阿部智里のレビュー一覧
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妻、夫、子供、友、仲間、を理不尽に殺されたら
その為政者を恨むし、復讐しようと思うだろう!
その為政者である博陸候(雪哉)をうらみ政変を企む人々の反乱で、人違いされ雪哉の弟、雪雉一家が襲われ、一緒に住んでいた雪哉の育ての母でもある梓も斬殺されてしまう。
愛する妻、梓を殺された夫である雪哉の父は原因が雪哉にあるとして、(前妻に産ませた雪哉を)
「産ませるべきではなかった」と泣き叫ぶ。
後でそれを聞いていた雪哉は、
「私もそう思います」
とひとこと残し、ひとり去ってゆく。
何というシーンだろう!
複雑な家庭環境で、ひたすら気を遣って生きてきた雪哉
辛い巻でした
次作で終わり
どのような結末が来るのでしょう!
文庫を待てないかなぁ! -
Posted by ブクログ
全巻通して13巻目
1巻目から延々と語られてきた、八咫烏の世界も
望月の時期を過ぎれば、終焉へと向かうのか!
そんな時期のこの世界を統べる先代の金烏(きんう)
である君主奈月彦は、搾取する貴族の取り分を貧しい人々に分け与えようとして殺された。
そんな経緯も知らされず、子供の頃に新金烏となった凪彦は、いま后を娶る時期となり、急ぎ後継ぎを望まれている。
10代の頃から、先代金烏奈月彦に鍛えられた、博陸候こと雪哉。
年若い金烏の後ろ盾となり、この国を牛耳って居るが、世の反発も多い。
今作、雪哉のあまりの変容に驚いたけれど、きっと何か理由があるはず、と期待と共に私は信じたい!
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少女ナオミは、風の精霊を統べる蜻蛉帝シリウスから「私の寵姫の座を狙ってみないか?」と突然誘われる。皇帝の後宮には皇后イリスと愛妾がおり、彼の胸には皇后の瞳の色に似ている緑の宝石を選び抜いた首飾り「皇后の碧」が常に輝いていた。訝りつつ己が選ばれた理由を探るうち、ナオミは後宮が大きな秘密を抱えていることに気づくが……。
おもしろーい!
阿部さんらしい、上質の驚きがラストに!
そして最後の最後にもう一つの驚きが。
美しい碧の瞳を持つ、真の皇后とは…。
予測がつかないストーリーは楽しいですねぇ♪
キャラクターも魅力的。
たおやかで優しげなタイプが実は…、っていうのは八咫烏シリーズと似てるかな。
こちらもこちらでシリーズ化できそうな感じもしますが(愛妾さん達で1冊ずつ書けそう)、うまく終わらせているから、この1冊で終わらせてもいいかなーと個人的には思います。
いや、シリーズ化したら読むけどさっ! -
Posted by ブクログ
ネタバレ路近、清賢、翠寛、そして長束。
それぞれの過去と今、そして未来に向けた意思。
つながる。つながっていく。
p.68
「勁草院で私が学んだのは、『こうあるべき』ではなく、『どうあるべきか』でしたね(中略)「どういう意味だ?」
「授業で教わった内容が何であれ、他人の唱えた字義を諳んじるだけでは、ただの阿呆ということです」(中略)「勁草院には色々な育ち、色々な身分の者がいて、それぞれに違う価値観を持っていた。同じことを教わっても、そこから出した仲間の解釈は、一人一人違ったように思う」
p.312
「反吐が出る」「うん」(中略)
他人事のように相槌を打った金烏は、感情をまるごとどこかに落としてきたような顔をしていたからだ。罵ってやろうと思っていたのに、その顔を見た瞬間に、声が出なくなった。
「あなたは、分かっていてやらせているのですね」
「そうだ。分かっていてやらせている」
p.134
「そなたはやらねばならないという前に、やって堪るか、という意思がある。そこが雪哉とは決定的に違うな」どちらが正解で間違っているというものではないが、と金烏は続ける。「雪哉はそなたの甘さだと言った。実際そうだろう。そなたは甘いし、現実は厳しい。だが、私はその甘さが通用する世界のほうが望ましいと思っている」(中略)
「分かるか、この言葉の意味が」(中略)「はい」
────これは、この先山内をどう導くか、という話だった。
p.315
「それでも、私から見ても兄上は経験が不足している。そうあれかしと育てられたお方だ」
p.328
「利用されて下さい」「私が利用されるのか」(中略)
「むしろ、それ以上のものを求める方がおかしいのです。人の心はままなりません。上の者からただそうせよと強いれば、下の者は必ず嘘をつきます。嘘が重なれば重なるほど、あなたの目に真実は見えなくなっていく」
p.341
「我々は、負けたのです」
翠寛は泣きそうに笑った。
────我々は負けた。 -
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「亡霊の烏」を読んだのをきっかけとして、どんどん復習が進み、こちらを再読。
↓
以下ネタバレです
ハミドリ→ミドリ→スイカン
になるまでの話がメイン。
だったのだが、他に疑問があって
やっぱり雪哉が博陸候になるまでの経緯が書かれていませんでした。
どういう経緯で、その地位を手に入れたのかがわかりませんでした。
それと結局、長束と、雪哉ってもともと(?)仲良くかなかったんだなと。
金烏の暗殺により、この世界、この物語、が大きく変わるけど、
金烏の暗殺が強引というか、
うっかり殺された感。
どうして藤の宮が殺してしまったのかも、書かれてない。
暗殺が大きな転機になっているため、
暗殺される、納得できる理由が欲しいです(しつこい)。 -
Posted by ブクログ
作者独特の世界観。
八咫烏シリーズでもそうだが、ファンタジーでありながら、深く考えさせられる作品だと思う。
この作品では「皇后」「伴侶」という表現が何度も出てくる。
単に婚姻した相手、男女の夫婦という形のみならず、作者がこめたこの作品の核となる意味あいとして、「運命を共にする相手」「一緒に未来を切り開く相手」という意味が大きいように思う。
イリスは凄まじい生命力の持ち主であり、力強さを感じる反面、ジョウが池に落とされればすぐに飛び込む情の深さを持っている。
ナオミへの謎解きに関して言えば、蜻蛉帝の真実を知ってほしいと願う、一人の女性イリスとしての願いを垣間見た気がする。