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志賀直哉(1883-1971)は、他人の文章を褒める時「目に見えるようだ」と表したという。作者が見た、屋台のすし屋に小僧が入って来て1度持ったすしを価をいわれまた置いて出て行った、という情景から生まれた「小僧の神様」をはじめ、すべて「目にみえるよう」に書かれた短篇11篇を収めた作者自選短篇集。(解説=紅野敏郎)
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Posted by ブクログ
とてもサラサラと流れるような書き方なのに、全く同じ感情や考えになると錯覚してしまう、志賀直哉のファンになってしまった。 清兵衛と瓢箪、くすっと笑って親には分からない大切な大切なことを思い出したお気に入りの一編。
素朴ながら心地よく、簡潔ながら余韻の残る文章。いくつか学生時代に国語の科目で読んで、問われれば問われるほど、深みにはまっていくような気がしたことを、いまだ覚えている。 小僧の神様、小僧さんが出鱈目の住所を訪ねていったのをあえて書かないと決めた、とあえて語り手の視点を入れる物語構成、新しい母の子供の...続きを読む数を淡々と数え上げた後の最後のたった一文で流れた歳月を示してしまう効果、城崎にての死を書くことにより浮かび上がる生(書かないもの)の生々しさ。 ほんとうに偉大な作家だと思う。いつまでも読み継がれていってほしい。
“人を喜ばす事は悪い事ではない。自分は当然、ある喜びを感じていいわけだ。ところが、どうだろう、この変に淋しい、いやな気持は。何故だろう。何から来るのだろう。丁度それは人知れず悪い事をした後の気持に似通っている。”(p.16) “両方とも今とその時と人間は別に変りはしないが、何しろ関係が充分でない...続きを読むと、いい人同士でもお互に悪く思うし、それが充分だといい加減悪い人間でも憎めなくなる。”(p.172)
心に生まれる、言葉で割り切れぬ感情が、言葉で表現されている。 すごい。 特に印象に残ったのは 『正義派』『清兵衛と瓢箪』『范の犯罪』 『正義派』では、正しいことをしたいけれど、組織の中で生きるしかない男たちの哀しさを。 『清兵衛と瓢箪』では、子供ながら瓢箪にハマり、その趣味が周りの大人に全く理解...続きを読むされない辛さを。 『范の犯罪』では、自分の犯した罪が、故意なのか過失なのか、自分自身でもわからない。そういうもんじゃないかという人間のわからなさを。
柔らかくて澄んだ日本語を味わえる。とても読み心地が良い11の短篇。大正時代の日常は現代の非日常であり、新鮮味がある。「小僧の神様」は無性に鮨を食べたくなる。「赤西蠣太」は元ネタを知らなくても楽しめた。「好人物の夫婦」の奥さんは可愛い。「焚火」の静かさと優雅さはヨーロッパ的だなと思った。暗夜行路や大津...続きを読む順吉など、他作品も読んでみたい。
久し振りに志賀直哉を読んだ。やっぱすげえ。 Kさんは勢よく燃え残りの薪を湖水へ遠く抛った。薪は赤い火の粉を散らしながら飛んで行った。それが、水に映って、水の中でも赤い火の粉を散らした薪が飛んで行く。上と下と、同じ弧を描いて水面で結びつくと同時に、ジュッと消えてしまう。(『焚火』) なんとまあ美し...続きを読むい描写であることよ。
いいことをしたはずなのになぜか後ろめたいという、不思議な感覚を上手く描いた表題作他の短編集。最後の方は小説というより私信エッセイのような感じで何ともはやと思ったが、「正義派」はSNSが広まって無責任に声を出したくなる昨今にどこか通じる感じがあるなと思いました。
城の崎にて目当てに購入。小僧の神様、范の犯罪、真鶴、好人物の夫婦も良かった。人物の感情描写を書くのが上手いなと思った。
この短編集は志賀直哉の観察眼、それをそのまま文章化する繊細な言語選択力が遺憾なく発揮されていると感じた 本を開くと全く別の世界に脳内旅行するのはよくあるが、この本は極めてリアルな体験ができる 表題作「小僧の神様」は小僧の純粋な感性を、「正義派」は身を犠牲にして正義を果たしても次第に現実が忍び寄ってく...続きを読むる後味の悪さを、「母の死と新しい母」は死の無情さと新しい母との生活の対比を、見たまましっかり描写している 言うは易し行うは難し、見たまま書くのがどれだけ難しいか… 「城の崎にて」は事故をきっかけに、今まで漠然と考えていた「死」を身近に感じ、それでも生きようともがき続ける苦しみ、そして私は事故で偶然に生き残り、誰かは今偶然に死んでいる、という思考を3つの死に重ね合わせているのが素晴らしかった 高校の授業でも読んだが、その時より味わい深く感じた 「流行感冒」では前半はコロナウイルスでもあるような、異常なほどに気を使う主人と同居人や周囲の人々とのギャップが描写され、共感を覚えた 後半では人の内面の二面性にフォーカスを当て、完全な善人、完全な悪人はおらず、見る角度によってそれは異なり、決めつけてしまう事への愚かさを知らされた 読んでいて心地よく、違和感なく身体に沁みてくる文章 まさに、「目に見えるよう」な文章でした 他の作品も読んでみます!
小説の神様と言われた志賀直哉の短編集。読みやすいし、堪能しやすい。一行目から話に没頭できるし、くどくど説明しなくても登場人物の心情や背景が伝わってくるのは、文章がとても綺麗で必要かつ最小限の単語で描かれているからか。小説の神様と言われる所以を感じる一冊。
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志賀直哉
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