岩坂彰のレビュー一覧
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遺伝の影響が想像以上にある話
反対に、ない話
遺伝以上に、ランダムな成長ベクトルが影響したり、ウイルス感染が影響したり
人の個性が生じる過程は想像を超えてておもしろい。
わたしのこどもたちが、あんなに異なるのも納得。
以下、印象的な知能の定義。
個人のレベルでも集団のレベルでも、知能というトピックほど議論を呼ぶものはほかにあまりない。
しかし、知能とはいったい何だろうか。デラウェア大学の心理学者リンダ・ゴットフレッドソンの以下の定義は理解の助けになる。
(知能とは)推論、計画、問題解決、抽象思考、複雑な観念の理解、迅速な学習、経験からの学習を行う能力に関わる。単に書物から学ぶことや、学 -
Posted by ブクログ
脳科学に興味を寄せる文学教授が、自閉症者と一緒にアメリカ文学を読んでみた記録。
面白かった、という感想は、本文中で「僕が本気で傷ついた会話を楽しみのために消費してほしくない」と語る人がいるので憚られるのだが、それでも面白かったと言わせてほしい。ニューロティピカル(脳神経的なマジョリティ)が「自閉症者に文学の意味がわかるのか」などと議論しているあいだにも、言葉は読まれ、新しく解釈され、遊ばれているというワクワク感。もっとこの世界の新しい見方を教えてほしい、と思ってしまった。自閉症者の読み方もクィア・リーディングであると教えてくれる本である。
「消費してほしくない」と言ったのは、著者サヴァリー -
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私はタバコを辞めるまで何度も失敗した。
しばらく止めると当初の苦しみは収まり、そんなに欲しくもなくなるが、
飲み会の付き合いなどで少し貰うと、そこから止まらなくなったものだった。
一旦依存症になると、減らして、ちょうどよい付き合いということはできない。
食事やセックス、ギャンブル、周りの人に優越したり褒められるなど、人が快感を感じる時に、脳内で作動する「快感回路」。
快感は生命維持の中心的な役割を果たす。
食べることや子孫を残すことに快感があるからこそ、多くの人はそこに執着する。
快感と依存症は隣り合う。
空腹になれば生物は何をおいても食べ物を探す。
これを衝き動かす快感回路に何か他のこ -
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Posted by ブクログ
重い。読み終わったときの心地よさはすごい。
人間何かを常に求めてるんですね。
渇望。
なんだか何かが足りない。でも何が足りないかわからず、とにかく習慣と欲望に基づいて刺激、行動、報酬に従ってしまう。
何千年も前から人間進化してねぇなぁと思いながらも、現代は刺激が多すぎて生きるのが酷だなぁとも思ってしまう。
とにかく、今、今この瞬間、生まれて初めて行っている感覚、というのを忘れずに行動するしかないんじゃ。
変な考えが起こったら、
あら奥さんこんにちは、さようなら
と雲が流れるように、川が下るように、風が吹くように受け流すしかない。
んー、とても良い本でした。 -
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ネタバレ肥満した若い女性と痩せた若い女性を被験者として、チョコレートミルクセーキを飲んでもらった。
その結果、肥満の被験者の方が痩せた被験者よりも、チョコレートミルクセーキの一口が引きおこす脳の活性化が小さいことがわかった。
これは快楽回路が鈍感になるという結果だ。
さらに、肥満の人はミルクセーキを飲む前、飲もうとしている時に、快感回路が比較的に大きく活性化する。
つまり皮肉なことに、彼らは大きな報酬を望んでいながら、実際には小さな報酬しか得られないようなのだ。
そもそも肥満の人は、痩せようと思いダイエットをして体重が減っている時は
飢餓状態にあるため、ダイエットをしていない人よりも食事が -
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デイヴィッド・J・リンデン氏は、1961年米国ニュージャージー州生まれの神経科学者で、ジョンズ・ホプキンス大学医学部教授。カリフォルニア大学バークレー校卒、ノースウェスタン大学で博士号取得。記憶や運動、脳損傷後の回復などをテーマとした研究を行う傍ら、一般読者向けに神経科学をわかりやすく伝える著作を多数執筆。科学の魅力を広く伝える「神経科学という国の大使」を自称する。
本書は、触覚が単なる感覚ではなく、愛着・記憶・感情・社会的絆に深く関与することを、神経科学の視点から解き明かした代表作で、2016年に出版、2022年に文庫化された。原書は『TOUCH:The Science of Hand, H -