険だと思う。
真行寺の考えでいくと、テロさえ容認することになる。刑事にはしておけないね。
さあ、真行寺がどこまで暴走するのか、次の作品を読んでみよう。
Posted by ブクログ
カースト制度という、知っているようでよく知らないテーマが描かれていてとても興味深かった。全体的に理屈っぽくて説明的な作風という印象だったけど、主人公が個性的で型破りで見ていて飽きない。
カースト制度以外の部分(自動運転自動車の開発、才能、ロック、日本での身分や差別、など)もかなり盛りだくさんだけど、中途半端な感じはしなくて読みごたえがある。
しかし結末は肩透かしというか、正直あまり納得は出来なかった。4人も殺した犯人がお咎めなしで、代わりに所長があんな目に合わされるなんて...感情的な部分は理解できるんだけど、他に方法は無かったんだろうか...
でも、シリーズの他の作品も読んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
2月-9。3.0点。
巡査長真行寺、第二弾。
荒川でインド人の死体が上がる。捜査に入る真行寺。
背後にはインド社会の構造が。
一見繋がらないと思う自動運転と、インド社会の背景を上手く繋げた小説。面白かった。次作も期待。
Posted by ブクログ
前作よりも宗教が入った分濃厚な味になっている。
神を創ろうとした男がそれに滅ぼされるというお話。
エンディングはあれで良いのか?とちょっと落胆している。