【感想・ネタバレ】蜃気楼の王国のレビュー

あらすじ

遠山金四郎とシーボルトが源義経生存伝説に挑む!(「蒙古帝(モンゴリア)の碑(いしぶみ)」) 琉球王国との交渉に訪琉したペリーが「琉米修好条約」の裏側を解き明かす!(表題作) 東郷平八郎が、上田秋成が、曲亭馬琴が歴史の間隙に踏み込み、偽史・稗史の成り立ちを覗き見る。その先に、「伝説」に込められた民衆の願望と権力者が創った「正史」の思惑が浮かび上がる、歴史ミステリーの意欲的傑作!

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Posted by ブクログ

これは非常に優れた歴史ミステリーだ。堪能した。源為朝琉球漂流伝説、源義経の清朝始祖あるいはジンギスカン伝説、崇徳上皇を描いた雨月物語、琉米修好条約を巡っての5篇の短編がめくるめく面白さだ。東郷元帥、秋山真之、シーボルト、遠山の金さん、上田秋成、葛飾北斎、滝沢馬琴、ペリーという煌めく登場人物たちが推理、活躍を見せる。作者は歴史の襞に分け入って、もしかしたらこうだったかもしれないと思わせる。それぞれ当時の権力側の思惑が入った生臭い推測がなされるのが、いかにもという感じだ。

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2021年04月25日

Posted by ブクログ



日本史上、猛将と呼ばれ、歴史に名を残しはしたが、その後がようと知れず、文献にも残らず、伝説のみが残される。そんな時代小説ミステリ。

源義経。義経はその後、蝦夷に渡りそこから満州へ渡り、モンゴルへ。そこからジンギスカン(チンギスハン)になる。
源為朝。為朝はその後、琉球へ流され、尚氏より遥か前の琉球の英祖となる。
数々の歴史書でも未だ求め続けられる、歴史上の謎。都市伝説とも取れるが...
とは言え、現在の領土問題の実行支配を考えると、どの時代から見るかで変わってくるよな。
沖縄が抱える暗部の複雑さを分かりやすく捉えられる一冊でした。

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2019年04月06日

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