藻谷浩介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
旅行が「趣味」を超絶している著者。ほんの短時間立ち寄った印象で、街角が照射する国際情勢や地域経済を独断をまじえて解説する。著者によれば、地政学とは、ある地理的条件の下でどういう人間行動のパターンがあるのか、共通点を通して社会や経済の構造を把握するもの。今は軍事よりも、経済力や技術力、文化力、人口圧力、宗教などのソフトパワーが重要な地政学の要素になっている。これらを行使するのは企業や資産家、芸術家、個人。ハードパワーには無縁でも、ソフトパワーの中核である資金力を持つ小国が存在感を放つケースもある。例えばドバイ、シンガポール、ルクセンブルク、スイスなど。土地が重要な意味を持ったのは農業社会において。現在は土地よりも資本や技術、人材が重要。中国の21世紀型覇権主義の本質は、経済力というソフトパワーの行使にある。その主戦場は東南アジアや南アジア、中南部アフリカ。日本はどうたち振る舞うのか。強みは何か。
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Posted by ブクログ
2012年7月7日に出た。
このタイミングは、いま思うとなかなか意味深長かも。
2011年3月11日の東日本大震災と
2013年8月の『里山資本主義』の間にあたる。
藻谷浩介が、『デフレの正体』(2010年)を出して
ベストセラーとなった。
独特の人口論で、なぜ消費が延びないかを謎解いた。
なんのことはない、消費したくとも若い働き盛りの世代に余裕がないからで、その機会を奪い取っているのが団塊世代という仕組み。
そして震災。
ここから考え方が大きく変わった。
お金で買えないものへの価値。
普通に家に帰って、普通に家族と語らってという暮らしの尊さに気付いた。
山崎亮が『コミュニティーデザインの時代』を出したのが2012年9月。
つまり、この本で、藻谷と対談、というより、藻谷から経済成長でない幸福のあり方を、経済という観点から問いただした。
どうも、藻谷はこの段階で『里山資本主義』の出版が視野に入っていたのではないかと思える。
安保法制が成立し、若いひとたちから始まった平和を求めるうねりが生じた2015年。
地方創生のかけ声が生じたこの年から、もう一度、
震災で変わった価値観をどう描くかを真剣に考えた2012年という時代の2人の問いかけから掬い上げることのなんと多いことかと感じた。
藻谷が概論的に経済学的観点からの幸福論をもう少し精細にした本が読んでみたいところ。
とくに「限界効用の逓減」あたりについて、より詳細な論考を望みたい。