プルーストのレビュー一覧

  • 失われた時を求めて 3~第二篇「花咲く乙女たちのかげにI」~

    Posted by ブクログ

    「源氏物語」と「失われた時を求めて」は誰の翻訳でもこれくらい面白い本は無いから、次々に目を晒すのだが、いずれも翻訳によってその文学世界が完全に異なってしまうので、面白いというより恐ろしい。だから本当の読書とは、やはり原書・原文に直接当たるべきなのだろう。

    実際に今までにそうしてみたこともあったが、源氏よりもよく頭に入ったのはプルーストで、この重層的複合文てんこもりの牛のよだれのような羊腸の小径を辞書を頼りにおぼつかなく分け入る辛気臭い作業は、しかし微分積分的読解の快楽というものを与えてくれたのである。

    かというて文庫本で10数冊に及ぶこの膨大な著作をそのまま読み切る自信はまるでないから、次

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    2013年06月18日