志賀直哉のレビュー一覧

  • 小僧の神様・一房の葡萄

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    小五が読んだ。
    知らない言葉の解説が同ページ内にあるので読みやすいとのこと。

    志賀直哉の文体は簡潔でわかりやすいらしい。拒否感なく読んでくれて親はホッ。
    私自身は読んだことがないので評価はなし。
    興味を持った時に渡す本としてはこのシリーズがいいんだろうなと思っています。

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    2025年09月27日
  • 小僧の神様 他十篇

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    とてもサラサラと流れるような書き方なのに、全く同じ感情や考えになると錯覚してしまう、志賀直哉のファンになってしまった。
    清兵衛と瓢箪、くすっと笑って親には分からない大切な大切なことを思い出したお気に入りの一編。

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    2025年02月23日
  • 小僧の神様 他十篇

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    素朴ながら心地よく、簡潔ながら余韻の残る文章。いくつか学生時代に国語の科目で読んで、問われれば問われるほど、深みにはまっていくような気がしたことを、いまだ覚えている。

    小僧の神様、小僧さんが出鱈目の住所を訪ねていったのをあえて書かないと決めた、とあえて語り手の視点を入れる物語構成、新しい母の子供の数を淡々と数え上げた後の最後のたった一文で流れた歳月を示してしまう効果、城崎にての死を書くことにより浮かび上がる生(書かないもの)の生々しさ。

    ほんとうに偉大な作家だと思う。いつまでも読み継がれていってほしい。

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    2023年07月17日
  • 小僧の神様 他十篇

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    “人を喜ばす事は悪い事ではない。自分は当然、ある喜びを感じていいわけだ。ところが、どうだろう、この変に淋しい、いやな気持は。何故だろう。何から来るのだろう。丁度それは人知れず悪い事をした後の気持に似通っている。”(p.16)


    “両方とも今とその時と人間は別に変りはしないが、何しろ関係が充分でないと、いい人同士でもお互に悪く思うし、それが充分だといい加減悪い人間でも憎めなくなる。”(p.172)

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    2021年03月26日
  • 城の崎にて・小僧の神様

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    角川とてぬぐい店"かまわぬ"のコラボの和柄ブックカバーシリーズ。
    私はてぬぐいコレクターでして家に100枚くらいあるのですが、これと同じ柄も持ってます。

    さて。
    志賀直哉は授業として習ったものと、「暗夜行路」しか読んだことはありませんでした。
    改めて読んでみると実に素晴らしい文章。ただ何ということもない情景が、実直で淀みない言葉で語られる。小説の神様なんて言われるだけある。


    『母の死と新しい母』
    著者の実体験エッセイ。
    妊娠中の実の母が悪阻が酷く寝込みそのまま他界した。
    やがて父に後添いの話が来る。実母が亡くなったときに泣き暮らした著者だが、実母の死と新しい母が来ると

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    2019年12月27日
  • 小僧の神様 他十篇

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    心に生まれる、言葉で割り切れぬ感情が、言葉で表現されている。
    すごい。

    特に印象に残ったのは
    『正義派』『清兵衛と瓢箪』『范の犯罪』

    『正義派』では、正しいことをしたいけれど、組織の中で生きるしかない男たちの哀しさを。
    『清兵衛と瓢箪』では、子供ながら瓢箪にハマり、その趣味が周りの大人に全く理解されない辛さを。
    『范の犯罪』では、自分の犯した罪が、故意なのか過失なのか、自分自身でもわからない。そういうもんじゃないかという人間のわからなさを。

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    2019年09月14日
  • 小僧の神様 他十篇

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    柔らかくて澄んだ日本語を味わえる。とても読み心地が良い11の短篇。大正時代の日常は現代の非日常であり、新鮮味がある。「小僧の神様」は無性に鮨を食べたくなる。「赤西蠣太」は元ネタを知らなくても楽しめた。「好人物の夫婦」の奥さんは可愛い。「焚火」の静かさと優雅さはヨーロッパ的だなと思った。暗夜行路や大津順吉など、他作品も読んでみたい。

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    2014年02月10日
  • 小僧の神様 他十篇

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    久し振りに志賀直哉を読んだ。やっぱすげえ。

    Kさんは勢よく燃え残りの薪を湖水へ遠く抛った。薪は赤い火の粉を散らしながら飛んで行った。それが、水に映って、水の中でも赤い火の粉を散らした薪が飛んで行く。上と下と、同じ弧を描いて水面で結びつくと同時に、ジュッと消えてしまう。(『焚火』)

    なんとまあ美しい描写であることよ。

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    2013年10月12日
  • 城の崎にて・小僧の神様

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    高級温泉に来てテンションが上がって読んだが、タイトルから想像される、温泉さ〜いこ〜う的なノリではなく死生観が描かれていて面食らった。だが、生の偶然性と貴重さに気づかされ、人生を楽しもうと考え直された。その後、温泉に4回入った。

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    2025年06月30日
  • 小僧の神様 他十篇

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    いいことをしたはずなのになぜか後ろめたいという、不思議な感覚を上手く描いた表題作他の短編集。最後の方は小説というより私信エッセイのような感じで何ともはやと思ったが、「正義派」はSNSが広まって無責任に声を出したくなる昨今にどこか通じる感じがあるなと思いました。

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    2025年05月12日
  • 日曜日/蜻蛉 生きものと子どもの小品集

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    志賀直哉の周りにはいつもいきものが溢れている。蟋蟀、蝗、蟷螂、蛇、鼠、雀、山鳩、百舌鳥、栗鼠、兎、猫、犬、熊たちをすぐに手懐けてしまう。といっても芸を仕込むわけでもなく、彼の周囲で自由に自然にさせているだけで、決して固執することもなく、去る者は追わず、いや去る生き物は追わずという感じだ。まるで手塚マンガに出てくるみたいな人だ。この本にたくさんの生き物が出てくる。印象的だったのは「堀端の住まい」だった。松江で暮らしていた頃、大家の飼う鶏が猫に殺された。大家は罠をしかけて猫を殺処分する話だ。志賀直哉は、その猫を救うべきがどうか逡巡するが、結局、気づいた時には処分されたあとだったという話。この話を読

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    2025年03月27日
  • 小僧の神様 他十篇

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    城の崎にて目当てに購入。小僧の神様、范の犯罪、真鶴、好人物の夫婦も良かった。人物の感情描写を書くのが上手いなと思った。

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    2024年10月01日
  • 小僧の神様・一房の葡萄

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    作品紹介・あらすじ

    仙吉が奉公する店に、ある日訪れた一人の客。まるで自分の心を見透かすように鮨屋に連れていってくれたこの客の正体に、仙吉は思いをめぐらせ-。少年の心情を鮮やかに切り取った「小僧の神様」をはじめ、白樺派を代表する作家三人の作品を収録。

    *****

    わけあって志賀直哉の「小僧の神様」が読みたくて書店に行った。本当は岩波書店から出版されている旧かなづかいの一冊が欲しい、なんて大それたことを思っていたのだけれど、残念ながら書店の検索機に引っ掛からず。たった一冊引っ掛かったのがこの「少年少女日本文学館」シリーズの中の一冊だった。対象年齢がいくつなのか分からないけれど、僕は多分「少年

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    2024年09月20日
  • 小僧の神様 他十篇

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    ネタバレ

    志賀直哉が気になって読みました。
    「小僧の神様」ですごくファンタジーな作風なのかなと思ったら、「正義派」や「母の死と新しい母」、「城の崎にて」では死の儚さや人間の残酷さが描かれていて、幅広く書いていた人だと思いました。
    正義派で、他人のことについては正義を振りかざすが、いざ自分の身になれば、正義感を持って考えることはできなくなる。城の崎にてで、死は悲しいけど、生きていることが幸せなのかは疑問である。と言うように、人間を正直に描くスタイルが気に入りました。

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    2024年07月17日
  • 小僧の神様 他十篇

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    この短編集は志賀直哉の観察眼、それをそのまま文章化する繊細な言語選択力が遺憾なく発揮されていると感じた
    本を開くと全く別の世界に脳内旅行するのはよくあるが、この本は極めてリアルな体験ができる
    表題作「小僧の神様」は小僧の純粋な感性を、「正義派」は身を犠牲にして正義を果たしても次第に現実が忍び寄ってくる後味の悪さを、「母の死と新しい母」は死の無情さと新しい母との生活の対比を、見たまましっかり描写している
    言うは易し行うは難し、見たまま書くのがどれだけ難しいか…
    「城の崎にて」は事故をきっかけに、今まで漠然と考えていた「死」を身近に感じ、それでも生きようともがき続ける苦しみ、そして私は事故で偶然に

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    2024年05月21日
  • 日曜日/蜻蛉 生きものと子どもの小品集

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    子どもの頃の出来事を思い出す。
    トカゲに向かって石を投げた場面で。
    まさか命中するなんて思わなかった。

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    2024年01月31日
  • 日曜日/蜻蛉 生きものと子どもの小品集

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     狭い世界でのことかもしれないが、この数年、中公文庫の文芸系文庫の編集が面白いと言われている。
     小説+関連する作家論とか、特定の括りで一作家の作品を纏めるとか、ちょっと違った切り口のアンソロジーを出すとか。

     志賀直哉と言えば、"小説の神様"。とは言え、実際今どのくらい読まれているのだろうか。自分にしても、主要な短編を高校時代に、『暗夜行路』を大学時代に読んで、ほぼそれっきり。
     今回、生きものと子どもの小品集として、戦後間もなくに刊行された『日曜日』と『蜻蛉』に収められた短編を一冊にまとめて収録した。

     「清兵衛とひょうたん」、「小僧の神様」、「城の崎にて」といった

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    2022年03月07日
  • 小僧の神様 他十篇

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    小説の神様と言われた志賀直哉の短編集。読みやすいし、堪能しやすい。一行目から話に没頭できるし、くどくど説明しなくても登場人物の心情や背景が伝わってくるのは、文章がとても綺麗で必要かつ最小限の単語で描かれているからか。小説の神様と言われる所以を感じる一冊。

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    2021年12月18日
  • 小僧の神様 他十篇

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    志賀直哉の短編11偏が収録された短編集。
    志賀直哉で長編というと、長年かけて完成させた"暗夜行路"くらいしかなく、また、暗夜行路は結構読みにくいため志賀直哉といえば短編というイメージがあります。
    無駄の無い簡潔でわかりやすい文体は短編にこそ映えるもので、尚且つ、本作の収録されている作品は名著と呼ばれるものをほぼ抑えてあって志賀直哉を知るには十分な良書だと思います。

    ・小僧の神様 ...
    志賀直哉の代表作。
    本作をもじって、志賀直哉は"小説の神様"と呼ばれることがあります。白樺にて発表。
    秤屋で奉公をしている小僧の仙吉が、番頭たちの噂で聞いていた立ち食い

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    2020年06月07日
  • 小僧の神様 他十篇

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    窓越しに雨を眺める。
    少しだけ陰鬱な空気のなかで読むのも良いかな の小説。

    小説が生まれてから約100年。
    読み継がれる文学。

    行間に空気や息遣いが見えてくる。

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    2019年09月24日