川端康雄のレビュー一覧

  • ジョージ・オーウェル 「人間らしさ」への讃歌
    オーウェルは自分の言葉で語っている。
    当時も今も多くの人は自分の言葉で語っていると思ってもその実党派性の塊だったり、結局政治的ポジショニングのことだけを考えている人が多いよなと思う。
    その中でオーウェルは自身の信じる原理原則に従って色々な判断を下していた。
  • 動物農場 ――おとぎばなし――
    面白かった。スターリン時代のロシア情勢の風刺らしい。興味湧いたからあとで調べよう。知ってて読んでたらまた違った印象かも。物語としては寓話として良質だった。希望を胸に奴隷農場から独立したのに結局独裁者が生まれて奴隷農場に逆戻りってオチが良かった。
  • 動物農場 ――おとぎばなし――
    旧ソ連を揶揄した小説。しかし、譬え話とはいえ本当に旧ソ連がこんなひどい政治をしていたかと思うと開いた口が塞がらない。日本は平和だ。
  • オーウェルの薔薇
    「戦争」の反意語は何かと問う。それは、「庭」とソルニットは答えている。戦争の時代に生きたG・オーウェルの庭に植えた薔薇が、この書名『オーウェルの薔薇』となった。オーウェルがこの時代に、どのように生きたのかがテーマなのだが、ソルニットの他の書物と同様に、単なる伝記ではない。いつものように、必然的なある...続きを読む
  • 動物農場 ――おとぎばなし――
    物語形式で誰でも読みやすい。
    シンプルなようで非常に面白い。
    国と大衆のありようが非常に鋭く描かれている。
    無残なほどにおバカな動物達と、いつのまにか全体にとっての正義が利己的な利益の追求にすり替わりつつも、これは全体のための犠牲であるという、このように客観的に見れば、アホらしく思えることも、現実世...続きを読む
  • 動物農場 ――おとぎばなし――
    事実が刻々と修正されていく様が特に恐ろしい。
    なんとなく、ロバのベンジャミンの鋭さが『1984年』の主人公ウィンストン・スミスに重なる気もした。が、どちらかというとベンジャミンはプロール側なのかもしれない。
  • ジョージ・オーウェル 「人間らしさ」への讃歌
    オーウェルの人生史及び生み出してきた作品群に沿って、当時のオーウェル(エリック)や社会・政治の様子が解説されている。
    ビルマで帝国警察官の身分で働きつつも帝国主義に対して嫌気がさしたり、かと思えば英国人に対して敵意を剥き出しにする現地の僧侶に対して嫌悪感を抱いたりなど、一見整合性が取れていないように...続きを読む
  • ジョージ・オーウェル 「人間らしさ」への讃歌
    オーウェルのすばらしさは、自分のものの捉え方、考え方を出来合いの借り物ではなく、自分の経験と思考によって作り上げたことにあると思う。decencyは大事な言葉。座右の銘としたい。
  • 動物農場 ――おとぎばなし――
    邪魔な人間を追い出し、動物たちだけの理想の暮らし!……かと思いきや。どんどん雲行きが怪しくなり、物語が進むにつれ気分は沈んでいった。ぶたが「ふたつあし」になり、人間とトランプに興じる最後のシーンは心底ゾッとした。イカサマが露見している以上、ぶたと人間の関係悪化もそう遠くない未来の話だろう。その時には...続きを読む
  • 動物農場 ――おとぎばなし――
    人間を追い出して動物たちで自治を始めた「動物農場」だが、自治が進んだ先には…というおとぎばなしを通して、ソビエトの共産主義体制をやゆした話。

    話はおとぎばなしなので、小学校高学年〜中学生くらいから理解できる内容です。(たぶん)
    ただ、過去の歴史や現実の社会情勢を知ったうえで...続きを読む
  • ジョージ・オーウェル 「人間らしさ」への讃歌
    ジョージ・オーウェルの生涯を追跡することで、その思想や行動を浮き彫りにした一冊。オーウェルを主題にした新書はこれが最初だろうか。『動物農場』、『1984年』、「像を撃つ」といった作品自体は知っていても、それ以上のことは知らなった者としては、とても有り難い。decency(人間らしさ)への信頼がオーウ...続きを読む
  • 動物農場 ――おとぎばなし――
    50年以上も前に書かれた本だとは…衝撃でした。
    このおとぎ話口調がまたぞっとさせる。。

    無知ってこわい。
    というか、独裁者の下では感覚を麻痺させるほか自分を守る術はないのかもしれない。

    ボクサーの最後はほんまにつらかった。
    罰を受けるのをわかっていて告白する動物たちも。
    こういう状況...続きを読む
  • 動物農場 ――おとぎばなし――
    初めて読んだのは中学生の時くらいだったはず。
    読みやすい文章と何とも言えない気味の悪さは今でも印象に残っている。ソビエト史やメインの動物たちのモデルとなった人物(スターリン・レーニン・トロツキーなど)について多少の知識を得た今、改めて読み返すとこの作品の本当の意味・強烈さを痛感させられた。
    刊行され...続きを読む
  • ユートピアだより
    とことん行き詰まって、何度も絶望し尽くした時に読むと、一筋の光が見える本。

    いいなぁ〜

    まだ、読み返している...
  • 動物農場 ――おとぎばなし――
    これはホラーだ。陽が昇っているうちに読むことをおすすめする。夜読むと眠れなくなる。それだけの不気味さと真実が、この本にはある。
    もう一度言う、これは、ホラーだ。
  • 動物農場 ――おとぎばなし――
    Animal Farm A Fairy Story 1945          

     ジョージ・オーウェルの風刺小説であり、読むことで戦後の英国内のソ連神話の実態を目の当たりにできた。しかし、そのような当時の世相を書き写した事実よりも、この作品を読んで一番に感じたことは、勉強して知恵をつけることの大...続きを読む
  • ユートピアだより
    モリスをより知りたいと思った

    あの世界、今の私には暮らせない気がする


    というか想像がたやすくできない
  • ユートピアだより
    スコットランド啓蒙と空想社会主義の交錯地点という感じがする。原文を読んでいないからなんともいえないが、勤労と技芸の洗練の賞賛はまさにヒューム的発想であると思えるし、楽しい労働というのはフーリエの専売特許である。
    翻訳が非常にこなれていて、解説も詳しい。ロンドンという街を詳しく知っていたらもっと楽しく...続きを読む
  • 動物農場 ――おとぎばなし――
    本作品もテーマが著者オーウェルの代表作「1984年」の中で描かれる「ニュースピーク」に重なる。

    それは「全体主義の恐怖政治」において、法(作中では7つの掟)や歴史の解釈(作中では追放された元リーダーのスノーボールが活躍した事実)がこっそり政治の中枢で改訂され、それが知識人らによって流布され、大衆が...続きを読む
  • 動物農場 ――おとぎばなし――
    岩波文庫と中央公論新社(絵付き)を併読。オーウェルがなぜこれを書いたのかを学びつつ「おとぎばなし」を読めてよかった。人間を追い出した動物たちの農園でも、やはり支配する側とされる側の構図は変わらない。権力者は利権を守ること、支える側をいかに従えるかが命題となる。自分も支える側の一人として、闘った多くの...続きを読む