【感想・ネタバレ】京都東山 美術館と夜のアートのレビュー

あらすじ

神戸静河は学芸員志望だったものの、縁あって採用されたのはイチビこと、地元の市立美術館の常駐警備員。警備システムの解除や正面玄関の開錠など、展覧会スタッフたちを迎えるためにいち早く出勤しなければならない。これが施設常駐の警備員のオシゴトである――。深夜に美術館裏の庭園で遭遇した不審な男の正体は? 巡回中の展示室で見た浮世絵が新発見の写楽? 展示物のブログ紹介がきっかけで神社の失われた御神刀が発見されたが……などなど、地道な警備のオシゴトと美術ミステリのコラボレーション! ミステリーズ!新人賞受賞作家が、京都の町と美術館を舞台に描く、連作短編集。

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Posted by ブクログ

難しい題材ですね コージーミステリーというのは魅力的な題材と導入部があって、と思います。私の勉強不足もあって少し楽しめませんでした。

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2025年12月03日

Posted by ブクログ

学芸員の資格を持つ神戸静河(かんべしずか)だが、やっと手にした美術関係の仕事は、美術館の警備員だった。

“京都”“美術館”というワードに飛びつきました。
この作者の本を読むのは3冊目。
美術館の舞台裏にとても興味があったのと、名画にまつわる謎解きなんかもあるだろうなー、という期待。
実際、興味ある裏話や、業界のお話、はては美術番組や芸術雑誌の記事の書かれ方まで、いろいろ知ることができました。
しかし…説明が詳しすぎて読むのがつらい…
学校の一日で言うと、読書というのは「朝の読書」の時間か、個人的な楽しみならば昼休みにおべんとうを食べ終わった後とか、はたまた放課後に部室とか…
しかし、この本は「授業」と感じました。
以前の本の時も感じたけれど、薀蓄部分が、素人の楽しめるレベルより学術書のレベルに達しており、それでも、自分の興味のある人物や事件については難しいことも頑張って読めますが、割にマイナーな事物についての解説が長いので、誰でも楽しめるのかと言ったらそうではありません。

でも、有名な事ばかりを追いかけない、というのは作者の意図したことなのだろうと思い、内容の濃さに敬意を表して星4つに評価しました。
それは、学芸員を目指していた静河が美術館の警備員(という一スタッフ)を半年間経験して感じたこと…
「大物だけが存在を認められるというのでは寂しい。
規模も人気もさまざまなたくさんの展覧会を見た。
美術をどうやって楽しむか、その発表や交流の場を提供するお手伝いをできるのは立派な仕事だと思える」
と、学芸課長である半田津介(はんだしんすけ)の
「埋もれた芸術家を発掘して世間に紹介することが、我々にとっては一番の業績になる」という言葉…
この二人の考えこそ、作者のやりたいことを表わしているのではないか…と思うに当たり。

そして、世のみなさんはすでにご承知かと思うのですが、絵を展示するという点では同じでも、美術館と画廊のはっきりした区別は『お金を儲けるか否か』ということを改めて認識した次第です。
そして、美術館の“お墨付き”を箔付けに利用して作品の金銭的価値を上げようとする不逞の輩の多きことよ!

「美術館と夜のアート」
「宝船のイースト・ミーツ・ウエスト」
「御神刀リターンズ」
「スウィフティー画談」

0
2020年07月06日

Posted by ブクログ

読書録「京都東山 美術館と夜のアー
ト」3

著者 高井忍
出版 創元推理文庫

p106より引用
“素人は知らないから、ろくに調べも
しないで世間受けがいい説明を並べる
歴史ゴロや、そうでないなら嘘だと分
かっていて世間受けがいい説明を並べ
る美術ゴロが後を絶たないせいよ。”

目次より抜粋引用
“美術館と夜のアート
 宝船のイースト・ミーツ・ウエスト
 御神刀リターンズ
 スウィフティー画談”

 学芸員志望だった警備員を主人公と
し、美術館を舞台とした、短編連作日
常系ミステリ小説。
 開館時間に合わせて、朝早くから仕
事先の美術館に出勤する主人公・神戸
静河。憧れていた世界での仕事を、
思っても見なかった形で叶える事にな
りはしたが、仲間と共に日々の業務を
こなす。そんな中、敷地内で野宿をし
そうな人が話題となり…。

 上記の引用は、美術館学芸員の台詞
の一部。
学術的な歴史の真実と、巷間に流布す
る通説について。
どんな世界にでも、ろくでもない人は
いるものなのですね。フィクションを
フィクションとはっきり言わずに、
風説をばらまかれるのは、防ぎようが
無いのかも知れません。自分で興味を
もって調べるのが、何よりも大事なの
でしょう。
 歴史や美術・芸術に造詣が深い人
程、評価は高くなる作品ではないで
しょうか。書かれていることのどこま
でが、実際の作品や歴史上の人物の経
歴として正しいのか、どこからが作中
のフィクションなのか。それこそ、興
味を持って資料を探して調べてみたく
なる、そのような人向けだと思われま
す。
Vtuberの儒烏風亭らでんさんや、山田
五郎先生の動画が好きな人にも、合う
のではないでしょうか。

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2025年06月20日

Posted by ブクログ

【収録作品】美術館と夜のアート/宝船のイースト・ミーツ・ウエスト/御神刀リターンズ/スウィフティー画談

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2019年03月25日

購入済み

これは、う〜ん…。

2023年12月読了。

著者のファンであり、美術系のお話もキライではないので期待して読み始めました。

今作は京都の市立美術館で「美術館あるある」をテーマとしたミステリーなのだが…、かなりディープと云うか、およそ京都にお住まいの方々へ向けたお話のようで、細かい説明も読んでいてピンと来ない点と、刀剣にしろ上方浮世絵にしろ相当に専門的な知識が無いと、想像が付きにくく、せめて刀の構造図程度は載せてほしかったという思いがあります。
肝心の謎解きに付いても、説明の仕方が専門的過ぎて伝わりにくい点、キャラクターの描き分けが足りないのか、そんなに登場人物は必要無いのか?…等、首を傾げてしまう部分が多く、あまり謎解きの爽快感も感じられませんでした。

まぁ打率10割の作家なんて居ませんから、今後に期待しています。

と云う訳で、厳し目の評価でごめんなさい。

#癒やされる #タメになる #じれったい

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2023年12月10日

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