小宮輝之のレビュー一覧
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ネタバレ最近の僕は、『霊長類図鑑 サルを知ることは人を知ること』や『カラスの秘密 生態と行動の不思議を探ろう』、あるいは『クマムシ博士のクマムシヘンテコ最強伝説』といった生物や動物の生態に関する本に強く惹かれていた。過酷な環境や独自のルールのなかで、生き物たちがどのように適応し、生命を繋いでいるのかを知ることが純粋に面白かったからだ。そんな知的好奇心の延長線上として、日本の高山という極限環境に生きる特別天然記念物について書かれた本書『お山のライチョウ』を手に取った。しかし、それ以上に僕の背中を押したのは、最近身の回りで起きた「命」にまつわる出来事の数々だったように思う。下部のばあばが97歳で大往生を遂げ、親戚一同で見送ったこと。そして何より、妻のおちえのお腹に宿った新しい命が、数週間で心拍を止めてしまったこと。命の誕生と喪失という抗えない大きな波の中で、厳しい自然界でひっそりと、しかし逞しく命を繋ぐライチョウの姿に、何か答えを求めていたのかもしれない。
本書の核心は、氷河期からその姿をほとんど変えずに生き残ってきた「生きた化石」であるライチョウの、過酷な高山帯における独自の生存戦略と命のサイクルを描き出すことにある。天敵から身を守り、限られた食物で極寒の冬を乗り越えるための彼らの生態を通して、著者は「適応」という生命の神秘と、自然と共生することの真の意味を読者に問いかけている。
読み進める中で最も僕の心を捉えたのは、ライチョウがテンやワシなどの天敵から身を隠すため、あえて霧やガスが濃く発生している悪天候の時に活動するという生態だ。さらに、夏は褐色、冬は純白へと羽の色を変容させ、完全に周囲の風景に溶け込む「保護色」の概念も印象深い。厳しい環境に抗うのではなく、環境そのものと同化し、自分を変えることで生き残るという徹底した生存戦略である。
この「あえて悪天候の時に動く」というライチョウの生態を知った時、妙な納得感と共に胸が熱くなった。僕たちはつい、晴天の歩きやすい日にだけ行動したがり、雨や霧の日は立ち止まってしまう。しかし、ライチョウにとっての悪天候は、自らの命を守り、安全に餌を獲るための最大のチャンスなのだ。これは、逆境や困難な状況にこそ活路を見出す、一種の哲学のようにも思えた。
ちなみに、ライチョウは氷河期の終わりに日本列島が温暖化した際、涼しい気候を求めて高山帯へと追いやられた生き残りである。本来なら絶滅していてもおかしくない彼らが、ハイマツの茂みという限られたテリトリーで生き延びてきたことは奇跡に近い。『世界を変えた50人の女性科学者たち』に登場する先駆者たちや、クマムシの極限環境耐性にも通じるが、圧倒的な逆境の中で生き残る者には、他者にはない特異な適応力が必ず備わっているものだ。
本書を読み終え、僕の中に一つの問いが生まれた。現代社会を生きる僕たちにとっての正しい保護色とは何だろうかということだ。SNSなどで目立つことが良しとされる現代にあって、ライチョウのように風景に溶け込み、目立たず、しかし確実に自分の命とテリトリーを守り抜くという強さは、見失われがちである。
ライチョウは決して巨大な群れを作るわけではないが、限られた環境下で密接に関わりながら生きる。
『お山のライチョウ』は、極限の世界で命を繋ぐ鳥の生態録であると同時に、霧が立ち込める予測不能な人生の山を、愛する人たちと共にいかにしなやかに、逞しく歩み続けるかを教えてくれる、人生の指南書であった。
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生来の生き物好きは、鳥にも興味がある。シマエナガにすっかり魅了されているが、スズメが見せるしぐさ等にも気になっていた。
本書は、スズメの持つしぐさや表情等を余すことなく魅せてくれる。その写真を撮影した写真家によるコメントもあり、写真自体に臨場感等を感じる。
水飲みや砂浴びの表情が、愛くるしい。ちなみに、スズメたちが集まる水飲み場では、場所の取り合いもあるようだ。
また、人間が『伸び』をするように、スズメもストレッチと呼ばれる筋肉等を弛緩させる行動をするらしい。
なお、スズメは、外敵等を常時監視すべく、頭部を180°回転させることができるようだ。
巻末には、スズメ以外にも多くの鳥に関する書籍案内が掲載されている。参考文献も記載されているので、網羅的に情報を入手できるだろう。
足繁く通う書店には、スズメの表情を収めている書籍もある。本書を手に取ると、途轍もなく狭い世界だが、何かが変わったような気がした。
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感想ではなくネイチャーガイドとしてのまとめです
●メジロについて
〇ヒナから幼鳥
羽の色は親鳥と同じだが、白いアイリングはまだ生え揃っていない
〇体重変化
ふ化後は1g、約11日後の巣立ち直後は11g
〇小回りがきく
翼が短いので飛ぶ速度は遅いが、急旋回や垂直に近い飛び立ちが可能で
〇舌の形
メジロの舌の先は花の蜜を吸うのに便利なブラシ状
〇爪あと
ツバキなどの冬の花にかき傷が在るのは吸蜜したメジロの足跡
〇群れる
繁殖期以外は十数羽程度が群れになって行動することが多い(繁殖器:4~7月頃)
繁殖器を終えた秋頃のメジロは群れに合流する
〇営巣と子育て(年2回繁殖)
・巣:2本の細い枝の間や木の股にクモの糸を使ってハンモック状に
・産卵数:3~5個
・卵:白または淡い青緑色 、直径 1.7cm × 1.3cm
・抱卵: 約11日間(オスメス共に)。産み終わった時から開始
腹の一部の羽が抜け皮膚が露出した部分で温め、11日ほどで 巣立ち
・独り立ち:しばらく親にエサをもらいやがて独り立ち
5~18羽程度で群れを作り、寝る時は同じ枝で体をくっつきあって寝る
〇混郡
シジュウカラ、ヤマガラ、コガラ、エナガと混郡をつくる
繁殖器が終わると他の種類の小鳥と混郡を作る。特に大雪の後などは大規模に
〇ほとんどの幼鳥は巣立ってからはお互いに一定の距離を保ち、ペア同士もこれほど密着することはない。その例外がエナガとメジロ
〇飼育禁止なんだけど・・
メジロの飼育は禁止であるが、抜け道として外国産の亜種の輸入は可能であるため、
国内で違法に捕獲した個体を「外国産」と偽って飼育する例が少なくない
〇メジロを県や市の鳥に指定してるところ
県:和歌山県、大分県
市:調布市、武蔵村山市、千葉県印西市、岡山県井原市・瀬戸内市、和歌山県田辺市
徳島県三好市、名護市
●他の鳥
〇日本3鳴鳥(めいちょう)
ウグイス、コマドリ、オオルリ
〇「ウグイス色」の間違い
「ウグイスもち」がとってもキレイな緑色をしていので間違ったイメージがついた
〇ヒヨドリはかつて日本の南方に生息し していた
〇眼の中に2つの「中心窩」(ちゅうしんか)
鳥は網膜も最も後方の部分に、その中心に物を見る部分「窩」(か)というところがある。 人間の目は左右1つずつであるが、鳥の目には2つずつある。一方の中心窩で遠くのものを見て、もう一方の目で近くを見る
〇視野
鳥の視野は330度と広く、哺乳類などの白目にあたる部分がない
〇他の鳥のアイリング
オシドリ:オスにあるが、その周りが明るいクリーム色や黄色なので分かりにくい
コハクチョウ:黄色いアイリングがあり、くちばしの黄色と繋がっている
〇食べ物
鳥全般に植物食か動物食かとはっきり食性を分けられる種はあまりいない
主に植物食であっても、繁殖器を中心に動物食が見られる鳥が多い
〇日本固有種の鳥
日本で見られる 600以上の鳥の内、日本固有種は15種
アオゲラ、アカコッコ、アカヒゲ、アマミヤマシギ、カヤクグリ、ノグチゲラ、メグロ、ヤマドリ、ヤンバルクイナ、ルリカケス、オガサワラカワラヒワ、オリイヤマガラ、
キジ、ホントウアカヒゲ、リュウキュウサンショウクイ
以上 -
Posted by ブクログ
ネイチャーガイド的まとめ
カモ
〇潜水ガモと水面彩食ガモの違い
潜水ガモ(モホシハジロ、スズガモ、カワアイサ、キンクロハジロなど)
・足が体の中央よりも後ろに付いていてペンギンのようによちよち歩く
・水面を 左右の足で交互に蹴りながら 助走して飛び立つ
水面採食ガモ(マガモ、カルガモ、コガモ、ハシビロガモなど)
・足が体のほぼ中央に付いていてスムーズに歩ける
・水かきで水を蹴りその場からほぼ垂直に飛びたてる
〇多くのカモはまぶたを閉じると白っぽく見え白目をむいているようにも見える
〇コガモはハトよりやや大きいくらいだが、翼が長いので飛翔時はハトより大きく見える
〇オシドリは東北・北海道ではほぼ夏にも見られる
〇シマアジは春と秋の渡りの途中に立ち寄る「旅鳥」
〇ツクシガモは大阪湾の万博会場の夢洲が日本最大の飛来地であったが建設で激減
〇アイガモ
アヒルとマガモの交配で生まれた
鴨肉として売られているものは大半このアイガモか一部アヒル
〇交雑種マルガモ
一般に種が異なると交雑はできてもその子供には繁殖能力がないとされているが、マルガモには繁殖能力がある。DNAレベルではほぼ同種と見ても良いくらい近縁種であることが分かっている
一見似ていないマガモとカルガモの共通点は次列風切羽の青い翼鏡(よくきょう)
〇翼鏡とメス
一般的には地味なメスだが翼鏡は別。マガモ、カルガモ、コガモ、ハシビロガモなどの
水面採食ガモはオスと同じ翼鏡
〇ホシハジロの語源
星は星屑が散ったような羽の模様、またオスの一等星を思わせる赤い目から
〇スズガモの語源
飛翔時に鈴の音を思わせる金属的な羽の音から
カモ以外
〇カモは毎年ペアが変わるが、ガンやハクチョウは死別など以外は変わらない
〇ガンはオスメスともに羽の色は通年ほぼ同じ
〇食べ物が運ばれる食道の直径は哺乳類と比べて鳥類は太い
〇鳥のまぶた
・人間と逆で下から上に閉じる
・瞬膜を持つ。半透明の膜でで横にスライドして角膜を掃除する
〇人間に飼われている多くの鳥は原種より大型化して、体の大きさに対して翼が小さいため飛翔能力を失っている。よってアイガモ農法が成り立つ
〇アヒルは13世紀に中国から日本にもたらされた
〇ハクチョウは意外にカモと同じ「カモ目カモ科」に分類される
以上 -
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僕は動物が好きだし動物写真も好きだ。
冒頭のエゾシカのかっこよさとかわいさにまずやられた。
動物写真にはメッセージ性があるものも多いし、もちろん動物たちの生息環境を保つ、残す、という必要はいつも感じる。
本書はどういうメッセージなのだろう。著者というか写真家の久保さんは晩年を北海道で過ごした。
だから、なのか、この写真集の大半は北海道の動物である。あれ、北海道写真集と間違えたかな、というレベルに北海道である。
北海道にこそ、そういう環境が残されている、ということかもしれない。
僕も時折本州の山の方に行くけれど、哺乳動物なんか滅多に見られない。見たら話の種になるレベルだ。
そういう暗鬱とした気持ちも呼び覚まされてしまうが、それでも収録されている写真は美しくもかわいらしく、そして少なくとも撮影時にはそういう営みがあったわけだ。
そうして残されたものを見て、なにか気付いたり行動したり、ということもあろうから、幾重にも価値がある。 -
Posted by ブクログ
上野動物園の園長を務めあげた著者から見た動物園のいろんな取り組みや動物たちとの奮闘や楽しみや日常。
こういう現場の方の記録を読むと、大好きな動物の事を日々考える現場にいらっしゃる事が羨ましくなるなぁ(^^)。
井の頭公園から鯉がいなくなったほんとの理由。
矢ガモの捕獲劇。
ウサギって飛び跳ねるのが好きなわけじゃないんだ?!
花形動物ではない地味な動物たちの日々の暮らし。
動物を愛し、現実を見つめ、未来を創っていこうとする動物園のスタッフのかたがた。
大好きな動物が死ぬのを見るのが嫌だから…と動物の仕事を選ばなかった私は後悔しかないなぁ〜。
動物好きには知識としても楽しい本。
動物園に行きたくなる本。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
明治五年、湯島の展覧場にオオサンショウウオなどが展示されて以来、140年の歴史を持つ上野動物園。
明治期には、ニホンオオカミやトキが飼われ、徳川慶喜がナポレオン三世からもらったウマも暮らしていた。
戦中には猛獣殺害という悲劇もあったが、いまでは飼育種数では世界有数の動物園に育ち、教育・環境保全などでも重要な役割を担っている。
園長自身が激動の歴史を、代表的な動物たちのエピソードとともに案内する。
[ 目次 ]
第1章 開園前後
第2章 宮内省の動物園
第3章 東京市の動物園に
第4章 平和の回復
第5章 復興から発展へ
第6章 新たな百年、そして二一世紀へ
第7章 上野動物園の目指すこと
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
ネタバレ哺乳類の中でも、特に外見や生態が特徴的な生き物を珍獣と定義するらしい。ポケモンみたいな可愛いやつも多い。
パームシベットは香水にもコーヒー豆にも使われる謎の重宝動物すぎる笑
アレンの法則
寒い地域ほど突出した部分が小さくなる。
ベルクマンの法則
寒い地域ほど体重が重い
ミーアキャットはサソリの毒に免疫がある。
キリンは高いところにある脳に血を送るため、心臓が強く血圧がとても高い。睡眠時間が短く、野生で1日10分ほど。
北海道にしか生息しないトウキョウトガリネズミ(世界最小の哺乳類)。元々、エゾトガリネズミという名前だったが、標本にエドトガリネズミと間違えて書かれ、当時江戸から東京に地名が変わったので合わせて改名。
ビーバーの巣は、両親と直近2年間に生まれた子供と暮らす。
パームシベットは肛門周りに臭腺があり、出る液はいい匂いなので香水になる。また、食べた未消化のコーヒーの実をフンから取り出して加工したコーヒー豆は世界最高級のコーヒー豆。1杯5000円。
道路に撒く融雪剤に塩分が含まれているため、それが付着した車を舐めにくることでぶつかるヘラジカ。
ハネオツパイはアルコールが含まれる花の蜜を食べても酔わないため、二日酔いの治療の研究に使われている。
キタオポッサムは一度に50匹以上の子供を産むが、乳首が13個しかないため、吸い付けなかった子は死ぬ。