谷原秋桜子のレビュー一覧
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表紙イラストと、「密室」という単語に惹かれて購入。
冒頭のプロローグが、誰の視点なのか予想を立て、読み進めたところ、予想的中。
また、犯人及び、密室トリックについても、自分の予想通りだったため、意外性を感じるところはありませんでした。
タイトルに込められた意味は、気づきませんでしたが、「密室」はダブルミーニングになっていて、片方の密室の捉え方は、面白いと感じました。
同時収録されている短編も、予想通りの展開でしたが、読みやすかったこともあり、まずまず楽しめました。
「ライトな本格ミステリ」と紹介されているように、ある程度ミステリを読み込んでいる人であれば、少し物足りなさを感じるかもしれま -
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ネタバレ美波はアルバイト先でのトラブルで、多額の借金を負うことに。
「寝ているだけで一晩5千円」という好条件のアルバイトに飛びついたが、その勤務先で殺人事件に遭遇してしまう。
著者デビュー作。
富士見ミステリー文庫から出ていた『激アルバイター・美波の事件簿 天使が開けた密室』に短編『たった、二十九分の誘拐』を加え、それぞれ最初のものに加筆修正したものを収録した文庫本。
富士見ミステリー文庫、ライトノベル。
主人公や周りのキャラクタの立ち居振る舞いはまさしく、それ。
帯に、“怖がりだけど健気な美波が、探偵・修矢と奮闘する期待のシリーズ第一弾”とあります、そう、探偵役=主人公ではないのです。
修矢は美 -
Posted by ブクログ
主人公が変わったバイトに飛び込み、ついでに殺人事件にも飛び込み、危機に陥ったところを隣の家に住む美青年が救い出す趣向は前作と同じ。美青年の性格の悪さも、女子高に通う主人公を取り巻く、ちょっとくせがあってチャーミングな人々の横顔も前回同様。そういう点では、実に安心して読める。
今回のバイトは、立っているだけで2万円というふれこみで、結局は炎天下に托鉢をやることになるのだけれど、これがもうひとつ作品の中で生きていないのが残念なところ。殺人に巻き込まれるきっかけにはなっているのだけど、別にどういうバイトでもあまり本筋に関係ないような…。まあ、彼女はどうなってしまうんだろう、という興味で前半を快調に -
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“「修矢が美保子さんの前に赤い皿を置いたのは、本当に単なる偶然かね。本人は無作為のつもりであっても、いざ皿を置くその瞬間には、何らかの意図でそれを選んでいたということはないかな?」
「えっ?そ、それは……」
ぼくはぎょっとした。
意外な方向から切り込まれたとは思ったが、しかし、じいちゃんのいったことは、何となく理解できたのだ。
日常生活においても、似たような場面がたくさんある。それこそ、スーパーマーケットの売り場でダイコン一本買う時にも、まったく無作為の選択ということはあり得ない。選ぶ理由はそれなりに何かあったはずなのだが、そんなものはすぐに忘れてしまう。あとから尋ねられたとしても、答えること