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「社会」という言葉は、様々な形で使われていて、普段は存在を意識しないが、その実態はとてもあいまいだ。では、どのようにすれば「社会」を理解できるのか? 複雑化、副作用、絡み合う因果関係など、その特徴をつかむ。
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Posted by ブクログ
社会の緩みという概念に新しく触れ、ここ数年での違和感の正体が腑に落ちたように感じた。 適切に社会を記述する方法つまり緩いつながりを記述する方法を、丁寧に説明している。 社会はますます複雑になっており、決してシンプルではないということがよく理解できた。
社会学入門的な本は数多く読んできたが過去読んだ中では断トツに良い。「社会はなぜわかりにくいのか」「知るにはどうしたら良いか」というリサーチクエスチョンをベースに社会学・社会科学の視点や概念を非常に分かりやすく教えてくれます。高校生の時にこの本があれば! 読書案内としても充実しており、紹介されている...続きを読む本を順に読むだけで相当に学べる。細かいけど読書案内が本文中にあって読みやすく、かつ巻末にもリストまとめがある親切な構成なのも良かったです。
筒井先生がいかに「社会」と向き合い続けてきたかがわかる内容。ちくまプリマー新書は,ヤングアダルト(おとなとこどもの間)を対象とした新書(wikipedia)らしいですが,その層だけでなく,ややアダルト(30代前半頃)にも響く。 社会がいかにわからないか,そしてなぜわかりにくくなっているか,その...続きを読む中でどのように私たちは生きていけばいいか,「社会」に向き合い続けて考えてきた筒井先生だからこそのお話がたくさんあります。 社会学入門の入門書としても良い一冊ですし,社会心理学入門の入門書としても読んでほしい一冊です。社会心理学は社会学と心理学を包摂するような,あるいは,間を循環するような学問である必要があると個人的には思っていますが,心理学に染まっている「社会」心理学にとってはぜひとも必要な視点であると思います。 社会と向き合う心理学者にとっても,平易でありながら,学問のあり方について再考を迫るような一冊ではないかと思います。
実用的な製品やサービスに結びつきにくく、非専門家からはその価値が見えにくい社会科学系、人文系の学問の価値について理解するのに役立つ本だと感じました。 複雑な社会の中で人々は不安になることを厭い、単純明快な理屈に(ときには陰謀論のようなものにも)惹かれがちだが、「社会は複雑で、わからないもの」という前...続きを読む提を受け入れ、安定と変化の両立を図ることが重要と著者は説きます。 特に 第一章「わからない世界」にどう向き合うか は高校生や大学生の方は文系理系問わず(むしろ理系の方にこそ)役立つ内容だと思いました。
人間は自分たちが作ったよくわからない社会の中で生きている。 社会とは何かをわかりやすく説くが、やはり難しい。でも考える入口になりそう。 新たな考え方や見え方を提示されるのを面白く感じる。それが楽しい。 読書案内でより世界を広げてくれるのが嬉しい。
社会学の考え方、捉え方を学べる一冊。 目の前を走る車の部品さえよく知らないのに、比較できないほど複雑なこの社会のことなんて誰も全部はわからないよと説く。 社会の「緩さ」について何度も言及されていましたが、それを覚えておくと、いい意味で気持ちの緩さも得られそうです。
社会の変化や現象は、誰かの意図に基づいていたり、原因があり結果がある、というようなものではなく、様々なことが時間や空間を越えて複雑に結びついているという。社会学的な物の見方や考え方が紹介されていて、物事を緩い繋がりの中で俯瞰する意義がよくわかる。自分の視野の狭さを痛感し、深く広く物事を知りたくなる。
社会学ではなく、「社会」に関する本は珍しい。そしてその出発点は「社会は理解できる」ではなく、「社会は理解できない」であることも面白い。感じていたモヤモヤ感を吹っ飛ばしてくれるような本だった。「なぜ日本は〇〇なのか」「なぜ少子化は止まらないのか」と言った疑問の裏には、明確な意図があり、それを変えてしま...続きを読むえば解決するだろうという楽観的な考えがある。そしてそれは大抵裏切られ「なぜ変わらないんだ!」と喚かざるを得ない。 そもそもの前提が間違っており、確かに人間が作ったのだけど、複雑化しすぎてもう誰にも理解できなくなっているというのが正しい。これを飲み込めたことはかなり大きな財産になっただろう。
中高生レベルの読者をターゲットとしながら、大人でも十分に楽しめる本質をシンプルに突いた良書が楽しめるというのがちくまプリマー新書のイメージであるが、本書はそのイメージを体現するかのような良書である。 気鋭の社会学者である著者が本書で伝えようとするメッセージは、「私たちは自分たちでもよくわからない世...続きを読む界の上で生きている。そして様々な出来事は相互に緩いつながりを持っており、その緩さゆえに、余計にわからなさを増す」というものである。 第一の含意、「自分たちでもよくわからない世界」という点は、勧善懲悪・二元論・陰謀論のように、一見わかりやすいように見える叙述が実はデタラメである、ということを示すだろう。第二の含意、「社会の緩さ」という点は、局所的な事象のつながりだけを見ていても社会は明らかにはならず、様々な事象の相互関連性をホリスティックに眺めなければ、複雑化する我々の社会を説明することはできない、ということになる。 これらは当然、現代の社会学における基本的な学問的態度といえるものだが、そうした理屈を抜きに、我々の社会というもののわからなさと緩さを説明する本書の教育的効果は極めて高く、中高生にこそ、ぜひ読んでほしいと思う。
私たちが生きている「社会」は、合理性がなく、曖昧さを含有した「わからない」ものであるということをわかりやすく論じている。 10代の頃、世の中のことがわからないのは自分に知識や教養がないからなんだと思っていた。そして大人になれば、世の中がわかるようになるのだろうとも思っていた。けれど現実は大人になっ...続きを読むてもわからないことだらけで・・・大人が読んでもためになるけど、社会に出る前に読んでおきたい本。
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筒井淳也
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