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Posted by ブクログ 2023年07月17日
素朴ながら心地よく、簡潔ながら余韻の残る文章。いくつか学生時代に国語の科目で読んで、問われれば問われるほど、深みにはまっていくような気がしたことを、いまだ覚えている。
小僧の神様、小僧さんが出鱈目の住所を訪ねていったのをあえて書かないと決めた、とあえて語り手の視点を入れる物語構成、新しい母の子供の...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年03月26日
“人を喜ばす事は悪い事ではない。自分は当然、ある喜びを感じていいわけだ。ところが、どうだろう、この変に淋しい、いやな気持は。何故だろう。何から来るのだろう。丁度それは人知れず悪い事をした後の気持に似通っている。”(p.16)
“両方とも今とその時と人間は別に変りはしないが、何しろ関係が充分でない...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年09月14日
心に生まれる、言葉で割り切れぬ感情が、言葉で表現されている。
すごい。
特に印象に残ったのは
『正義派』『清兵衛と瓢箪』『范の犯罪』
『正義派』では、正しいことをしたいけれど、組織の中で生きるしかない男たちの哀しさを。
『清兵衛と瓢箪』では、子供ながら瓢箪にハマり、その趣味が周りの大人に全く理解...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年02月10日
柔らかくて澄んだ日本語を味わえる。とても読み心地が良い11の短篇。大正時代の日常は現代の非日常であり、新鮮味がある。「小僧の神様」は無性に鮨を食べたくなる。「赤西蠣太」は元ネタを知らなくても楽しめた。「好人物の夫婦」の奥さんは可愛い。「焚火」の静かさと優雅さはヨーロッパ的だなと思った。暗夜行路や大津...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年10月12日
久し振りに志賀直哉を読んだ。やっぱすげえ。
Kさんは勢よく燃え残りの薪を湖水へ遠く抛った。薪は赤い火の粉を散らしながら飛んで行った。それが、水に映って、水の中でも赤い火の粉を散らした薪が飛んで行く。上と下と、同じ弧を描いて水面で結びつくと同時に、ジュッと消えてしまう。(『焚火』)
なんとまあ美し...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年01月11日
収録作品:『小僧の神様』『正義派』『秋西蠣太』『母の死と新しい母』『清兵衛と瓢箪』『范の犯罪』『城の崎にて』『好人物の夫婦』『流行感冒』『焚火』『真鶴』
特に気にいった、滋味深いなと思ったのは『好人物の夫婦』『流行感冒』『范の犯罪』。表題作もよかったけど、まだ自分には理解しきれないものがある。それ...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年06月07日
志賀直哉の短編11偏が収録された短編集。
志賀直哉で長編というと、長年かけて完成させた"暗夜行路"くらいしかなく、また、暗夜行路は結構読みにくいため志賀直哉といえば短編というイメージがあります。
無駄の無い簡潔でわかりやすい文体は短編にこそ映えるもので、尚且つ、本作の収録されてい...続きを読む
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