岩坂彰のレビュー一覧
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一番印象に残ったのは、feel/feelingということばは触覚の比喩表現だ、というもの。
本論はそれ自体いろいろと面白く楽しく読めたのだけど、冒頭のこの一言のインパクトが大きすぎて何も耳に残らなかった。
言われてみれば確かにfeelということばは「触れて感じること」が第一義で、「触れずに感じること」という意味はそこから派生して母屋を乗っ取ってしまったようなもの。
コミュニケーションがどんどん言葉(テキスト)と映像だけに収斂していく中で、もっとも古く原始的で効率の悪い感覚、触覚について考察を巡らせるのも楽しい読書体験でした。
紙の本の重みや手触りを感じながら。 -
Posted by ブクログ
秀逸なサブタイトルに無性に惹かれて購入しました。
痛みと快感が一体・・・みたいな話はSMか!って思いました。「痛み」が注目するに値する、無視してはいけない出来事であるということに納得しました。
深夜のカップラーメンのような低レベルの快楽に身をやつすことなく私も高度な快感回路を身につけたいと思いました。例えば勉強するだけで快を感じるみたいなそういう人。はい。一生なれない気がします。
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が、慈善活動をしたり、税金を納めたり、未来の出来事について情報を得たりといった行動はみな、ヘロインやオーガズムや脂肪たっぷりの食品に喜ぶ快感回路と同じ神経回路を活性化することが、脳の画像 -
Posted by ブクログ
一般読者向けながら、ある程度高度・複雑な脳科学の知を展開してくれる、専門家による良書。
最初の方に出てくる実験の映像が、「快感回路(報酬系)」の原型だ。ラットの脳の或る箇所に電極を仕込み、ラット自身がレバーを押せば、その電極が特定のニューロンを刺激するように設定する。すると、電極による快感に病みつきになって、ラットは食欲も性欲もすべてそっちのけにして、ひたすらレバーを押し続ける。
ドーパミン・ニューロンを中心とするこの快感回路が、人間のさまざまな行動に関係している。・・・とはいえ、科学原理主義者ふうなど素人とはさすがに違い、この専門家は、さまざまな事象をなんでも快感回路に還元するのでなく、他の -
Posted by ブクログ
■ 快楽回路
悪徳なドラッグも、美徳とされるエクササイズも脳にとっては同じ「快楽」である。
■ 依存する
依存してしまうと、思った程快楽を感じなくなる。
しかし、しばらく間を取ってから摂取した場合、以前よりも大きな快楽を得ることが出来る「感作」が生じる。
■ 遺伝
太りやすい太りにくいと言う脳の構造は、遺伝による影響が大きいのは事実である。しかしこれに対して、外的な要因(社会や文化など)の影響も十分に大きい。
よって、先天的な要因と後天的な要因をうまく理解し使い分けて、ダイエット目を標達成していく必要がある。
■ 依存性のある食物
脂肪、糖分、塩など。
近年急激な社会の変容が起こったが -
Posted by ブクログ
「快感」とは何か、なぜ人は快感に「依存」してしまうのかを、神経科学的視点(主に脳の腹側被蓋野とドーパミンの働き)から解き明かす。快楽というと真っ先にクスリ、アルコール、セックス、ギャンブルなど非道徳な行いが思い浮かぶが、ジョギングや冥想、学究に至るまで人間の「動機」あるところ、必ず快楽があると言っても過言ではない。本に出てくる事例では、慈善や寄付など真に利他的と思われる行動であっても、その行動を行なっている本人は快楽を感じている(と解釈できる)研究例が示される。
また、「禁*セラピー」の Allen Carr は「依存に遺伝や大切は関係ない。依存していないように見える人は、依存の程度が軽いだ