豊島与志雄のレビュー一覧
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ネタバレ貧困、善と悪、宗教について深く考えさせられた本。
お腹を満たすことのできない時代に、本人も望んでいなかったであろう犯罪に手を染めてしまう悲しみ。自分と家族を守りたいが為に、願ってもいない暗い人生へと転落していく姿。時代背景や取り巻く環境が与える影響の大きさに、個の無力さを感じてしまう。
はたまた、ミリエル司教の持つ善の心はあまりにも眩くて、全てをゆるすあの心の大きさったら。ジャン・バルジャンの心を大きく変える出来事の先は、マドレーヌ氏として市を盛り上げたことで多くの人々の生活を支え、命をつなぐ数々の場面へと繋がっていく。コゼットやマリユス、色々あったけどジャヴェール然り。1人の司教の教えが、 -
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ネタバレ古典文学のコミカライズ
原作や映像等見たことがなく、今回初見でした
貧困からくる家庭内の圧にはじまった不法行為から
立て続いたトラブルに対して
寛容な言葉をかけられたことで更生を志す主人公の物語
変わるきっかけを得られるというのは
とても幸運だと思う反面、
善行がことごとく報われない結果に終わるという
理不尽さがよく描かれていました
また、どんなに反省しても過去の罪が許されない、
「リセットできなさ」について考えさせられました
命の大切さが一層声高に呼びかけられる昨今
更生者の未来をどうやって保証できるのか
現代も続く課題を提起する作品を
新井先生の少年漫画ながら重厚感ある絵とともに学 -
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ファンティーヌは、パリのカルチェラタンでトロミエスたち金持ちの放蕩息子に出会い、ファンティーヌはトロミエスと恋に落ちた。
だが長年の放蕩から国元に呼び戻されたトロミエスたちは、ファンティーヌたちが置いて国元に帰った。
ファンティーヌは、妊娠していた。
女工のファンティーヌは、娘のコゼットを宿屋の主人テナルディエに預けて働き始める。
テナルディエから養育費以外に薬代などの名目で搾り取られ、生活に窮していくファンティーヌ。
ジャン・ヴァルジャンは、ミリエル司教との誓いに応える為、マドレーヌと名前を変え宝飾品工場を繁盛させ、利益は街の病院などの整備に寄附して、住民から慕われ市長になった。
ヴァルジャ -
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マリウスは、美しい少女に一目惚れする。
また、下宿先のゴルボー屋敷の隣人が金持ちの慈善をせびる悪党テナルディエで、テナルディエの娘エポニーヌと友人になる。
だが慈善家が、ジャン・ヴァルジャンであることを知り、ヴァルジャンの財産を狙ってパリの悪党集団パトロン・ミネットとヴァルジャンを罠に掛けようとする。
ジャン・ヴァルジャンとマリウスとテナルディエの運命が、ゴルボー屋敷で交錯する第5巻。
マリウスとコゼットとエポニーヌの三角関係の始まり、あまり映画などで描かれていないジャン・ヴァルジャンとテナルディエとジャベール三つ巴の対決が描かれていて、テナルディエの極悪ぶりが怖いけど、パトロン・ミネットを -
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ジャン・ヴァルジャンは、コゼットをテナルディエ夫妻から救い出す。
ジャン・ヴァルジャンは、コゼットと本当の親子のように暮らす。
しかしジャベールは、執拗にジャン・ヴァルジャンを追う。
マリウスは、生き別れの父の生き様を知り、金持ちの叔父の援助を断って、共和制復活を企むアンジョルラスたちABCの友と交流する。
役者が、ゴルボー屋敷に揃った第4巻。
ミュージカルなどだとおぼっちゃまキャラだけど、生き別れの父の過去を知り、叔父から押し付けられる王党派の生き様を拒否して民主ボナパルト派に転向した複雑なキャラであるマリウスを知り、改めてミュージカルなどを見ると違って見えてくる「レ・ミゼラブル」ファンに -
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ファヴロールの貧しい枝切り人ジャン・ヴァルジャンは、親代わりの姉と6人の息子を養う為に頑張っていた。だが枝切り人の仕事は、冬にはなく他の仕事もなく、飢えに苦しむ家族の為に、ヴァルジャンはパンを盗み、刑務所で重労働を課せられ、貴族や聖職者だけが富む不条理に怒りを募らせ、脱獄を繰り返す。
やっと仮釈放を認められたヴァルジャンは、仮釈放後も前科者としての身分証に縛られ、宿も食べ物も与えられない不条理に社会への怨みを募らせていた時、神のように献身的で寛大なミリエル司教と出会ったことで運命が変わる!
不朽不滅の傑作文学、漫画化第1巻。
正直で優しいジャン・ヴァルジャンが、いかに貧しさと飢えに苦しみ罪を -
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おすすめです!
レ・ミゼラブルの題名は知っているけど読んだことはない、読んでみたいけど難しそう、と思っている方に、まずはこの漫画版をおすすめしたいです!
絵が本当に素晴らしく、もちろん内容も面白く、あっという間に最終巻まで読んでしまいました。感動するシーンがたくさんありますが、やっぱりジャン・バルジャンの人生を変えた銀の燭台のシーン(1巻収録)が一番好きです!レ・ミゼラブルを読んだことがなくてもこのシーンだけは知っている人も多いのではないでしょうか。
登場人物達がとても生き生きと描かれています。新井先生の絵柄が外国のお話にとてもマッチしていて、違和感が全くありません。最後まで読んだら、また最初から読み直し -
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ネタバレ言わずと知れたジャンバルジャンの話。
伊坂幸太郎のホワイトラビットを読んで、また読みたくなって読みました。
今読み返すと色んな発見がありますね。
有名なのは銀の燭台の所ですが、(小学校の道徳にもある)その後のジャンバルジャンの人生をみて「善と悪」について考えさせられるですよねー。
罪を犯した彼は許されるべきなのか、ジャベールの正義は善と言えるのか。私たちも現代において、間違いを犯した人を永遠に責め続けるのか、許すべきなのか。それはいいことなのか、悪いことなのか…価値観はそれぞれですが、私は信じて許せる人になりたいなあーと思いました。 -
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長い長い物語
フランス革命後のフランスを背景にした物語。映画化された記憶も新しい作品です。
主人公のジャン・バルジャンは一切れのパンを盗んだために19年もの間投獄されていました。世の中のすべての人間を憎んでいた彼は、ひとりの司教に出会い、新たな人生を歩み始めます。
この本はとても長い長い物語です。第一巻の半分以降ではじめて、主人公が登場します。作者のユゴーが自らの思想について述べている部分もかなり分量が多く、時代背景についての知識が必要であることや、キリスト教の「神の愛」が物語の中核でありキリスト教についての知識が無い人にはまったくわからないところがあることから、読み通すことは難しいです。
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