越智睦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
巧いなー
この字の巧い
とっても巧いと思いました
4つの視点で少しずつ進む物語
少しずつ明かされる物語
そして驚きをもってひとつ明かされると
空いた場所に新たな謎が埋め込まれる
伏線は回収されても全くスッキリさせてくれない
相貌失認症がギミックとしてすごい生かされてる
文章で構築される隠された世界にさらに相貌失認症を加えることで二重三重の目眩ましになっている
もう匠の技をしっかりと堪能させて頂きました
でもこれサスペンスなんだよねー
気付いたんだけど自分そこまでサスペンス好きじゃないみたい
この匠の技がミステリーとしてちゃんと昇華してたら文句なく★5だったんだけど
面白いよりも巧いが先 -
Posted by ブクログ
実に面白いミステリーでたいへん満足した。フィニーは"twisty, turny books"が好みだと言っているそうだが、本書はツイストがひじょうに利いていてジェットコースター・ライドが楽しめる一級のエンタメになっている。
だいたいは当てにならない帯(宣伝文句)だが、本書の「驚異の一気読み、驚愕のどんでん返し!」は正にその通り。
以下、少しネタバレになるので未読の方はスルーを。
p.66にアメリアが「10年という時間は顔が記憶に残らない相手と結婚を続けるのには長過ぎる」と言っており、読み返した際に、『これっておかしいよな!』と思った(アメリアはアダムと結婚して2年しか -
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Posted by ブクログ
「彼」と「彼女」のふたつの視点で、ひとつの真実を描いていくミステリなのですが、テンポ良く意外性がぽんぽんと次から次に暴かれていくので、結構なボリュームながらも小気味いい感覚で読み通せました。
その意外性の見せ方が、切り替わる視点のタイミングで伏せていた手札をくるっと裏返すような何気なさ、さりげなさで「え、そうだったっけ?」という事実がひとつひとつ示されていくので、読み手を飽きさせない。次の「彼/彼女」の視点にすぐ進みたくなります。
その上中盤からは一気に事件がきな臭くなり、目まぐるしく状況が判明していって、そして、ミステリの醍醐味がものの見事に現れてくれます。なるほどそう来たかと。多少力業 -
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Posted by ブクログ
帯には「どんでん返し」の文字
タイトルにも「衝撃」とある。
ある女性殺害事件について追っている
記者のアナと刑事のジャックが、交互に語っていく。
"信頼できない語り手"×2の状態
間に"犯人"視点の語りが入る。
この時点でかなりハードルが上がると同時に、読んでてとても不穏な空気感が凄い…
小さなことを無視できないし、ちゃんと事実を伝えているのかも疑わしい。
ただ翻弄されるのも楽しみつつ、負けじと途中で紙に相関図を描いて整理し、犯人を予想してみたが見事に外れた…全然違った…面白かったです。
語りのラストが毎回クリフハンガーを仕掛けてくるので、海外ドラ -
Posted by ブクログ
ネタバレ書店猫ハムレットの第五弾。
この作品で最後。
前作で突然婚約を発表したリース刑事、
その婚約者のドレス選びに振り回されるダーラだが、
そんな中、隣人の年よりの兄妹の兄が殺される。
最初の作品から登場していて、
店員ロバートの保護者と言っても良かったので、
ちょっとショックだった。
案の定、リース刑事の結婚は破局したけど、
ダーラの仲は進まなくてがっかり。
甘い展開を期待したわけではないのだけれど。
それとハムレットとそっくりの黒ネコがうろうろしていたのに、
あっさり捕まってしまって、連れて行かれてしまったのもがっかり。
本に隠された遺言書が関係していた事件そのものは面白かったけれど。
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ネタバレ書店猫ハムレットの第四弾。
今回は地元に戻って来たダーラとハムレット。
留守中に改装してスタートしたカフェは
ロバートがラテアートまで習得しちゃって、
順調に滑り出している。
2階にあがらなくてもリフトで注文して、
コーヒーが運ばれてくるなんて、素敵。
ダーラは店の前の通りを車両通行止めにして、
近所のお店のオーナーたちと独立記念日のお祭りを企画していた。
お約束通り、そのメンバーの一人が殺される。
動機はコカインがらみの詐欺行為?それとも浮気?
前回登場しなくて影が薄かったリース刑事が、
いきなり婚約していたのは、衝撃的だった。
リースは魅力的かもしれないけど、
ダーラとは趣味も合わな -
Posted by ブクログ
ネタバレ書店猫ハムレットの第三弾。
今回はyoutubeで有名になった空手キャットこと、
ハムレットのおかげで、
フロリダのキャットショーに招かれたお話。
なので、店長も店員のロバートも活躍せず
恋人未満の刑事さんも登場せず、
ダーラと店子の私立探偵ジェイクとそのお母さんが中心だった。
旅先のせいか、身近な人が事件に巻き込まれていないせいか、
舞台が暖かく明るいフロリダのせいか、
サスペンス要素がちょっと足りない。
シニア用マンションのプールサイドで行われた追悼会が、
しっちゃかめっちゃかになってしまったのは面白かったが、
留守中にカフェスペースが作られた書店の方が気になった。
最後に、
とう -
Posted by ブクログ
ネタバレ書店猫ハムレットの第二弾。
ハムレットがなぜかふさぎ込んでいる中、
ガーラと従業員のロバートが通う、
空手の道場主が殺される。
倒れていた現場に居合わせた二人は、
飼い犬イタリアン・グレーハウンドを保護するが、
道場主の妻に取り上げられてしまう。
犯人は犬に愛情のない妻か、
義理の双子の息子か、
強いが態度が悪い高校生の生徒か、
はたまたその母親か。
今回は猫の”共感力者”が登場して、
ハムレットの通訳をしてくれたのが驚きだった。
しかもただの通訳ではなくテレパシー能力があるらしく、
リードを手に書店に現われたりする。
ハムレットとお散歩に行けてうらやましい。
すったもんだの末、
ロバ -
Posted by ブクログ
ネタバレ猫が出てくるので。
ニューヨーク、ブルックリンの書店を大叔母から相続したダーラ。
相続したのは書店だけでなく、スタッフも含まれていた。
元教授の店長ジェイムズと、喧嘩っ早い黒猫ハムレット。
お客のひとりで「いい感じ」になっている建築業者と、
改装中の建物に行くと彼の同僚の死体を発見してしまい…。
店の地下に住むのが元警官の探偵で、
元同僚の刑事が出入りするという設定が無理がなくて良いし、
ハムレットが気に入らない従業員候補を追っ払うところとか、
でも新しい従業員ロバートと仲良くなるところとか、
そのロバートの住まいを見つける話は微笑ましくて良い。
そして、
ニューヨークの裏庭のついたブラ