志賀直哉のレビュー一覧
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この短編集は志賀直哉の観察眼、それをそのまま文章化する繊細な言語選択力が遺憾なく発揮されていると感じた
本を開くと全く別の世界に脳内旅行するのはよくあるが、この本は極めてリアルな体験ができる
表題作「小僧の神様」は小僧の純粋な感性を、「正義派」は身を犠牲にして正義を果たしても次第に現実が忍び寄ってくる後味の悪さを、「母の死と新しい母」は死の無情さと新しい母との生活の対比を、見たまましっかり描写している
言うは易し行うは難し、見たまま書くのがどれだけ難しいか…
「城の崎にて」は事故をきっかけに、今まで漠然と考えていた「死」を身近に感じ、それでも生きようともがき続ける苦しみ、そして私は事故で偶然に -
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狭い世界でのことかもしれないが、この数年、中公文庫の文芸系文庫の編集が面白いと言われている。
小説+関連する作家論とか、特定の括りで一作家の作品を纏めるとか、ちょっと違った切り口のアンソロジーを出すとか。
志賀直哉と言えば、"小説の神様"。とは言え、実際今どのくらい読まれているのだろうか。自分にしても、主要な短編を高校時代に、『暗夜行路』を大学時代に読んで、ほぼそれっきり。
今回、生きものと子どもの小品集として、戦後間もなくに刊行された『日曜日』と『蜻蛉』に収められた短編を一冊にまとめて収録した。
「清兵衛とひょうたん」、「小僧の神様」、「城の崎にて」といった -
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志賀直哉の短編11偏が収録された短編集。
志賀直哉で長編というと、長年かけて完成させた"暗夜行路"くらいしかなく、また、暗夜行路は結構読みにくいため志賀直哉といえば短編というイメージがあります。
無駄の無い簡潔でわかりやすい文体は短編にこそ映えるもので、尚且つ、本作の収録されている作品は名著と呼ばれるものをほぼ抑えてあって志賀直哉を知るには十分な良書だと思います。
・小僧の神様 ...
志賀直哉の代表作。
本作をもじって、志賀直哉は"小説の神様"と呼ばれることがあります。白樺にて発表。
秤屋で奉公をしている小僧の仙吉が、番頭たちの噂で聞いていた立ち食い -
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ああ『小僧の神様』の、この感覚。
本名を明かさない。店から足が遠のく。気が小さいという。
自分にもあるちょっと後ろめたいような、モヤリとした部分。
「寂しい」と表現に、そういう面もあるのかもと思いが巡る。
最後のわざわざ書き残された作者としての迷いには、文豪とも言われる方ながら近しいものを感じてしまった。
祠で終わらなくてよかった。
そして『真鶴』
幼いと若々しいとの間くらいの心持ち、かな。
町で見かけた大人の女性に、弟の手を引きつつも気持ちをすっと持っていかれる様子が、なんとも甘酸っぱい。
弟君の我慢強さもほほえましかった。
その他、どの作品も情緒があった。時が過ぎたらまた読み返したくな -
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中学?の国語の教科書に載っていた?あやふやな記憶を頼りに読んでみました。
掲題作「城の崎にて」は圧巻でした。わずか8ページの短編ながら、身近な出来事から死への恐怖を連想させられます。
本書は短編集ですが、他の作品も、日常のある部分を切り取り、鮮明なイメージを植え付ける「山椒は小粒でも…」的な作品が多いです。
解説を読むと、この短編を描いた時期は、志賀直哉の私小説的部分と空想小説的部分が曖昧になっているとのこと。その事実を聞いた上で、妻の情事を聞き、がっかりしながらも心の底では興奮を禁じ得ない主人公を描いた「雨蛙」は、ぴりりを飛び越え、若干ぞっとします。
「小僧の神様」は痛快なヒーロー小説?にな -
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ネタバレ「ところが、どうだろう、この変に寂しい、いやな気持ちは。」
評判通り、文章が非常に綺麗だった。
小僧の神様では、善行の後に残る不快感をみごとに表現している。
赤西蠣太では、ふと芽生えた愛情に揺れる男が描かれている。
清兵衛と瓢箪は、昔読んだ懐かしい作品だった。
范の犯罪では、妻から強く逃げられない男の弱さがうかがえる。
流行感冒では、人間的にできていない”石”が悪くも、良くも活躍する。
清兵衛と瓢箪は、小学校の授業か何かで読んだ作品で、最後の瓢箪を売られる場面を今でも覚えていました。その作品に再び会えたことに驚き、また、よいものを小さいころから読ませられていたんだなと、改めて思いました。 -
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今年5月に初めて城崎温泉に行った。
翌日帰る間際に、1軒ある小さな書店でこれを見つけて購入。
ひさしぶりに角川文庫手にしたかも。
この表紙はとても風情があってかわいい。
こんなに有名な作家さんなのに、
実はこれまで読んだことがなく、
なのであの名作の「暗夜行路」なんかも残念ながら読んだことがなく、
全くもっていい齢してお恥ずかしい限りですが、
きっかけはともあれ、この時代の文学に触れ直すきっかけをもらった1冊。
印象的だったのは「城崎にて」もさることながら、
「母の死と新しい母」
「小僧の神様」
そして「雨蛙」
追記
志賀直哉が城崎を訪れてから、今年がちょうど100周年とのこと。わたし -
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わたしはふだん、装丁なんかどーでもいい、本は中身、装丁はいいから安くしてくれ、とか、とんでもないことを思っているが、この本は異様にカバーに惹かれ、なんの脈略もなく志賀直哉。たぶん三十年ぶりくらいの志賀直哉。
いや、でも、おもしろかった。ものすっごく短い短編ばかりだけれど、文章が濃く、なんというか水気のあるというかしっとりしているというか。話もどうとはいうことがないのだけれど印象深い。「小僧の神様」なんてすごく好き。「転生」もおもしろくてキュートで好き。
こういう日本文学もやっぱり読まないと、と思った。
短編より長編が好きなので「暗夜行路」読もうかな。 -
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志賀直哉の代表的な作品を集めた短編集。
『城の崎にて』は1917年、『小僧の神様』は1920年発表。
百年前の作品でありながら、読みやすくて率直に面白かった。
文体が簡潔で無駄がなく、テンポが良い。
状況説明と心情描写が上手いので、ストーリーがすんなり頭に入ってきた。
一番面白かったのは『城の崎にて』だった。
大怪我を負った「私」は、城崎(兵庫県北部の温泉地)に湯治にやってくる。
静かで平穏な生活の中で、立て続けに蜂と鼠の死に出会う。そして、「私」が何気なく投げた石が当たってイモリが死んでしまう。
「私」は、自分が生き物を殺してしまったことを哀しみ、さらに命の儚さを痛感する。
そして、