「最凶」シリーズ新装版4冊の後の、7年ぶり新作です。楽しみにしていた気持ちを裏切らない面白さでした。
遙が柾鷹とともに生きる覚悟を決めたあの法事からまもなく、という時系列です。
高校生の頃までとってもシリアスだったのが、ただの中二病だったのかと思うほど、現在の二人はラブラブ。そしてケンカもしている
...続きを読むみたいだけど、犬も食わない痴話ゲンカ。ますます姐さんとして肝が据わってツンデレに磨きのかかった遙と、組長としての格はあるのに尻に敷かれてヘタレている柾鷹です。
話は明るく軽いタッチでありながらも、自分のおかれている立場や柾鷹への想いにしっかり冷静に向き合っている、遙のすごく男前な考え方が真摯に伝わってきます。
今回、遙はあることが原因で、沢井組の若頭である小野寺に拉致されるのですが、命の危機とかそんなハードな展開にはなりません。ただ、小野寺は「柾鷹と別れて欲しい」と驚愕の要求を突きつけてきます。
柾鷹は、遙に愛を試されます。以前よりヘタレてるし甘えてばかりだし柾鷹の残念なところばかり目に付いていたので、そんな彼がこの事件にどう決着をつけるのか興味津々になるストーリーです。
遙は覚悟をきっちりつけているので、傍目から見てもなんの心配も無い度胸のある男です。そして、そんな遙の期待通りに柾鷹が動くのかどうか、というのが読みどころです。
うん、やっぱりカッコいいよ柾鷹。ドッキューンとしちゃいました。はっきり言って、負けました。
そんな拉致事件の裏側で、千住組はどんな動向をみせていたのか、というのが若頭の狩屋側から描かれている「his duty2-若頭の領域2-」。こちらがとても面白かったのです。狩屋の相変わらずそつのない手回しのよさ、安心できる活躍ぶりに、このまま独り身は不憫と思わせます…ドーナツのエピがすてき。
そして、柾鷹はなんだかんだ言ってもやはり凄みが利いていて、組をまとめるのにふさわしい力量も感じさせられます。ちゃんとしてる。
二人の愛にやられまくりで萌えました。エロも愛情いっぱいで、読んでいると胸が熱くなります。