僕は動物が好きだし動物写真も好きだ。
冒頭のエゾシカのかっこよさとかわいさにまずやられた。
動物写真にはメッセージ性があるものも多いし、もちろん動物たちの生息環境を保つ、残す、という必要はいつも感じる。
本書はどういうメッセージなのだろう。著者というか写真家の久保さんは晩年を北海道で過ごした。
だか
...続きを読むら、なのか、この写真集の大半は北海道の動物である。あれ、北海道写真集と間違えたかな、というレベルに北海道である。
北海道にこそ、そういう環境が残されている、ということかもしれない。
僕も時折本州の山の方に行くけれど、哺乳動物なんか滅多に見られない。見たら話の種になるレベルだ。
そういう暗鬱とした気持ちも呼び覚まされてしまうが、それでも収録されている写真は美しくもかわいらしく、そして少なくとも撮影時にはそういう営みがあったわけだ。
そうして残されたものを見て、なにか気付いたり行動したり、ということもあろうから、幾重にも価値がある。