大久保康雄のレビュー一覧
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1847年出版の本を、これだけ楽しく、思慮深く読めるとは。多くの女性は、激しい共感を持って読める文学ではないかと思う。これほど心の内を的確に、美しい言い回しで表現出来るのだなぁと発見でもあり、哲学的に納得する箇所も少なくなく、作品世界に没頭できて、良い読書体験だった。ただの恋愛小説と侮るなかれ。今よりずっとずっと女性の人生が檻に囲われていた時代に、女性の能力と意志を力強く社会に主張した作品でもある。先達に感謝!
古い作品にありがちな堅い翻訳でもなく、大変読みやすかった。他の翻訳では冒頭で挫けそうだったので、大久保氏の翻訳がおすすめです。
イギリス的なシビアな価値観、英国社会の持つ心地よい -
Posted by ブクログ
乱歩が選ぶ、堂々5位の作品。
あの『アクロイド殺し』(6位)をも上回るとは、一体どんな作品なのか?
ベントリーは、なんと〈ディテクション・クラブ〉の2代目会長というすごい人物!
代表作はこの1作だけなのに、名だたる推理作家が集まるクラブの会長までやっているなんて、これはもう気になる!読むしかない。
実業家が別邸で殺害された。
画家にして名探偵のトレントは、容疑者である美しい妻のメイベルと出会うのだった…
他の作品よりも名前を聞かないし、表紙も地味だし全然期待してなかったけど、とんでもなく面白かった!!
読み始めは特に惹かれることもなく読んでたけど、美しいメイベルと出会ってからは探偵ト -
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Posted by ブクログ
カズオ・イシグロが影響を受けた作家、作品にブロンテの『ジェーン・エア』を挙げていたこと、先日読んだ『イノセント・デイズ』の主人公・田中幸乃が中学時代にこの本を読んでいたのがとても印象的で、どんな本なのか興味を持ち、読み始めた。
とても面白かった!
上下巻でぎっしり書き込まれているので一気読みというわけにはいかなかったけど、じっくり毎日共に歩ませてもらった感じ。
ジェーンの冷静さ、真面目さと、恋心による揺らぎと、ときめきと情熱と、描かれ方のバランスがとても良かった。ロチェスター氏とのやりとり場面は甘々すぎてこちらも照れちゃうくらい。
離れてみて、他人と一緒にいて再確認した、二人の時の安心感、自 -
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Posted by ブクログ
推理小説読んだのは中学以来くらいかなー。シャーロック・ホームズは初めてでした。
なんというか、さすがの名作って感じでした。普通に面白くて、すごく引き込まれる感じ。なんというか、自分もワトソンの視点で入り込んじゃうような、そんな感じでした。
訳がきっとすごいんだろうなー、と思います。洋書だと多少の不自然さを感じることが結構あるのですが(まあ英語にしかない表現もあるので仕方ないとは思うけど、「あー原文はこんな感じかなー」とか思いながら訳書を読むことは結構ある)、この本はそういうことなくてスラスラ読めました。イギリス特にロンドンの地理に明るいともっと楽しく読めるんだろうなー。
あと、今買うと、 -
購入済み
映画を見る前に買ってみた
ちょうど映画が公開になる前に、原作が気になったので購入しました。分厚い文庫2冊は重いので、電子書籍になってて良かったです。値段も文庫より安かったし。内容は回りくどい言い回しや例えが多いなど、古典的で退屈なシーンもありますが、面白かったです。映画よりはやはり原作が良い!
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Posted by ブクログ
ほんの奥付を見ると、初版が昭和29年。
私が購入したものが昭和60年56刷。上下共に400円。
ここに書き込む前に、ネット書店を見てみると、装丁は全く変わらず、値段が約2倍になっていた。
それだけの時が経ったのだなと少々感慨深いものがあった。
久しぶりの再読であったが、やはり、時代を超えて残っていく物語は心に訴えるものが多い。
文章も美しいし、登場人物の心のあり方も好きだ。
検索した時、映画化されることを知った。
見てみたいような、見たくないような・・・
原作に忠実に再現されるなら見たいが、現代風の解釈が入ると、世界が壊れそうで嫌だと思う。 -
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