白川静のレビュー一覧

  • 漢字 生い立ちとその背景
    昨年から外国人や日本・ヨーロッパミックスの子供たちに日本語を教え始めた。漢字が苦手という14歳の子に漢字を教えるための準備運動のつもりで購入した白川静先生の本だが、恥ずかしながら、日本語を教える機会がなければ手にとって読むことはなかったと思う。漢字はけっこう面白いんだなと思い始めたのが漢和辞典を引っ...続きを読む
  • 孔子伝
    ここ数年、「学習する組織」との関連性みたいなところから、「論語」関連の本をときどき読んでいるのだが、これは「孔子」像をかなり根源的なところから転倒してしまうすごい本。

    「孟子」をよんだときの印象で、この人(孟子)は、なんだか、政治経済の政策コンサル会社のシニア・パートナーみたいだなというのがあった...続きを読む
  • 孔子伝
    素晴らしい研究者がいらっしゃったんだな。
    孔子がどのように生きたのか、彼の思想がどのように受け継がれていったのかについて述べられている。ソクラテスやイエスを比較の対象にしているところもあり、中国学者ながら西洋の思想にも詳しいよう。郭沫若という中国人もこの本を通して初めて知った。
    巫祝集団から儒教が、...続きを読む
  • [白川静の絵本]サイのものがたり
    とてもよかった。太古の昔を感じる、長い時の流れを感じる絵本。
    ことば(漢字)の解説なのに、「こう生きるべし」と言われているような厳かな気持ちになる。廿=口 の部首や一部をもつ漢字を取り上げて、その成り立ちを紐解きながら、おもに、古代の人たちの考えを解説。

    この本は、白川静の文章から解説を抜き出し、...続きを読む
  • [白川静の絵本]サイのものがたり
    白川静さんの絵本

    「サイのものがたり」

    おすすめです。漢字の理解、楽しさを知ってもらうなら、この本から入るのがいいかと。 「もし文字の背後に、文字以前の、はかり知れぬ悠遠なことばの時代の記憶が残されているとすれば、漢字の体系は、この文化圏における人類の歩みを貫いて、その歴史を如実に示す地層の断面...続きを読む
  • [白川静の絵本]サイのものがたり

    2018年、いちばん心に留まってます。
    晴天の霹靂でした。

    わたしたちの遠い祖先の「祈り」のものがたり。

    この本は「文字がまだ無かった時代のはかり知れぬ悠遠なことばの時代の記憶」を漢字から体系的に解き明かしていった、白川静先生の学問に金子都美絵さんの絵が加えられたアンソロジーです。

    ...続きを読む
  • [白川静の絵本]サイのものがたり
    「サイ」とは、神への祈りの言葉を入れる器のことで、この文字をテーマに美しい絵でその意味を表現しています。文字の意味を絵で伝える。この本は絵本のカテゴリーに分類されていますが、むしろ学習書、大人のアート本とも言えそうです。漢字について、いろいろ勉強になりました。
  • 孔子伝
    漢字の生い立ちに立ち返って論語を読むと、新しい世界が見えてきます。白川静先生のこの本は、論語だけでなく、論語とそれに連なる経書、曽子、孟子、荀子、荘子と儒家の成立過程もよくわかります。これまで、四書五経といえば、論語、大学、中庸、孟子と薄っぺらい知識でしたが、この本を読んで、それらの関係がよくわかり...続きを読む
  • 孔子伝
    『論語』の名を知らない人はまずいないと思いますが、きちんと全
    文を読んだことがある人になると、それほど多くはないかもしれま
    せんね。かくいう私もその一人です。どうにも堅苦しい印象があっ
    て、どうしても読む気にならなかったのです。

    しかし、そんな印象を一変させてくれる一冊が、今週おすすめする
    白川静...続きを読む
  • 孔子伝
    孔子を「聖人」としてではなく「歴史的な人格」として捉えなお
    そうとする書物。
    作者・白川静の研究業績についてはもはや贅言を要さない
    だろう。
    多くの資料を引用することによって、孔子の人となりを現代に
    蘇らせることに成功している。
    孔子の生涯を知りたい方は、まず本書に目を通すべきだと考
    える。
  • 漢字 生い立ちとその背景
    漢字の著作が豊富な白川静の知見の一部を見ることができる新書の一つ。
    漢字への興味を持ってもらうのに適した一冊。
  • 孔子伝
    とてもおもしろい。碩学の著者の見解を批判するだけの見識は私にはないが、非常に説得力のある孔子像が展開される。儒が巫儒であり呪であることは、この本を元ネタにした諸星大二郎の「孔子暗黒伝」、酒見賢一の「陋巷に在り」で奔放に展開されたが、著者の分析と数々の根拠の提示には自然に納得させられる。単純な孔子伝で...続きを読む
  • 漢字 生い立ちとその背景
    [ 内容 ]
    日本語の表記にとって漢字は不可欠の文字である。
    にもかかわらず、文字としての漢字がどのようにして生まれ、本来どのような意味を持つものであったかを知る人は少ない。
    中国古代人の生活や文化を背景に、甲骨文や金文、および漢字が形づくられるまでの過程をたずね、文字の生い立ちとその意味を興味深く...続きを読む
  • 中国の神話
    神話好きの私にはたまらない一冊。
    とは言ったものの、、やはり専門的なのでついていけない部分が多い。
    それでも世界各地の色々な神話が出てくるのでとても面白いです。
    神話についての知識が確実に増える一冊。
  • 漢字 生い立ちとその背景
    記念すべき1冊目は私が最も尊敬している学者、白川静先生の著作から。白川先生は甲骨文字や金文の字形を丹念に整理・分類し、その形と古代中国人の思惟構造とを突き合わせ、いわゆる「白川漢字学」を大成されました。この本はその「白川漢字学」の入門書です。古代中国の人は神を畏れ、神に祈り、神の言葉を残すために漢字...続きを読む
  • 漢字百話
           -20090630

    太古の呪術や生活の姿の伝える、漢字の世界-厖大な資料考証によって、文字の原始の姿を確かめ、原義を鮮やかに浮かび上がらせる、10章各10話、100話の短章集。
  • [白川静の絵本]サイのものがたり
    白川ワールドの魔力にはまる・・・そうだね。
    「漢字は人類にとっての貴重な文化遺産である」という白川先生の言は悠遠だ。
  • 孔子伝
    白川静 「孔子伝」 

    聖人というより人間孔子という感じの評伝。史記を批判したり、孔子の巫女の子説を展開したり、始めは過激に感じたが、固定的な孔子像ではなく、時代によって 異なる孔子像を作ることで、孔子の生き方から普遍性を抽出しようとしている。


    孔子像
    *巫女の子〜孔子の人間性の原点
    *挫折と亡...続きを読む
  • [白川静の絵本]サイのものがたり
    白川静の深淵のほんの一端にでも触れたものだが、その一端でも、その難解さが現れていることを知らされる。

    自分達が何気なく使っている文字にも歴史と大いなる意味が、それがたった一文字であろうとも含まれていることを知らされる。

    幾星霜にも及ぶ文字の悠遠さに辿りつけるのは、まさに人生をそれに費やし、いや同...続きを読む
  • 中国の神話
    タイトルが内容をうまく表していません。
    私は中国の「神話」の本だと思って読み始めたのですが、「中国の神」話が正しい。

    結構世界各地の神話を読んでいるのですが、中国の神話って確かに聞いた覚えがない。
    中国にいるのは神様ではなく仙人だから。
    と思っていたのです。ずっと。
    ところが中国の「神話」の本があ...続きを読む