阿部智里のレビュー一覧
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ネタバレ
八咫烏シリーズ第6作目にして、前作『玉依姫』と同時間軸の八咫烏視点の物語。
今回も大天狗が登場しますが、大天狗から得られる山内存続のための認識というものが、前作に引き続きて語られて、2作を読むことで濃く感じます。
なんか、小説やゲームに転生する話とかで、
転生した先の人たちが
「私たちは小説の中の登場人物で、全てはシナリオの通りに動いているのか⁈」
的などうにもならない愕然としたような気持ちになる、
みたいな『山内』『人ならざるもの』の存在ね。
大天狗が認識していること、それを若宮たちが知ることが「私たちは小説の中の登場人物⁈」みたいな雰囲気があります。
そんな転生で小説の中の登場人 -
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ネタバレ毎度地獄展開ゆえに今回はまだ。。。予兆は満載だが。
以前Twitterで「最近は悪役サイドでも回想シーンが入るが、昔は無かった。フリーザ様の過去なんて知らない」というコメントを読んだが
ずっと雪哉の成長目線で本作を読んできたゆえに 博陸侯としての彼がしんどい。。治真は気の置けない友とはまた違った存在故。。
凪彦の望みへの問いを一刀両断にしたけれど、ホントだろうか??
真赭の薄と澄尾の存在が嬉しい。
溌溂としつつ老け込んだようだが、何があったのだろう。。戸籍の件は誰の指示だったのだろう?
鶴が音を選んだのはわざとなのか、取るに足らない事と思っているからなのか。。
蟻の穴から堤も崩れる とい -
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主人公は東家当主の娘である「あせび」
四家と呼ばれる4つの貴族にあたる一族から1人ずつ後宮に呼ばれ、次期天皇(金烏代)に当たる若宮のお妃候補となる話。
それぞれの候補者は、春夏秋冬の名がつけられた宮を与えられますが、「あせび」は春の宮を与えられます。
そんな春の雰囲気のような、柔らかさと
みずみずしい爽やかさを感じる書き方をされるなぁと思ったのですが、
なんと著者の阿部智里さん、こちらの物語がデビュー作で、デビュー当時女子大生!
この作品は第十九回松本清張賞を受賞しています。
この世界を知るために、
・天皇制(金烏代ですけどね)であり、宗家と貴族の四家がある
・四家の特徴
・宗家の人たち -
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読む前、タイトルの選ばないの意味を「主人を選り好みせず、不平不満を言わず忠義を尽くす」という意味だと思っていた。
前作が愛と裏切りの女たちの物語(語弊あり)だったために、聞き齧ったあらましから今度は熱い野郎どもの主従話になるのかと。
最後の結末を読んで、あぁそういうことね…と意表をつかれながらも納得。タイトル回収。
意表をつかれたものの、最初に想像していた内容である忠義…忠誠や、人のためを思い行動するとはどういうことか?が1つの作品テーマになっている。
人のためを思ってした行動と、そこに含まれる自分のエゴと。その線引きは意外と難しい。
そう考えた時、最後の雪哉(主人公)の判断は本人なり -
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八咫烏シリーズの10作目。
第2部4作目。
金烏代は、あのあせびの君の息子…。
登殿の儀では、皇后になれなかったあの腹黒あせびの君が、大紫の御前として登場する。
何だか読む前からドキドキしたのだけれど、今回はあせびちゃんの暗躍は無し?
いや、側室の件には裏があるのかな?
少し肩透かしをくらった感じ。
金烏代凪彦はあせびの君の息子なのに、意外にまとも!
澄生の正体は何となくわかっていたけれど、ラストの流れから次巻ではどうなるのか、楽しみ。
途中まで、北家の姫君・鶴が音の鼻持ちならない行動や言い種に、かなりイライラしてしまった。
もう、しゃしゃり出てこないで欲しい。 -
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ここで再度訪れた登殿の儀!!!!エモいな!!!
再び始まる女のバトル!!??
とはいかない今回の儀。
なんとなくそうだよね、って思っていたけど澄生の正体にため息が出る。
とうとうきた、直接対決。見たくなかったね。
この物語から読んでいればヒールの親玉である博陸侯とそれに立ち向かう聡明な少女の澄生、なんでしょうけど、どうしても孤独な戦いを何らかの理由で強いられているとしか思えない雪哉(そう思いたい、は多分に含む)がちらついて、逆に澄生がヒールに見えてしまう。そうなると聡明な少女が賢しいだけの少女に見えてしまう。
それも作者様の狙いでしょうか?
続きも楽しみですなぁ
2025.3.13