筒井淳也のレビュー一覧
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仕事と家族の関係性を各国の行政サービス、統計データから考察した書籍。
日本で子育てする事が無理ゲーと言われて久しいが、その理由である①子育て費用の補助 ②共働きと子育ての両立 について他国の状況も知りたいと思い読書。
①子育て費用の補助は北欧・欧州が手厚く、手厚いほど出生率が高くなる傾向という想像通りの結果
②共働きと子育ての両立 は意外性あり、そもそも就業している職業が国により大きく異なっているそう。
②を示すデータとされる産後の就業率はアメリカ、北欧が高い。アメリカは育休期間が短く仕事に早期復帰+家政婦やベビーシッターの利用によりキャリアを途切れさせず仕事を続けている。
一方、北欧は -
Posted by ブクログ
日本で専業主婦が多かったのは1970年代。それ以前は、農業など家業のため働く主婦が多かった。
スウェーデンでは、4人に一人が公務員。女性は二人に一人以上。その7割以上は介護、2割が保育。9割がケアワーカー。
アメリカのような小さな政府と北欧の大きな政府の国が、女性労働参加が多い。ドイツ、日本はどちらも入っていない。その結果少子化が進んでいる。
アメリカ、カナダは、育児休業制度が発達していないので、女性が高い地位につきやすい。
アメリカ、北欧の出生率が高い。両極端の国。日本、ドイツ、イタリアなど性別分譲が強い国は出生率は低い。
世界で変化し始めたのは、70年代のスタグフレーションのころから。北 -
Posted by ブクログ
結婚して家族を養うことがどうしてこんなに大変なのだろう..。複雑で厳しい現状を知る一歩
●感想
「なぜ、結婚して子供を育てていくことがこんなにも大変なのだろう?」誰もが疑問に思うこのことを、本書は定性的・定量的なデータを駆使しながら説明してくれる。根本的な問題は「お金がないと家族運営・子育てできない」「共働きをしても経済格差が解消されるわけではない」ということ。収入の低い男性も女性も結婚によって問題を解決できるわけではない。結婚相手は同程度の収入・学歴を有する場合が多いからだ。世帯収入の少なさが子育ての厳しさに直結するから、「共働きしてもお金がない夫婦」にはどうしようもないという現状がある -
Posted by ブクログ
◯著者が社会学者だけあってか、さまざまな視点から家族のあり方についてを分析されている。所得税も検討しているのはやや意外。
◯文体が(なぜか)口語的に記載されており、家族の話だけあって幅広い読者層を踏まえているのか。ただ内容との兼ね合いから、すっと頭に入ってこない。
◯内容としては、保守的な家族のあり方が念頭にあると、中々受け入れにくい検討がされているが、結論としてどのようなあり方が現代日本に望ましいのか、その際の政府の対応としてはどうあるべきかが、具体的かつ分かりやすいものではない。そういった意味では、あくまでフラットに分析しているということなのか。