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中村航さんのだいぶ初期の方の作品です。塾講師のバイトのかたわらバンドを始めようとする小林と、その塾で教わっているヨシモク(小林が勝手につけたあだ名)、そして、小林がバンドを作ろうと募集をかけた時に話に乗ってきた千葉と哲郎サイドのバンドを始めようとする背景を描いた両局面からの話の展開になっています。
結構ノリと勢いが面白い感じで、数学のこと織り交ぜつつ、ヘルタースケルターというビートルズの音楽を主軸にしながらバンドを始めようとする若い人たちのことを焦点を当てていました。
作品は2004年のものらしいのですが、そういえばこの頃はウォーターボーイズとかスウィングガールズとか高校生がなにかを新しく始めてみるような映画が流行っていたなーと思います。(あとがきで知る)
バンドというのも特殊性があるようでその動機は意外と単純なものだったりするんだなーと。
新しいことを始めてみるのもエネルギーがいるからだんだんしなくなりがちだけど、挑んでみるのも悪くない…なんてことを考えてみました。
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理系の作者らしい蘊蓄がたまらなく好きでした。アルバイト先の塾の生徒のヨシモクと主人公とのほのぼのとしたやりとりがかわいらしくて好きな小説です。
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表題作『ぐるぐるまわるすべり台』と
その関連作『月に吠える』の二篇を収録。
気に入ったくだりをいくつか模写してみてわかったけれど、
中村氏の文章はそれほど美しくなかった。
ストーリーもシンプルでそれほどスペシャルではない。
それでも惹かれてしまうのは、たぶんきっと温度のせいだ。
圧倒的な近似値をもって「同じものができない」と言わせる。
居酒屋の「はい喜んで」を福音のように尊く描く。
その独自の感性、表現力が
迷いと戸惑いを秘めたありきたりの日常のなかで
砂金のごとく燦めいている。
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狛犬(仮)のその後も気になるけれども
いい雰囲気で読み終えられた。
小林くんは4月からはどうなるのかな。
塾講はなかなか似合ってるんではないでしょか。
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相変わらずの中村航!
ヘルタースケルターが聴きたくなる作品。
というか今聞いてる。
メンバー募集の文面は一体なんなんだよ…と思いながら読んでいたが
集まったメンバーは結構素敵なんじゃないかと思ったり。
ドラムの人のポリシーはなかなか素敵。
ネタバレだが、結局自分が参加しない、ということに中村作品らしさをとても感じた。
文庫で追加された短編も良い感じ。
「女の子は笑わせる」
という信念にそういう考えもアリだな、と思ってしまった。
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大学を辞めて塾のバイトをしながらバンドを組もうとする青年の話。ぶっちゃけ何が言いたいのか全然わかんなかった。でもそこがよかった。非生産的なところがリアルで文学を感じた。
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ぐるぐるまわるすべり台
→黄金比。無限の自己増殖性。自己相似性の永遠。ヨシモク。へルター・スケルター。狛犬。にゅいーん。フレットレス。バンド。
月に吠える
→ハインリッヒの法則。1:29:300。ヒヤリ・ハット。ゴン太くん。ホウ・レン・ソウ。オガサー。ギタリストは職業、ドラマーは属性。俺の旗。いつだって全体を見ることができるのは壇上の人間と一番後ろの人間だけ。
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ストーリーの流れや登場人物の会話が独特。
塾講師をしていた主人公がある日
バンドメンバー募集の掲示板に書き込みをします。
その書き込みをみて集まった人達が
主人公とぐるぐる関わって行くお話。
主人公とヨシモク君のやり取りと
募集したバンドメンバー達が
ビートルズのヘルタースケルターでやりとりする所が好き。
穏やかにゆっくり、ぐるぐると進んで行く展開に途中ダレたけど
最後まで読んだら、おわ!!こんなオチか!ってなってすっきり。
にゅいーんと笑う。ってどんな笑い方なんだろー。
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大きな出来事は起こらないけれど、テンポよく読め、共感できる作品。
学校に行く決意をした”ヨシモク”、おそらく軌道に乗るであろう”狛犬”。
それに反して、”僕”だけがぐるぐる回るのである。
けれど、それだけが黄金らせんだけが、ある意味、ずっと、たどり着くことのないものではあるけれど、終着点を目指すことが出来る方法なのだろうか。
時がたつにつれて、四分円の半径が小さくなるにつれて、”僕”のかわしぐせも少しずつ程度がましになっていくのではないだろうか。
”僕”が幸せになることを願わずにはいられない。
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とぼけてるのにかっこいい。決意とか決断とか、重そうなものをさっぱり書いてるところが素敵。そんな身構えなくてもだいじょうぶだと思わせてくれる。月に吠えるも面白かった25/5/10
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読み終えて まずは ビートルズのヘルター・スケルターを聞きました
結構 テンポよく 始まる・・・。
いい感じの曲!!
この曲を 聞きながら散髪をしていたのかなぁ〜
狛犬の今後が 楽しみ
一度 リセットをするって 大事な事なのかなぁ〜
新しくスタートをきる為の一歩なのかもしれない・・・。
ゆったりとした感じが 伝わってきます
一周回ったんだ、と僕は思った。
一周回ったスタート地点は、かつて僕がいた場所とは違う。
始めたこと、始めなかったこと、
聞いたこと、語れなかったこと
一周回ったんだ、と僕は思った
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読み終わったら、ヘルタースケルターを聞きたくなります。聞いてまた思い出すとなるほどと思えたり。最後はどうなんだろう、結局何だかんだで合流したかな。
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バンドメンバー募集をコアにした、中篇2作。主人公は最近の小説にありがちな、大学をやめてしまって、塾講師をダラダラと行う男性と、期間工の派遣社員。
定職につかず、だらだらした人生、長編でない、特に何かが起こらないなど、芥川賞狙いかと思ったら、やっぱり候補になっていたらしい。また、表題作は、作中に解説されているがビートルズの「ヘルター・スケルター」で、もう1本はそのままオジー・オズボーンの曲名だ。
両作品とも、恐らく私小説な部分が多く含まれており、黄金比の話や大学の数学の授業、会社の研修など、話の内容と絡んでいるかどうか今ひとつ不明ながら、いい感じにアクセントになっている用に感じる。
純文学の性格上、やや単調で退屈に感じるところもあるが、軽い文体が比較的読みやすく、感想も持ちやすいので、高校生くらいにも読みやすい1冊ではある。
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「月に吠える」の方が勢いがあるような気がして楽しかったかな。
本編の方は、なんで教え子の名前をハンドルネームにしちゃうのかとか、なんで約束した練習に行かないのか、そもそもなんで大学を辞めちゃうのか・・・などなど、主人公の鬱々としたものがどこからくるのかわからないままに終わってしまった。
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言葉の使い方が、抑え目で、
言葉遊びをしていないのが、結果として、うまく物語として、
展開した。
大学をやめて、塾の講師となり、
バンドをネットで、集める。
わずかなメッセージで、お互いに感性を察知し合う。
何を、目標にしているのか。
ヨシモクという生徒の名前を僕はとってしまう。
でも、ヨシモクって、どんな字を書くのだろう。
スケルターケルターって、ビートルズの歌で、
ぐるぐるまわるすべり台とは、知りませんでした。
もう一つの『月に吠える』も、ビートルズの歌。
会社で、ノビノビ、ホウレンソウしたり、
改善活動や、サークル活動に、
てつろーやチバが、積極的なのが、おもしろい。
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大学を中退し、主人公は「ヨシモク」という名前でバンドを作ろうとする。その名前は、取りあえず4月まで行う予定であるバイト先の塾へ毎日通う教え子のものだった。着々とバンドのメンバーが揃う中でビートルズの「ヘルタースケルター」を演奏しようということになる。訳は「ぐるぐるまわるすべり台」。黄金比や主人公の生き方はまさに“ヘルタースケルター”。でも最後には点へと行き着く。ヨシモク君との最後のシーンは青春とは少し違うけど、清々しい気分になれる。
カップリングの「月に吠える」は、『面白がる人は、面白がらない人の30倍は可愛い。』という言葉が印象に残った。オガサーは、何がいまいちだったのだろう……。
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「ヨシモク」
おいおい、それでいいのか、おい!
と思ってしまいました。
黄金比、白銀比。ゴキブリ1匹、裏に26匹、卵100個。ぞっとするわー。
ビタミンちくわ、ころころジャスミン茶。
にゅいーん。
とりあえずギターでも弾くか。
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世界では様々な物語がぐるぐると渦巻いている
そして人生もぐるぐると周り続けている どこかに向かって…それは中心ではないかもしれない 人生の中心ってなんだ?
でもずっと同じところにいるわけでなくて一日一日どこかに向かって渦巻いている 決して同じ場所にはいない
もう終わりって感じで主人公と同じくらいあっさりしていた
こんな感じのストーリーは好き
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にゅいーんがいい。にゅいーん
月に吠えるはぐるぐるまわるすべり台とは関係ない話だと思って読んでいたけどドラマーとギターのてつろーと千葉はここでつながったのかーって読み終わる頃気がついた。
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大学中退後ロックバンドを結成する青年の話(ぐるぐるまわるすべり台)とそのバンドのギタリストとドラマーの出会いを描いた話(月に吠える)の二編。
理知的な雰囲気で始まるけれど、終始感覚的ないし感性に訴えるような文章。どちらかというと苦手なタイプの小説だった。
ただ、ちくわは出汁で茹でて食べてみたくなった。
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大学を辞めた青年が、塾講師をしながらバンドのメンバーを募集する話。
あたしはロックとか良く知らないから雰囲気を楽しんだ感じ。新しい音楽を始める期待とかエネルギーとか。
結末に少しびっくりしたけど、それでもいいのかな、なんて。
ドラマーの千葉くんが楽しかった。「俺はドラマーなんで…」ってのが。
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初期三部作の三つ目。
「ぐるぐるまわるすべり台」
塾講師小林と生徒ヨシモクとバンドメンバー募集の話。
にゅいーん。
「月に吠える」
「ぐるぐるまわる」でバンドメンバー募集に応じたてつろーとチバさんが出てくる。
てつろーただのチャラい奴かと思ったら、意外と、かなりできる派遣社員だった。「あなたを辞めさせるわけにはいきません」とか言われてみたい。
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とっても好きなところと嫌いなところがたくさんあった話しでした。
文章の書き方や表現はすごく好みで、とくに塾での出来事、とくに教室長の行動には主人公と同じようにそのパーフェクトスキルに憧れます。そしてヨシモクとの付き合いかたの空気がいい。
でも!
どうしても主人公が好きになれない。
というか、あとがきにあったように、主人公のかわしぐせが好みじゃないのかもしれません。
彼が語る内容、言葉はとてもきれいだけれど。
静かに周りの波紋を観察して、たまにそこに石を投じてみるけど、その観察者から実際に自分も波紋の一つになってほしかった……
でも書かれ方はとても好きなのでまた別の本を読んでみようと思います。
Posted by ブクログ
うーん。読後感は微妙ですね。爽やかではあるんだけれど、個人的にはもやっと感も残っていたり。
作品の内容は詳しく書けないんだけれど、未だに主人公は結果としてどうしたんだ?というのが理解できん。待ち合わせをドタキャンしたのか?うーん。
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HELTER SKELTER、こんなに激しい話じゃない。中村航らしい、淡々と進む穏やかな話。地球の自転に左右される私たちの生き様、黄金率。ジョンもポールも、リンゴもジョージも、同じ中に生きていた、という事実には時々、慄然とさせられる。派遣社員の彼の台詞はどこまでも正しい。最大の効率化は人がいらなくなることだ。