あらすじ
アダムとアメリアの夫婦はずっとうまくいっていなかった。そんなふたりは、カウンセラーの助言を受け、旅行へと出かける。ふたりきりで滞在することになったのは、スコットランドの山奥にある、宿泊できるように改装された古いチャペル。彼らは分かっている。この旅行が結婚生活を救うか、とどめの一撃になるかのどちらかだと。だが、この旅行にはさまざまな企みが隠されていた――。不審な出来事が続発するなか、大雪で身動きがとれなくなるふたり。だれが何を狙っているのか? どんでん返しの女王が放つ、驚愕また驚愕の傑作サスペンス!/解説=村上貴史
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Posted by ブクログ
語り手がテンポよく変わるから読みやすくて面白かった。
一度しか読んでないから面白さと伏線を逃してる部分がたくさんある。
ラストはどういう事?って思うところがちょこちょこあったから読み直しかな。
Posted by ブクログ
2024年2冊目。
アダムの相貌失認という設定に惹かれ、騙されないぞと警戒しまくりで読み進めました。
「妻が途中で替わっていた」トリックは見抜けたものの、小さな驚きが随所に挟み込まれていて全く飽きさせない!
それぞれの主観パート・手紙パートを行ったり来たりする語り口、大好きです。
聖人ながらも孤独で妄想癖ありのロビン、小物感あふれるアダム、寝取りゲス女のアメリア、不器用な頑固老人ヘンリーと少数精鋭で魅力的なキャラクターが素晴らしい。
細かなミスリードが多く、何度もページをめくっては戻り、めくっては戻り…紙の本で買ってよかった。
ラストの私立探偵がきちんとオチをつけてくれるのもにくい演出。
「おもてなしの心、ここに極まれり」(解説より)
ミステリファンとして大変楽しませていただきました。
前作・前々作も読んでみたい、お気に入りの作家になりました◎
Posted by ブクログ
控えめに言っても傑作!!
前作のサスペンスもかなりおもしろくて、一気読みだったけど、
今作はじわじわ迫り来る緊迫感からの衝撃のどんでん返しが巧妙過ぎて、、、
読書というかもはや体験だった。
もう大好きな作家の1人になりました。
Posted by ブクログ
アリス・フィーニー2作目。
相変わらず登場人物リストがない作品笑
前作「彼と彼女の衝撃の瞬間」から抜群に面白くなった。
舞台は人里離れた湖畔にある古いチャペル。夫婦が訪れ、それぞれこの旅行で今後の結婚生活を決めようとしている。チャペルに到着したはいいもの、不可解な出来事が相次ぎ。。。
夫婦二人の視点で語られつつ、途中からもう一人と謎の手紙が挟まれる。正直、全く信用できない語り手ではあるが、登場人物の少なさから何となく何が行われているのかは予想できるかも。ただそれを踏まえても極上のサスペンス小説だった。
ラストの不気味な余韻も、原題がRock paper scissorsであることを思い出すと、効果抜群。
Posted by ブクログ
「彼」と「彼女」それぞれの視点から時系列を変えながらの独白が繰り返される。
途中、第三者の独白も加わり彼と彼女だけのストーリーではないことが分かってゆくにつれ、そこからは作者の引いたレールに乗せられジェットコースターのように。
帯にも書評にも書かれていたことだけどこのどんでん返しは想像の上を行く驚きでした。
うっかり三作目からこの作家さんを読んでしまったけれど、後の二冊も手に入れたい!
Posted by ブクログ
脚本家のアダムとペット関係の仕事をしているアメリアは40代の夫婦です。
アダムは相貌失認であり、人の顔を見分けられません。
妻のアメリアとの関係が壊れかけてきて、結婚カウンセラーから旅行を勧められ、冬の厳寒の中、アメリアがくじで当てたスコットランドのハイランド地方への旅へ出ます。愛犬のボブを連れて。
滞在先のチャペルに到着すると、次々とおかしなことが起こり始めます。
ボブは行方不明になり、二人が逃げ出そうとすると車のタイヤが四つともパンクさせられています。
猛吹雪のチャペルに二人は閉じ込められます。
以下、多少のネタバレを含む感想を書きますので、これから読まれる方はお気をつけください。
どこでどう話の風向きが変わったのか全く気づきませんでした。
最初は、追う方も追われる方もどっちもどっちだと思っていましたが、それが恐怖へと変わり、まさかこんな結末が待っていようとは思わぬ方向へ。
頭の中を整理するのに多少時間が要りました。
見事な逆転劇です。
○○の真実の素行を知って驚きました。
小気味よい反撃でした。
余韻がある終わり方もよかったです。
相貌失認という特徴から生まれたサスペンスだと思いました。
面白かったです。
Posted by ブクログ
今回も前作と同じで、登場人物の種間で物語が進んでいく。今作は相貌失認という設定を利用して、絶対に何かあると思わせつつも謎が解けたときは結局驚かされた。途中から先の展開が気になってしょうがなく一気に読み進めることができた。終わってからまた再読したくなる作品であり、また違った読み方ができると思う。ミステリー好きにはぜひとも読んでほしい作品。
Posted by ブクログ
アメリア、アダム、ロビンの視点で語られてゆく。時々女性が書いたらしい手紙が挟まれる。
原題は「石、紙、ハサミ」
前作も彼、彼女の視点で書かれていて大いに騙されたので今回は登場人物を細かにメモったが、そんな小手先で分かるモンじゃなかった(苦笑)後半にかけて背筋がゾッとする展開に!
Posted by ブクログ
とある者から、郊外の家に招待された夫婦。お互いに何かを企んでいるらしき夫婦。そして夫婦を招待した者。これも当然何かを企んでいるという、この3人の視点で進むストーリー。事件は発生しそうで、発生しないジリジリとした展開に、次第に引き込まれていきました。夫は他人の顔を判別できない病気の持ち主で、このタイトルはそれを表したもの。勘のいいミステリー好きなら、なんとなくこれがトリックになるのではと思うところ。中盤付近から一気に読まさせられる面白さ。そして最後は夏にふさわしいホラーな展開でしたー!
Posted by ブクログ
人里離れた山奥のチャペル、しかも大雪で閉ざされた状態となった登場人物たちに、果たしてどんな事件が襲いかかるのか?
と雪のクローズドサークルの謎解きか?と思ったら、まったく違った。
3人の人物それぞれの1人称での語り。
また、妻の結婚記念日の手紙。
それと、なんとも不思議な気持ちにさせる、夫の相貌失念という症状。
物語、ずっとどういう結果になるのか興味深々だった。ぐいぐい惹きつけられ、一気に読める。
終盤に語られる真相に、納得したり、さらにそこから別の事実が展開されたり、とても面白かった。
この作者の別作品も読んでみようと思う。
Posted by ブクログ
この作家さん,はじめの100ページは退屈中盤から一気に面白くなってくるタイプ。今までの作品もそうだったが、今作本もそうでした。途中で読むの止めなくて良かったー
最後の100ページは面白くて,徹夜しそうでした。
最後の30ページでドドドっとどんでん返り✖️3って感じで面白かったー
次回作も期待大です。
Posted by ブクログ
『彼と彼女の衝撃の瞬間』のアリス・フィーニーの最新作(といっても昨年7月刊行ですが)。
今回も”彼”(相貌失認という障がいを持ち、顔を見てもそれが誰かわからないアダム)と”彼女”(その妻アメリア)+1(謎の女ロビン)の交互モノローグで展開されていく緊迫感溢れるサスペンス。
ただ、今回序盤は事件らしい事件は起きない。
結婚生活に行き詰まりを感じている2人は、何とかその閉塞感を打ち砕こうと”彼女”の職場のクリスマスくじで当たった週末の旅行に繰り出し、そこで見舞われる災難(吹雪、やっと辿り着いたチャペルを改装したと思われるうすら寒い宿泊施設、そこで起きる不気味な事象の数々)が展開されていく。
間に挟み込まれる、どうにも真意を掴みかねる意味深な2人の思惑と、12年前から1年毎に2人の結婚記念日にしたためたとされる”彼女”からの秘密の手紙。
すれ違いを重ねながら根底にある愛情でどうにか12年の月日を繋ぎ止めてきたように見える”彼”と”彼女”のように見えるが、果たしてこの物語の行きつく先は。。。
前作のような殺人事件ありき、犯人はどっちだ!?的なノリではないので、リーダビリティが低めで正直前作は越えられていないかなぁという感想。
それでも最後には明かされる各々の秘密に紐づく意外な真実がもたらす結末は”なるほど”のはまり具合。
原題は『Rock,Paper,Scissors』。
物語中、”彼”の著した作中作のタイトルとしても登場するキーワード。
必ず”彼”が紙を出し、”彼女”がハサミを出す、という暗黙の合意を続けてきた中で、”彼女”が勝ったら結婚生活を終わりにするという賭けの場面に”彼”は勝とうと”彼女”は負けようと石のあいこで始まる勝負の場面には、前後の展開は置いておいて「されど夫婦」の愛情の形を見た気がしてぐっとくるものがあった。
Posted by ブクログ
久しぶりの海外サスペンスに疲れた。
これは、騙されたからか?驚きすぎたからなのか?
ひどく疲れてしまった。
夫婦2人の険悪さを回避するための旅行かと思いきやまったく想像もつかなかった扉が開いてしまった。
この日記は、夫に書いているのだが…。
妻って、妻⁇が、なのだ。
これは、夫が相貌失認という脳の問題があるが故に起こることなのか…。
いやそう単純なことではないはず。
違った意味での怖さがあとからじわじわとくる。
Posted by ブクログ
巧いなー
この字の巧い
とっても巧いと思いました
4つの視点で少しずつ進む物語
少しずつ明かされる物語
そして驚きをもってひとつ明かされると
空いた場所に新たな謎が埋め込まれる
伏線は回収されても全くスッキリさせてくれない
相貌失認症がギミックとしてすごい生かされてる
文章で構築される隠された世界にさらに相貌失認症を加えることで二重三重の目眩ましになっている
もう匠の技をしっかりと堪能させて頂きました
でもこれサスペンスなんだよねー
気付いたんだけど自分そこまでサスペンス好きじゃないみたい
この匠の技がミステリーとしてちゃんと昇華してたら文句なく★5だったんだけど
面白いよりも巧いが先にきちゃったな
Posted by ブクログ
アリスフィーニー、ほんとにクセになります。脚本読んでいるよう。次々に現れる真実にのめり込まずにいられません。似たもの夫婦、、とため息でました。ラストも不穏で好みです。原題に収束させるテクニックにも唸らされました。しかし相貌失認、これミステリーで使ったらとんでもないことになるのではと思っちゃいました。次作がすぐに読みたくなってます。
Posted by ブクログ
実に面白いミステリーでたいへん満足した。フィニーは"twisty, turny books"が好みだと言っているそうだが、本書はツイストがひじょうに利いていてジェットコースター・ライドが楽しめる一級のエンタメになっている。
だいたいは当てにならない帯(宣伝文句)だが、本書の「驚異の一気読み、驚愕のどんでん返し!」は正にその通り。
以下、少しネタバレになるので未読の方はスルーを。
p.66にアメリアが「10年という時間は顔が記憶に残らない相手と結婚を続けるのには長過ぎる」と言っており、読み返した際に、『これっておかしいよな!』と思った(アメリアはアダムと結婚して2年しか経っていない)。しかし、終盤p.351でアメリアは「10年は、結婚生活を送るには長い時間で、アダムとロビンは自然な経過をたどったのだ」と言っており、p.66の表現は自分とアダムとではなく、ロビンとアダムのことであったことがわかる。つまり、p.66の表現は、アメリアとアダムが10年間結婚していたかのように読者に思わせる"red herring"だったわけ。アンフェアかと問われれば、「ま、セーフかな」と思う。
Posted by ブクログ
途中まではそれなりに興味を惹かれる程度だったけど、読み進めるうちに違和感が増してゆき、まさかの展開に驚き、うわ〜、やられたー!お見事!
となったのですが、指輪のクダりいる?あれは無い方が良かったのになと思いました。
Posted by ブクログ
峠を過ぎた中年夫婦の腹の探り合い……とてもよくある〈サスペンスドラマ〉のパターン、と、思わせておいて!
なんてやつだ!
登場人物二人の独白を交互に描写しながら、並行して過去の出来事をレター形式で徐々に明らかにしていく。
手の込んだ展開は読者を惑わし、終盤のどんでん返しの効果を高める。
洋館(教会)、吹雪、連絡不能と、古典的なスリラーの中に“相貌失認”という疾病を絡めて、まんまと乗せられて読んでしまった。
騙されたー
Posted by ブクログ
うーん、思ったほどでもなかったかな、、期待しすぎたのかも。3人の登場人物それぞれの性格に好感を持てなかったのもあるかな。前半に出てきたアダムの「相貌失認」といった特徴が、絶対にどんでん返しの根源となって出てくるのだなと思って読み進めていった。
ただ、最後の後半ページは新たにわかる事実が沢山出てきてハラハラしてしまった!アメリア、アダム、そしてロビンのそれぞれ抱える秘密が一気に出てきて、それと、手紙の部分も「あー、この人が書いてたのね!」とわかってすぐさま読破、思わず寝不足…。
Posted by ブクログ
好きなタイプの本ではなかったから、読むのに時間かかってしまった。ミステリというよりはサスペンスで、ちょっとホラー。最初は教会の近くに住むロビンが不気味すぎて恐ろしかった。
夫婦の仲を見直そうと教会にやってきたアメリヤとアダム。夫であるアダムは、相貌失認という疾患を持つ。人の顔が覚えられないって怖いな、もしかして、、、と思っていたような単純な内容ではなく、後半何度もびっくりさせられた。全員、嘘つきで、どこか壊れていて自分勝手な人達ばかりだった。それでも最後まで読まずにいられなかったし、読み飛ばさなくで良かった!
Posted by ブクログ
面白いんだけど、『彼と彼女の衝撃の瞬間』ほどではなかったかな。どんでん返しはあるけど、驚き桃の木というほどでもない。期待しすぎていたのかもしれない。
これを読む前にクリスティーを読んでいたので、文字がぎっしり詰まったページをめくるたびに、うっ、となったけど、文章はとても読みやすい。おかげで、クリスティーのすっきりとした会話主体の文章のすごさも再認識させられた。どちらがいいというものでもないけれど。
Posted by ブクログ
・感想
どんでん返し、って帯にあるとそういう視点で色々穿って読んでしまうし、大体思った通りの展開だった。
しかし帯にある様にゆっくり読もうと思ったら夜更しして一気に読んだ。
Posted by ブクログ
愛の冷めかけた夫婦の、最後になるかもしれない2人だけの旅行。大雪、周りに何もないチャペル。お互いに持つ秘密と企み。
夫妻の一人称語りが順に交わされる。その間に、過去の記念日に書かれた妻からの手紙が挟まれる。構成が面白かった。その狙いも大成功。
ただ、自分の中では、終盤に失速。
ラストの異常性に対するリアルさが足りない気がして、私にはイマイチ伝わりきらなかった。
Posted by ブクログ
上手くいっていない夫婦のアダムとアメリアは、カウンセラーの助言を受け2人で旅行へ出掛ける。そこは古いチャペルを改装した湖畔にたつ人里離れた山奥のホテルだった。そこで夫婦は大雪で身動きが取れなる、夫婦2人と愛犬一匹しか居ないはずのそのホテルでは次々と不審な出来事がおこる。
物語はアダムとアメリアそしてロビンの三人順番の1人語りと、過去の手紙で進められていく。 どんでん返しは好物だけれども、これはあまり好みでは無かった…。
Posted by ブクログ
登場人物それぞれの視点と過去の手紙で語られ、殺人事件の解決ではなく人間 の怖さがジワジワくるミステリーだった。
この形式は誰もが真実を言わない&すべても語らないので、どのパートも信用できないなぁと思いながら読んだけど、しっかり騙されました。相貌失認の設定はずるいなぁと思う。読者が圧倒的に不利。
作者か訳者かどちらの腕かわからないけど、前作に続きとても読みやすいのがグッド。
Posted by ブクログ
冷え切った夫婦関係のアダムとアメリア。関係を改善すべくスコットランド旅行に出かける。滞在するのは改装された古いチャペル。だがそこはなにやら不穏な空気で・・・
ネタバレ抜きの感想がなかなかに難しい。
アダムとアメリアの章が交互に、そして結婚記念日に夫にあてた手紙が差し込まれるつくり。序盤からとにかく不穏な感じや思わせぶりな「秘密」の独白が多いもののなかなかに「事件」は起きない。
こういう話って語り手は自己弁護もしつつ話を進めていくので語り手には感情移入というか好印象を抱きがちなんですが、これはあんまりそういうことがない。なんともこう・・・嫌な感じ?
そしてラスト・・なるほどなあ。そういうことか。。。なんか登場人物みんながちょっと全体的にアレな・・・