高井忍のレビュー一覧

  • 妖曲羅生門~御堂関白陰陽記~

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    硬い文章だったので気合い入れて読まないといけないと思い後回しにしていた。確かに最初は官位や名前を覚えないとと何日かかるのかと読み始めたら短編になっていて最初に前と同じ説明や人物像を書いていてくれていて読むごとに引き込まれていく。藤原道長、道綱と怪異と称される事件を解決していく話。安倍晴明が自分の範囲ではないと言われる事件は人の手が関わっている。それをのんびりと解決。しかも平将門や小野小町の蘊蓄など学べるので知らなかった知識が増えるのも読み応え充分満足できる一冊。

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    2025年05月04日
  • 蜃気楼の王国

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    これは非常に優れた歴史ミステリーだ。堪能した。源為朝琉球漂流伝説、源義経の清朝始祖あるいはジンギスカン伝説、崇徳上皇を描いた雨月物語、琉米修好条約を巡っての5篇の短編がめくるめく面白さだ。東郷元帥、秋山真之、シーボルト、遠山の金さん、上田秋成、葛飾北斎、滝沢馬琴、ペリーという煌めく登場人物たちが推理、活躍を見せる。作者は歴史の襞に分け入って、もしかしたらこうだったかもしれないと思わせる。それぞれ当時の権力側の思惑が入った生臭い推測がなされるのが、いかにもという感じだ。

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    2021年04月25日
  • 柳生十兵衛秘剣考 水月之抄

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    続編剣豪ミステリ!

     この2巻では伊藤一刀斎や根岸兎角、松山主水の人生に関わる推理を展開していく。最後の松山主水編では、千姫に天秀尼と豪華な配役で飾られ、ラストエピソードにふさわしい出来栄え。
     鎌倉を舞台に女剣士ヒロイン毛利玄達が活躍し、2代目松山主水の出自の謎に迫る。そこには古代宗教真言立川流との関わりが。

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    2022年09月29日
  • 本能寺遊戯

    購入済み

    楽しい「歴史推理小説」ww。

    2023年12月読了。

    《漂流巌流島》シリーズがとても好きだったのだが、その後あんまり作品を出されていない(自分が、文庫化しないモノには知らん顔してるからかw?!)感が有り、すっかり御無沙汰していたのだが、ちゃ〜んと執筆為さっていた様で、大変失礼しました。

    著者は、他のレビュアーの言及にもある通り、鯨統一郎氏の『邪馬台国は…』シリーズと同じ特徴を持つ「そんな解釈が成り立つのかぁ〜!!」と膝を打つ、真面目に歴史事件を考証しつつも、《本当の真実》なんて「誰にも分かる訳無いじゃんか〜!」と、まるで読者を“膝カックン”するかの様に、歴史の迷宮に誘ってくれる、優れたミステリー作家だと思っている。

    #ほのぼの #タメになる #共感する

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    2023年12月05日
  • 京都東山 美術館と夜のアート

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    難しい題材ですね コージーミステリーというのは魅力的な題材と導入部があって、と思います。私の勉強不足もあって少し楽しめませんでした。

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    2025年12月03日
  • 本能寺遊戯

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    高校生の歴史愛好家の扇ケ谷姫之と歴女の朝比奈亜沙日と交換留学生で日本史ゲーム・アニメオタクのアナスタシア・ベズグラヤの3人が、歴女向け雑誌の懸賞原稿募集のテーマについて、ああでもないこうでもないとやり合う話だ。突飛な発想も出てくるが、結構まともに歴史資料を駆使して本格的な論じ方をする。おいおい、どこが高校生なんだ!とんでもない奴らだぜ。知らない日本史上の人物がてんこ盛りで、いやはや凄い。勉強になりました。「本能寺の変」「ヤマトタケル」「春日局」「道鏡事件」

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    2021年05月09日
  • 柳生十兵衛秘剣考

    ネタバレ 購入済み

    一風変わった柳生十兵衛

    剣劇+ミステリー。
    柳生十兵衛と女剣士である毛利玄達の凸凹コンビが繰り広げる時代劇推理集。
    昔あった怪異事件の真相や他流剣術の秘技の謎なんかを推理して解き明かしていく。終盤では仇討ち絡みで盗賊団相手の殲滅戦も。

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    2022年09月29日
  • 京都東山 美術館と夜のアート

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    学芸員の資格を持つ神戸静河(かんべしずか)だが、やっと手にした美術関係の仕事は、美術館の警備員だった。

    “京都”“美術館”というワードに飛びつきました。
    この作者の本を読むのは3冊目。
    美術館の舞台裏にとても興味があったのと、名画にまつわる謎解きなんかもあるだろうなー、という期待。
    実際、興味ある裏話や、業界のお話、はては美術番組や芸術雑誌の記事の書かれ方まで、いろいろ知ることができました。
    しかし…説明が詳しすぎて読むのがつらい…
    学校の一日で言うと、読書というのは「朝の読書」の時間か、個人的な楽しみならば昼休みにおべんとうを食べ終わった後とか、はたまた放課後に部室とか…
    しかし、この本は

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    2020年07月06日
  • 砂漠を走る船の道 ミステリーズ!新人賞受賞作品集

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    タイプが全く異なる5編。正直あまり期待もせずに手に取ったんだけど、個人的にはどれも及第点以上で面白かったです。満足満足(^^)

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    2017年02月14日
  • 漂流巌流島

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    歴史小説は馴染みのない名前の登場人物が多くて苦手なので、最初少しだけ読んでしばらく放置してあったが、ふとしたきっかけでまた読み始めた。この作品は現代と歴史とが絶妙に行ったり来たりするので変化があり、歴史小説が苦手な自分でも一気に読めた。オチを含めてどこまで史実に基づいたストーリーかは解らないが、エンターテイメントとしては上質。

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    2016年07月03日
  • 本能寺遊戯

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    正統派歴史押し、根拠のない異説は認めない派の姫之。
    武将、剣豪大好き派の亜沙日。
    日本のアニメ、ファンタジー、歴ゲー大好きな交換留学生、ロシア人のアナスタシア。
    3人の女子高校生が、歴史の謎について、喧々囂々、意見を戦わせる物語。
    彼女たちは『ジパング・ナビ』という、歴史マニアのための雑誌の「歴史の新説」の原稿募集に応募することになるが…

    「漂流巌流島」に続く、歴史ミステリー連作短編集。
    喫茶店のテーブルにふけを落とすむさくるしい男どもが歴史を語るより、きれいなセーラー服の女子高校生3人が語る方が楽しいに決まっている(笑)
    歴史好きといってもタイプが三人三様なのがまた面白い。

    最後の方で編

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    2016年02月19日
  • 柳生十兵衛秘剣考

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    柳生十兵衛を探偵役とした剣豪小説+ミステリの短編集。
    十兵衛と男装の女剣士、毛利玄達が諸国を巡りながら出会った謎を解く。この謎が名だたる剣豪や剣術にまつわるものなので、その手の知識があればもっと楽しめたかもしれないが、なくても十分面白かった。
    十兵衛については時代劇で色々見たので生い立ちなどけっこう知っていたが、盗賊を返り討ちにして十二人斬りというエピソードは知らなかった。この事件を取り上げた「新陰流"月影"」が個人的にはベスト。

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    2014年06月02日
  • 柳生十兵衛秘剣考

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    ホームズな柳生十兵衛とワトソンな毛利玄達!ぶっとんだ設定で初めに聞いたときは思わず笑ってしまいましたが、結論、なかなかに良い目の付け所だったのでは。
    コンビのキャラクターが楽しくてかっこ良くて◎。無手勝流の塚原卜伝、十兵衛の十二人斬りの真実…謎を解き明かしていく時代ミステリとしても好みの作品でした。結構“本格”っぽいネタがもりもりだったしw
    続編を読みたいなー。

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    2014年05月25日
  • 柳生十兵衛秘剣考

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    柳生十兵衛と男装の女剣士・毛利玄達を探偵役とした連作時代ミステリ。十兵衛、玄達を始めとして卜伝、武蔵……と名だたる剣豪たちのエピソードや、その”秘剣”にまつわる謎をあくまでもミステリとして処理する手腕が素晴らしい。
    「深甚流"水鏡"」と「新陰流”月影”」がお気に入り。

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    2011年03月02日
  • 漂流巌流島

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    漂流巌流島
    歴史ミステリの分野は幕末維新の暗号以来だ。
    結構、楽しめた。
    表題作の「漂流巌流島」、「亡霊忠臣蔵」「慟哭新選組」「彷徨鍵屋ノ辻」の4編から構成されている。
    映画制作の現場においてシナリオライターと監督が沢山の資料を前にそれぞれの事件を別角度から解釈を加え事件を再構成していく。
    単なる事件として捕らえるのではなく何か裏があるという視点でモヤモヤ感が出てくるのはやっぱりその事件に裏があるからなんだろう。最近の時代小説のプロットも史観という大それたものではなくこういう疑問を積み重ねていっているものが多い。

    誰でも知っているネタがベースだから世間のイメージを覆る発想は驚きの連続だ。多分

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    2011年02月11日
  • 漂流巌流島

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    本作は、デビュー以来歴史ミステリを書き続けている高井忍先生の初めての著書、その文庫化作品です。ちなみに短編集ですね。

    表題作『漂流巌流島』のほかに、『亡霊忠臣蔵』『慟哭新撰組』『彷徨鍵屋ノ辻』の全4編が収録されています。

    基本的に、ビデオ映画の監督である三津木と、それにこき使われるシナリオライターの<僕>が歴史的事件を題材としたビデオを撮る際に資料を洗い直し、どういうシナリオにするか飲み屋であーだこーだ言ってるうちに、通説とは違った、歴史事件のシナリオが見えてくる……みたいな構成になっております。(途中で女の子もでてきます)

    はっきり言って面白いです。取り扱ってるのは歴史的事件ですが、ま

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    2011年01月01日
  • 漂流巌流島

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    どの話も大枠は同じ展開ながら話の中身は興味深いものがあった。
    ひたすら事件の説明が続くより会話文も織り交ぜたほうが読みやすいかな。

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    2010年09月07日
  • 京都東山 美術館と夜のアート

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    読書録「京都東山 美術館と夜のアー
    ト」3

    著者 高井忍
    出版 創元推理文庫

    p106より引用
    “素人は知らないから、ろくに調べも
    しないで世間受けがいい説明を並べる
    歴史ゴロや、そうでないなら嘘だと分
    かっていて世間受けがいい説明を並べ
    る美術ゴロが後を絶たないせいよ。”

    目次より抜粋引用
    “美術館と夜のアート
     宝船のイースト・ミーツ・ウエスト
     御神刀リターンズ
     スウィフティー画談”

     学芸員志望だった警備員を主人公と
    し、美術館を舞台とした、短編連作日
    常系ミステリ小説。
     開館時間に合わせて、朝早くから仕
    事先の美術館に出勤する主人公・神戸
    静河。憧れていた世界での仕事を、

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    2025年06月20日
  • 砂漠を走る船の道 ミステリーズ!新人賞受賞作品集

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    梓崎優の表題作が大好きな作品で、同じ『ミステリーズ!新人賞』の受賞作品5篇で編んだアンソロジーということで、期待して読んだが、本のタイトルになるだけあって、梓崎優の『砂漠を走る船の道』がやはり断トツの出来だった。

    他の4篇では、『夜の床屋』、『殺三狼』の順か。残りの2篇はちょっと趣味とは合わず。

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    2023年08月14日
  • 妖曲羅生門~御堂関白陰陽記~

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    平安京で起こる怪事件を若き日の藤原道長が解き明かす短編集。
    平安時代の習俗が詳しく描かれており、なじみのない時代なので読むのがしんどい部分もあったが、魑魅魍魎と人の思惑が入り乱れるこの時代特有の事件は面白かった。67歳の安部晴明も登場し、脇役ではあるが存在感あり。

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    2022年04月20日