白川静のレビュー一覧

  • 孔子伝

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    ネタバレ

    読んでいるのは、中公文庫ワイド版。
    孔子の生涯について、驚くべき異説をとなえた逸書。『呪の思想』でだいたい説かれてあったことを繰り返してあるので読み飛ばしやすかった。欲をいえば、もうすこし図版があればよかったかな。

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    2014年11月28日
  • 漢字 生い立ちとその背景

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    あけましておめでとうございます。

    新年最初の本は、以前から一度読みたいと思っていた白川静さんの『漢字』。

    最初に言葉があり、次に文字があるという話から始まり、漢字を大切にしなければいけない気持ちにさせる本。

    (1)文字は、その成立の当初においては、神とともにあり、神と交通するためのものであったからである。(p188)

    (2)父は斧をもつ形である。母は、たらちねの母の姿に書かれている。(p176)

    (3)戦争は呪力の戦いであり、さらに言えば、氏族の奉ずる神々の威霊の戦いであった。(p127)

    白川さんは漢字が神とのやりとりを記載したものという畏れをもって分析しており、読者を敬虔なきも

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    2012年01月01日
  • 漢字 生い立ちとその背景

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     濃密である。神意、神事があって、字は固まってくるとの立場。

     漢字といえば形をもじった字からなるとの見方もあるが、抽象的な心象事項にも形をあてはめており、表意文字のすぐれた機能が説明される。

     他方で、意味を十分にとらえることなく継承し、意味を十分に検討することなく用いられている字が圧倒的に多い。力の弱体である。

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    2011年10月30日
  • 孔子伝

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    個人的な話。中学入学のとき、幼馴染で1年先輩のAさんがyuuちゃん、僕のクラブへおいでよ、というので入部した。何と校長先生の元、論語を読むクラブ。毎週1回だったけれど、論語って読みやすくて、記憶に残るんですよね。

    白川先生の孔子論。期待に違わず。
    儒教は坐祝を母体としている。孔子は学を好んだが、それは古典ではない。古典は未成熟だった。
    陽虎は孔子の影のようだと云われるが、実際、占いをし、門下を持ち、孔子に良く似た存在だった。
    仁は全人間的なありかたを表現する言葉。老荘思想は南方の楚、また滅んだ殷の人々の国、宋から生まれた。
    へ〜、と思うこと多し。魯からの亡命が孔子の思索を深めたという指摘がこ

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    2012年03月18日
  • 漢字 生い立ちとその背景

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    白川さんの漢字論というか、漢字に対する熱情というか、力というか凄すぎる。漢字の見方がぐっと変わった。

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    2009年10月04日
  • 漢字 生い立ちとその背景

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    「次に文字があった。文字は神とともにあり、文字は神であった。」がすべて。非常に濃い中身。読み物として面白いかどうかは別として、新たな視点を提供してくれた点で、「4」の評価にあたいする。

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    2009年10月04日
  • 漢字百話

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    著者自身の立場から、さまざまな漢字の成り立ちについて解説するとともに、著者の漢字研究の基本的な考えかたを論じている本です。

    本書はもともと中公新書の一冊として刊行された本で、著者の本のなかでは一般の読者にも比較的読みやすいものとなっています。ただし、おなじく新書で刊行されている『漢字―生い立ちとその背景』(1970年、岩波新書)が、漢字の成り立ちについて多くの具体例をあげてわかりやすく解説されているのにくらべると、本書ではもうすこし深い内容にまで立ち入って、著者の漢字研究の大きな枠組みを説明しているように感じられます。

    また、著者とは異なる観点から、漢字の成り立ちについての研究をおこなって

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    2022年09月26日
  • 漢字 生い立ちとその背景

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    さまざまな漢字の成り立ちについて、著者自身の解釈が紹介されている本です。

    白川漢字学の全体像は、『字統』『字通』『字訓』(いずれも平凡社)の三部作にまとめられていますが、本書では著者の研究成果の一端が語られており、白川漢字学とはどのようなものなのかということをうかがい知ることができる内容になっています。古代中国の神話や呪術と、それらに根ざした古代中国人の生活や思考をもとに、漢字の成り立ちについて大胆にも思われる解釈が示されており、おもしろく読みました。

    本書が岩波新書として刊行されたことに対して、漢字学の権威である藤堂明保が不満を表明していたことが、高島俊男のエッセイで語られていたのを記憶

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    2022年08月27日
  • [白川静の絵本]死者の書

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     白川静の、ほんの一部を絵を交えて説明している、分類的には絵本になるのであろうが、なんとも難解である。
     簡単に文字を使っている日々ではあるが、その本義について深く考えることなく、何となく使っていることを改めて思い知るにはよい。
     「死」は残骨を拝する象とのこと。人の避けられぬ死ということが、間違いないのならば、死こそが真実の状態との解釈は、まさに死が隣り合わせの時代であるからか。

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    2022年03月20日
  • 中国の古代文学(二) 史記から陶淵明へ

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    1巻同様、少々不満の残る内容。本人もまとまりのなさについて、あとがきで触れているが、学問的なものというより、エッセー的なものと考えた方が良いかもしれない(エッセーというには難解過ぎるが)

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    2014年08月26日
  • 中国の古代文学(一) 神話から楚辞へ

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    漢字学で有名な白川静先生の著書ということで期待したが、西洋の研究者(テーケイ)の批判や万葉集との対比などが多く少々期待と違った内容だった。素の漢文を掲載しているのも、読みづらく初学者向きではない。一応、史学で東洋史をやり、漢文もかなり読んだ私でも読みづらく感じた。史学系や中国文学専攻の学生で、その分野を真面目に勉強したい人間が、読むような本だと思う。

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    2014年08月14日
  • 漢字百話

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    面白いが読みにくかった。

    金文を基に漢字の成り立ちを説いた前半は、初めて知ることも多く非常に興味深く感じた。(代表例は漢字の一部を形成する口はくちの意ではなく、祭事に使う器を示すことが大半であることなど)

    ただその説明が筆者の熱を帯びているせいか、初学者に説いて聞かせるようなものではなく、思うがままに書いているようで、すぐに文意の掴めない点が多かった。。読み進めるのに苦労して、途中流し読みせざるを得なかったのが残念。

    後半の漢字の形式化や漢字表の制限に関する苦言は今なお有効に思う。

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    2013年07月12日
  • 漢字 生い立ちとその背景

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    フォント、カリグラフィという考えができるもっともっと昔。とめ、はね、はらいなどの書体ルールすら新しすぎた時代。亀の甲羅の裏に直に刻んだ文字の生い立ちの話。

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    2011年11月09日
  • 中国の神話

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    故白川先生の書籍です。
    友人曰く「この方の書かれる本は、面白いけど眠くなる」、た…たしかに!!
    この先生はどっちかというと、一般的には漢字の研究で有名。
    でも、さすが大先生。日本の歴史や比較神話学の話も引っ張ってこられる。
    中国の神話ってわかりにくいからとっつきにくいんですよねー
    文庫もあんまり出てないみたい。
    神話と言うか、歴史っぽいんですよね。
    舜とか…
    やっぱり日本の文化って、中国の南方から来てるのかな。
    鳥トーテムとか。
    米を主食とするのもそうよね。  

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    2010年06月12日
  • 孔子伝

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    諸星大二郎「孔子暗黒伝」の元ネタ。
    白川先生の孔子の伝記。
    白川先生ならではのアプローチ、漢字から孔子の出自や教えを推理していく展開はスリリング。
    諸子百家との比較もコンパクトで良い。特に墨家との類似点・相違点は興味深い。

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    2010年04月22日
  • 漢字百話

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    見知った文字の意外な意味づけに惹かれて購入。旅の空に倒れて息絶えるが永遠の「真」実なのか。

    日常で接する、あたりまえの活字の裏っ側にある怨念だったり祈りだったり、ヒトの蠢きを感じる謎解きが愉快。

    通勤途中にちまちま読むのに適当だけど、ちょっと硬いかなぁ。

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    2009年10月04日