細田守のレビュー一覧
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最後の方は涙をこらえるのが大変だった。
オオカミとして生きていく事を決意した「雨」を呼び止めながらも、応援して見送る「花」。
どんな形であれ、親子である事は変わらないし、その愛情の気持ちも上手く描かれているなと思った。
「雪」と「雨」のことを一番に考え、一生懸命に生きていく「花」の親心には感動する。
「雪」は人として生き、「雨」はオオカミとして生きるという別々の道を選んだが、それぞれが自分の道を選んで進んでいけたという意味ではハッピーエンドなのかも知れない。
物語の初めの方は、悲しい内容もあったのにも関わらず、読後は少し爽やかな気持ちになれるような不思議な力のある作品だと感じた。映画も観たい。 -
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仮想世界というものにすごく心惹かれた。
また美女と野獣がコンセプトということもありとても見てみたい気持ちになったが、行けずに終わったので本を借りることを決意。
読んでいるうちにページを捲る手が止まらなくなった。
読みながら、
ああ、ネットってこういう所あるよね、とか
偏った正義を振りかざす人っているよね、とか
常にネットは羨望や嫉妬で出来ているんだなと思った。
それと同時に自分もUに入ってBelleの歌声を聴いてみたいと思ったりもした。何故現実にはないのだろう。
竜の正体に関してはとても驚いたが、
途中、映画を見ていないと想像しづらい場面もあった。
例えばひとかわ剥い太郎と、ぐっとこらえ丸の配信のシーン。
少し自分としては想像しづらかった。
やはり映画を見てから読んだ方が良かったのだろうか。
誰にだって秘密はある、という言葉に思わず頷いてしまった。
読んでみて良かったなと思った。
出来ることなら映画を見たかった。
読んでいてこんなに楽しいのだから、映画は更に楽しいものだったに違いない。 -
Posted by ブクログ
細田守監督映画『竜とそばかすの姫』の小説版。
高知の田舎町に住む鈴は、平凡で内気な女子高生。容姿にも自信はなく、顔のそばかすを気にしている。
昔は歌を歌うのが大好きだったが、子供の頃、母親を亡くして以来、心を閉じてしまい、人前で歌うことができずにいる。
そんな鈴だが、友達のヒロちゃんに「U(ユー)」というインターネット空間を教えてもらう。そこでは「As(アズ)」という分身(アバター)を作り、別の自分として存在することができる。
鈴は自らのIDを「ベル」とする。
アップロードした写真から、「U」のAIが自動作成した画像は、同じ学校のアイドル的存在、ルカちゃんに似ていた。ルカちゃんと一緒に写った写真を使ったからかもしれなかった。でも顔にはちゃんとそばかすがあった。
鈴は、いやベルは、「U」の中でなら歌うことができた。個性的で魅力的な歌に、「U」に集う「As」たちは夢中になった。
「U」はボディシェアリング技術を使って、ユーザーの隠された能力を引き出すことができるプラットフォームだった。歌いたいけれど歌えずにいた鈴の望みと才能を見事に花開かせてみせたのだ。
ヒロちゃんのプロデュースの力も借り、ベルは瞬く間にフォロワーを増やしていった。
最初は、鈴=ベル(Bell)の意味でつけた名前だったが、いつとはなしに、他の「As」たちからは、フランス語の美しい(Belle)の綴りがふさわしいと言われるようになった。
世界中でファンが増えるにつれて、疑問も膨らんだ。
「Who is Belle?」-ベルって誰?
ベルの大規模なライブが行われた時、闖入者が現れた。
「竜」と呼ばれる「As」。「U」の武術館に現れては、汚いやり方で勝ち続けているモンスター型「As」だった。荒々しく粗暴で、嫌われ者。「U」の平和を守るジャスティスたちに追われている。
ベルのライブがめちゃくちゃにされたのは、ジャスティスに追われた竜が転げ込んだためだった。
竜の正体が何なのかも「U」の大きな関心を集めていた。
ジャスティスは正体を暴く「Unveil」の技術を使って、竜を丸裸にすると息巻いている。これを行うと、現実世界の姿がさらされ、もう「U」に存在することはできなくなるというのだ。
ベル(鈴)は、竜が単に悪いやつだとはどうしても思えない。それは自分もまた現実とはまったく異なる仮想を生きているからかもしれなかった。
ベルは竜の城を探して「U」の中をさまよう。
やっと見つけた竜と鈴の間に通うものは。
そして彼の現実での正体とは。
・・・いや、これはなかなかすごい。
細田の過去作品『サマーウォーズ』も思い出させるような仮想空間がとにかく魅力的。小説でこうであれば、映像作品ならさぞかしと思わせる。
美しい(歌)姫とケダモノという取り合わせは、(ベルという名からしても)まるっきり「美女と野獣」なのだが、さて、それぞれには別の現実の姿があって、というのがミソ。
ただ、鈴は確かにつらい経験もしていて、父との仲もぎくしゃくしているのだが、実際には頼りになる友人もいて、初恋の男の子もいて、鈴に密かに思いを寄せる別の子もいて、さらには母の旧友たちが鈴を見守ってくれていて、と、とにかく「恵まれて」いる。この甘さには、ちょっと都合が良すぎると感じなくはない。
とはいえ、仮想空間と現実がまったく切り離されるのではなく、仮想の世界のつながりが現実の苦悩も救うのだ、というストーリー展開には希望も感じるし、著者の願いも込められているように思う。
誹謗中傷があったり、無責任な噂が飛び交ったり、仮想空間にはさまざま問題がある。けれども、便利なことには間違いないし、使いようによっては、実際に現実を支えるものにもなるはずだ。
ミュージシャンの中村佳穂が声優を務めることでも話題を呼んだ。
本作はいずれ、映画を見たい。 -
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ネタバレ小説でも最後の臨場感が半端ない!
以下、本文より
(大おばあちゃん)は立ち往生する彼らを叱咤し、こう言うに決まっている。落ち着いて、自分にできることをしなさい。
「 家族へ
葬式は身内だけでさっさと終わらせて、あとはいつも通り過ごすこと。財産は何も残ってやしないけど、古くから知り合いの皆さんがきっと力になってくれるだろうから、心配はいらない。これからもみんな、しっかり働いてください。 家族同士、手を離さぬように。もし辛い時や苦しい時があっても、いつもと変わらず、家族みんな揃ってご飯を食べること。一番いけないのはお腹が空いていることと、一人でいることなんだから。私はあんたたちがいたおかげで、大変幸せでした。ありがとう。じゃあね」 -
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タイトルからしてタイムトラベルするのかと思ったが、そうでもなかった。
くんちゃん、3歳。ちょっとわがままで頑固者。妹の未来ちゃんが産まれて、みんなの関心が妹に移っているように感じ、ヤキモチを焼く。
でも、「くんちゃんはわたしの宝」 という母親の言葉にもあるように、そんなことはないのですが、3歳児にとってはそう思うのも無理からぬこと。わが身を振り返ってみても、そう感じることもあったかもしれない。
微笑ましくもあり、やがてたくましさすら感じさせるようになるくんちゃんとその家族の成長の物語。
わたしの中では、くんちゃんと「ロボット・イン・ザ・ガーデン」のタングの姿が重なった。