中村航のレビュー一覧
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バンドメンバー募集をコアにした、中篇2作。主人公は最近の小説にありがちな、大学をやめてしまって、塾講師をダラダラと行う男性と、期間工の派遣社員。
定職につかず、だらだらした人生、長編でない、特に何かが起こらないなど、芥川賞狙いかと思ったら、やっぱり候補になっていたらしい。また、表題作は、作中に解説されているがビートルズの「ヘルター・スケルター」で、もう1本はそのままオジー・オズボーンの曲名だ。
両作品とも、恐らく私小説な部分が多く含まれており、黄金比の話や大学の数学の授業、会社の研修など、話の内容と絡んでいるかどうか今ひとつ不明ながら、いい感じにアクセントになっている用に感じる。
純文学 -
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Posted by ブクログ
「さよなら」は別れじゃなくて、再会の約束。
ふわっとした雰囲気が魅力。ありきたりだけど、「さよなら」は、また新しい出会いの始まりだったり、再会の準備だったり。悲しい気持ちはあるけれど、決して嫌なものではない。
少々ファンタジックな話もあり、いやいやそんなに人生うまくいかないしという話もあり、でも、そんな優しい話にほっとする。
「さよなら、ミネオ」が好きかな。辛い、苦しい時期は、度合いは異なっても誰にでもあることで、この話はそんな時期にある人への、エールだと思う。寄り添ってくれる存在(現実だろうと非現実だろうと)の大切さと、いつかそれを卒業できるという励まし。やはり「さよなら」は、それまで -
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ネタバレ映画のキャスティングを思い浮かべながら一気に読破。
「ノゾマナケレバ、シツボウシナイ、アキラメレバ、カナシクナイ、キタイシナケレバ、キズツカナイ、モトメナケレバ、ウシナワナイ」
光の心情の中で、何度か出てくるこの言葉が、なんとも胸に突き刺さる。
心にかけられた枷から解き放たれたデビクロくんが、なにより人の心をうって、最後の怒涛のようなデビクロ通信へ進んでいく。
杏奈の思いにきゅんきゅんする。
モラトリアムな二人の関係は心地いい。
けど、相手と向き合ってないから、いつか終わる。
単に、居心地がいい人、なだけだから。
そこを明確にするのはとてつもなく勇気がいる。
そんな想いをしたことがある人は -
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【再読 2014/12】
帯が2006年のフェアのものだったので8年ぶり。
この本を読んで心が整理されたと同時にこの本を手放さなければと思った。
これは何度も読み返す本ではなく、必要な時がくれば思い出す本だろう。
「僕」に値札のように張り付いていた”半沢良”が「僕」に染み込むまでの物語。
この本は人が生まれる瞬間を描いている。
優しい拾い魔の「姉さん」は生き方を示してくれる”母”でもあり、華がある「山崎」は愛を教えてくれる”師”。
そこに月から降りてきた「ウルシバラ」が初めて「僕」を”半沢良”として認め、「僕」が「半沢良」になった。
難しいことを考えずに愛しさを感じるストーリーです。 -
Posted by ブクログ
実はちょっとイケメンな心優しき書店員の光が主人公。
しかし、そんな彼には「闇」の部分があり、それが募ると
自作のイラスト付きビラを無差別にばら撒くという衝動が。
そんな彼の表も裏も知った上で恋している溶接女子の杏奈は
光が「運命の人に出逢った」とはしゃぐ姿に応援してしまったり、
また他の登場人物にもそれぞれ恋模様があったりして。
さらりと読める恋愛モノかなぁ。
私もそうだったけど、多分読者の多くは杏奈に共感して
肩入れしちゃうだろうなー。
そして、ラストはまぁ予想の範囲内の展開に落ち着きました。
良くも悪くも、裏切られるようなことなくすんなりとしたオチに。
映画ではどんなふうに描かれてい