志賀直哉のレビュー一覧
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どの作品も非常にウイットが効いており、面白い。
これが高校の教科書に載っていた小僧の神様か、、とおもいながら読んだりしていた。
後半の3遍の不倫話、続きものになっていて笑う。
私小説というか、それに加えて旅エッセイのような趣があり、それも含めて好きな感じだった。
自然や景色の色や匂いや手触りなども、無駄な言葉が一切省かれているのに正確に手に取るように分かる。谷崎が評していた、最低限の言葉を並べることで、その奥の人の心持ちまで読者に伝えてくる文体。
美しく歯切れ良く、心地よかった。だが現代人が朗読するとなると、一々つまづいてしまいそうなほどの日本語の高尚な難しさも感じた。 -
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角川とてぬぐい店"かまわぬ"のコラボの和柄ブックカバーシリーズ。
私はてぬぐいコレクターでして家に100枚くらいあるのですが、これと同じ柄も持ってます。
さて。
志賀直哉は授業として習ったものと、「暗夜行路」しか読んだことはありませんでした。
改めて読んでみると実に素晴らしい文章。ただ何ということもない情景が、実直で淀みない言葉で語られる。小説の神様なんて言われるだけある。
『母の死と新しい母』
著者の実体験エッセイ。
妊娠中の実の母が悪阻が酷く寝込みそのまま他界した。
やがて父に後添いの話が来る。実母が亡くなったときに泣き暮らした著者だが、実母の死と新しい母が来ると -
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志賀直哉の周りにはいつもいきものが溢れている。蟋蟀、蝗、蟷螂、蛇、鼠、雀、山鳩、百舌鳥、栗鼠、兎、猫、犬、熊たちをすぐに手懐けてしまう。といっても芸を仕込むわけでもなく、彼の周囲で自由に自然にさせているだけで、決して固執することもなく、去る者は追わず、いや去る生き物は追わずという感じだ。まるで手塚マンガに出てくるみたいな人だ。この本にたくさんの生き物が出てくる。印象的だったのは「堀端の住まい」だった。松江で暮らしていた頃、大家の飼う鶏が猫に殺された。大家は罠をしかけて猫を殺処分する話だ。志賀直哉は、その猫を救うべきがどうか逡巡するが、結局、気づいた時には処分されたあとだったという話。この話を読
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作品紹介・あらすじ
仙吉が奉公する店に、ある日訪れた一人の客。まるで自分の心を見透かすように鮨屋に連れていってくれたこの客の正体に、仙吉は思いをめぐらせ-。少年の心情を鮮やかに切り取った「小僧の神様」をはじめ、白樺派を代表する作家三人の作品を収録。
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わけあって志賀直哉の「小僧の神様」が読みたくて書店に行った。本当は岩波書店から出版されている旧かなづかいの一冊が欲しい、なんて大それたことを思っていたのだけれど、残念ながら書店の検索機に引っ掛からず。たった一冊引っ掛かったのがこの「少年少女日本文学館」シリーズの中の一冊だった。対象年齢がいくつなのか分からないけれど、僕は多分「少年 -
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この短編集は志賀直哉の観察眼、それをそのまま文章化する繊細な言語選択力が遺憾なく発揮されていると感じた
本を開くと全く別の世界に脳内旅行するのはよくあるが、この本は極めてリアルな体験ができる
表題作「小僧の神様」は小僧の純粋な感性を、「正義派」は身を犠牲にして正義を果たしても次第に現実が忍び寄ってくる後味の悪さを、「母の死と新しい母」は死の無情さと新しい母との生活の対比を、見たまましっかり描写している
言うは易し行うは難し、見たまま書くのがどれだけ難しいか…
「城の崎にて」は事故をきっかけに、今まで漠然と考えていた「死」を身近に感じ、それでも生きようともがき続ける苦しみ、そして私は事故で偶然に -
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狭い世界でのことかもしれないが、この数年、中公文庫の文芸系文庫の編集が面白いと言われている。
小説+関連する作家論とか、特定の括りで一作家の作品を纏めるとか、ちょっと違った切り口のアンソロジーを出すとか。
志賀直哉と言えば、"小説の神様"。とは言え、実際今どのくらい読まれているのだろうか。自分にしても、主要な短編を高校時代に、『暗夜行路』を大学時代に読んで、ほぼそれっきり。
今回、生きものと子どもの小品集として、戦後間もなくに刊行された『日曜日』と『蜻蛉』に収められた短編を一冊にまとめて収録した。
「清兵衛とひょうたん」、「小僧の神様」、「城の崎にて」といった