プルーストのレビュー一覧

  • 失われた時を求めて (まんがで読破)

    Posted by ブクログ

    2010年は「失われた時を求めて」の個人全訳が並行して開始されるという記念すべき年となった。一つは光文社古典新訳文庫から高遠弘美個人全訳、もう一つは岩波文庫から吉川一義個人全訳だ。これまでに個人全訳には2パターンが存在していたので、これで全4パターンの個人統一訳が揃うことになる。評価の高い鈴木道彦訳をどう超えるのか、楽しみな挑戦だ。

    それにしても、だ。

    仏語原文、英語、日本語(個人全訳含めて6~7種類或る)、そして今回の「まんが」とさまざまな表現形式をとるにもかかわらず、我々がこれらすべてを『失われた時を求めて』という一つの作品として同定する「力」というのはある意味恐ろしい能力だと改めて考え込んでしまう。作者がフランス語に英語に日本語にそしてまんがという絵に付与した「意味」を、(実際には大小の差異はあるにせよ)正しく同じ作品のバリエーションとして僕らは読み取ることができる。

    素材も料理人も違うのに、できあがった料理はどれも同じ味がする。

    不思議。

    本書において「私」は幼年時代から青年期そして老年期と時を重ね、友人や恋人と出会い別れ死別していく。見た目も考え方も周囲の人々との関係性も時々刻々変化し、どれ一つとして同じ状態ではないにもかかわらず、「私」は「私」としての統一性を維持し、同一人物として過去と未来をつなぐ結節点として生き続け、「時」を失いながら「私」を固定し、失ったと思った「時」に再度巡り会う。

    同一性と円環。変化を伴う繰り返し。リズム。

    いろいろな表現形式で本書を読むという行為そのものが、本書の主題を味わうに好ましいことだと気づくに違いない。

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    2010年11月17日
  • 失われた時を求めて (まんがで読破)

    Posted by ブクログ

    死ぬまでに一度は読まなきゃな って本の中の1冊。あまりにも長いので「いつかそのうち」と思ってうっちゃってたのだけど、とうとう出ました、まんがで読破!さっそく読んでみた。第一次世界大戦の頃のフランスの社交界を中心としたブルジョワジィの生活が、本人と思われる「私」によって語られる。華々しく見える社交界だけれど、そこは陰謀と嫉妬と同性愛が渦巻いている世界であった。けれどその根底には普遍的愛があるのだろうな。それでなけりゃこんなに長く読み続けられることはない   はず。

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    2011年08月01日