【感想・ネタバレ】京都東山 美術館と夜のアートのレビュー

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Posted by ブクログ

学芸員の資格を持つ神戸静河(かんべしずか)だが、やっと手にした美術関係の仕事は、美術館の警備員だった。

“京都”“美術館”というワードに飛びつきました。
この作者の本を読むのは3冊目。
美術館の舞台裏にとても興味があったのと、名画にまつわる謎解きなんかもあるだろうなー、という期待。
実際、興味ある裏話や、業界のお話、はては美術番組や芸術雑誌の記事の書かれ方まで、いろいろ知ることができました。
しかし…説明が詳しすぎて読むのがつらい…
学校の一日で言うと、読書というのは「朝の読書」の時間か、個人的な楽しみならば昼休みにおべんとうを食べ終わった後とか、はたまた放課後に部室とか…
しかし、この本は「授業」と感じました。
以前の本の時も感じたけれど、薀蓄部分が、素人の楽しめるレベルより学術書のレベルに達しており、それでも、自分の興味のある人物や事件については難しいことも頑張って読めますが、割にマイナーな事物についての解説が長いので、誰でも楽しめるのかと言ったらそうではありません。

でも、有名な事ばかりを追いかけない、というのは作者の意図したことなのだろうと思い、内容の濃さに敬意を表して星4つに評価しました。
それは、学芸員を目指していた静河が美術館の警備員(という一スタッフ)を半年間経験して感じたこと…
「大物だけが存在を認められるというのでは寂しい。
規模も人気もさまざまなたくさんの展覧会を見た。
美術をどうやって楽しむか、その発表や交流の場を提供するお手伝いをできるのは立派な仕事だと思える」
と、学芸課長である半田津介(はんだしんすけ)の
「埋もれた芸術家を発掘して世間に紹介することが、我々にとっては一番の業績になる」という言葉…
この二人の考えこそ、作者のやりたいことを表わしているのではないか…と思うに当たり。

そして、世のみなさんはすでにご承知かと思うのですが、絵を展示するという点では同じでも、美術館と画廊のはっきりした区別は『お金を儲けるか否か』ということを改めて認識した次第です。
そして、美術館の“お墨付き”を箔付けに利用して作品の金銭的価値を上げようとする不逞の輩の多きことよ!

「美術館と夜のアート」
「宝船のイースト・ミーツ・ウエスト」
「御神刀リターンズ」
「スウィフティー画談」

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2020年07月06日

Posted by ブクログ

【収録作品】美術館と夜のアート/宝船のイースト・ミーツ・ウエスト/御神刀リターンズ/スウィフティー画談

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2019年03月25日

購入済み

これは、う〜ん…。

2023年12月読了。

著者のファンであり、美術系のお話もキライではないので期待して読み始めました。

今作は京都の市立美術館で「美術館あるある」をテーマとしたミステリーなのだが…、かなりディープと云うか、およそ京都にお住まいの方々へ向けたお話のようで、細かい説明も読んでいてピンと来ない点と、刀剣にしろ上方浮世絵にしろ相当に専門的な知識が無いと、想像が付きにくく、せめて刀の構造図程度は載せてほしかったという思いがあります。
肝心の謎解きに付いても、説明の仕方が専門的過ぎて伝わりにくい点、キャラクターの描き分けが足りないのか、そんなに登場人物は必要無いのか?…等、首を傾げてしまう部分が多く、あまり謎解きの爽快感も感じられませんでした。

まぁ打率10割の作家なんて居ませんから、今後に期待しています。

と云う訳で、厳し目の評価でごめんなさい。

#癒やされる #タメになる #じれったい

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2023年12月10日

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