高井忍のレビュー一覧
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続編剣豪ミステリ!
この2巻では伊藤一刀斎や根岸兎角、松山主水の人生に関わる推理を展開していく。最後の松山主水編では、千姫に天秀尼と豪華な配役で飾られ、ラストエピソードにふさわしい出来栄え。
鎌倉を舞台に女剣士ヒロイン毛利玄達が活躍し、2代目松山主水の出自の謎に迫る。そこには古代宗教真言立川流との関わりが。 -
購入済み
楽しい「歴史推理小説」ww。
2023年12月読了。
《漂流巌流島》シリーズがとても好きだったのだが、その後あんまり作品を出されていない(自分が、文庫化しないモノには知らん顔してるからかw?!)感が有り、すっかり御無沙汰していたのだが、ちゃ〜んと執筆為さっていた様で、大変失礼しました。
著者は、他のレビュアーの言及にもある通り、鯨統一郎氏の『邪馬台国は…』シリーズと同じ特徴を持つ「そんな解釈が成り立つのかぁ〜!!」と膝を打つ、真面目に歴史事件を考証しつつも、《本当の真実》なんて「誰にも分かる訳無いじゃんか〜!」と、まるで読者を“膝カックン”するかの様に、歴史の迷宮に誘ってくれる、優れたミステリー作家だと思っている。
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一風変わった柳生十兵衛
剣劇+ミステリー。
柳生十兵衛と女剣士である毛利玄達の凸凹コンビが繰り広げる時代劇推理集。
昔あった怪異事件の真相や他流剣術の秘技の謎なんかを推理して解き明かしていく。終盤では仇討ち絡みで盗賊団相手の殲滅戦も。
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学芸員の資格を持つ神戸静河(かんべしずか)だが、やっと手にした美術関係の仕事は、美術館の警備員だった。
“京都”“美術館”というワードに飛びつきました。
この作者の本を読むのは3冊目。
美術館の舞台裏にとても興味があったのと、名画にまつわる謎解きなんかもあるだろうなー、という期待。
実際、興味ある裏話や、業界のお話、はては美術番組や芸術雑誌の記事の書かれ方まで、いろいろ知ることができました。
しかし…説明が詳しすぎて読むのがつらい…
学校の一日で言うと、読書というのは「朝の読書」の時間か、個人的な楽しみならば昼休みにおべんとうを食べ終わった後とか、はたまた放課後に部室とか…
しかし、この本は -
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正統派歴史押し、根拠のない異説は認めない派の姫之。
武将、剣豪大好き派の亜沙日。
日本のアニメ、ファンタジー、歴ゲー大好きな交換留学生、ロシア人のアナスタシア。
3人の女子高校生が、歴史の謎について、喧々囂々、意見を戦わせる物語。
彼女たちは『ジパング・ナビ』という、歴史マニアのための雑誌の「歴史の新説」の原稿募集に応募することになるが…
「漂流巌流島」に続く、歴史ミステリー連作短編集。
喫茶店のテーブルにふけを落とすむさくるしい男どもが歴史を語るより、きれいなセーラー服の女子高校生3人が語る方が楽しいに決まっている(笑)
歴史好きといってもタイプが三人三様なのがまた面白い。
最後の方で編 -
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漂流巌流島
歴史ミステリの分野は幕末維新の暗号以来だ。
結構、楽しめた。
表題作の「漂流巌流島」、「亡霊忠臣蔵」「慟哭新選組」「彷徨鍵屋ノ辻」の4編から構成されている。
映画制作の現場においてシナリオライターと監督が沢山の資料を前にそれぞれの事件を別角度から解釈を加え事件を再構成していく。
単なる事件として捕らえるのではなく何か裏があるという視点でモヤモヤ感が出てくるのはやっぱりその事件に裏があるからなんだろう。最近の時代小説のプロットも史観という大それたものではなくこういう疑問を積み重ねていっているものが多い。
誰でも知っているネタがベースだから世間のイメージを覆る発想は驚きの連続だ。多分 -
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本作は、デビュー以来歴史ミステリを書き続けている高井忍先生の初めての著書、その文庫化作品です。ちなみに短編集ですね。
表題作『漂流巌流島』のほかに、『亡霊忠臣蔵』『慟哭新撰組』『彷徨鍵屋ノ辻』の全4編が収録されています。
基本的に、ビデオ映画の監督である三津木と、それにこき使われるシナリオライターの<僕>が歴史的事件を題材としたビデオを撮る際に資料を洗い直し、どういうシナリオにするか飲み屋であーだこーだ言ってるうちに、通説とは違った、歴史事件のシナリオが見えてくる……みたいな構成になっております。(途中で女の子もでてきます)
はっきり言って面白いです。取り扱ってるのは歴史的事件ですが、ま -
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読書録「京都東山 美術館と夜のアー
ト」3
著者 高井忍
出版 創元推理文庫
p106より引用
“素人は知らないから、ろくに調べも
しないで世間受けがいい説明を並べる
歴史ゴロや、そうでないなら嘘だと分
かっていて世間受けがいい説明を並べ
る美術ゴロが後を絶たないせいよ。”
目次より抜粋引用
“美術館と夜のアート
宝船のイースト・ミーツ・ウエスト
御神刀リターンズ
スウィフティー画談”
学芸員志望だった警備員を主人公と
し、美術館を舞台とした、短編連作日
常系ミステリ小説。
開館時間に合わせて、朝早くから仕
事先の美術館に出勤する主人公・神戸
静河。憧れていた世界での仕事を、