阿部智里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ『恋』にフォーカスをあてた短編集。
【しのぶひと】
真赭の薄と雪哉の縁談の裏話と澄尾の切ない恋心。
冒頭すっかり大きく成長した雪哉に貞木かと思いきや、霜試との発言があったのでまだ草牙の頃の話でしたね。一年半で真赭の身長を越すほど成長したのね…。
澄尾は山内衆としてものすごい実力を兼ね備えた人なのに、人間味が溢れてていいですね。
千早くん、察しが良すぎませんか?
【すみのさくら】
浜木綿の過去の話。
青嵐の想いに泣ける。
融殿はシリーズ通してずっと考えが読めなくて怖いです。
【まつばちりて】
まさかの松韻のエピソード!
『主』でちらっと登場したキャラをここまで掘り下げるとは…!切ない。
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Posted by ブクログ
読書家の友人から「阿部智里の新境地だと思う」と聞かされて読む。
正直、読んでいる間は、さほど・・・
ところが、来るんだな、最後に。
大どんでん返し。
やっぱり阿部智里。
そして友人の言う、新境地の意味も、ようやく腑に落ちる。
ネット上で、作者が「あたりあたりアール・ヌーヴォを意識した」と語っていた。
なるほど、あの「碧」のネックレスは、そんな感じ。
アール・ヌーヴォを掘り下げていくと、こうなるのかと、
友人の言葉と合わせ、あらためて感嘆。
どうやらシリーズ化されるよう。
このキャラと設定なら、いくらだって物語が生まれそうだねw
そういう意味では「十二国記」っぽいかも。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「烏は主を選ばない」から考えさせられる忠誠。
それぞれがそれぞれ信じる者に忠誠を誓って、そのために行動してるように見えるのだけど、今作でも雪哉の忠誠の在り処が分からない。
追憶で奈月彦を失って、その時に自分が忠誠を誓っていたのは金烏の力だと気付いたようだったけど、紫苑の宮にもそれ以上の忠誠を誓っていたように見えたのに。
逃避行を断られたからって、彼女のことをなんとも思わないところまで行くのだろうか。
彼女を守るため、敢えて反感をかってでも山内を安定させることをしていると信じたい。
今作で澄生が行ったことも、雪哉の掌で、最後はすべて紫苑の宮のためだった、的にならないかなぁ⋯。
雪哉の想定外だ -
Posted by ブクログ
ネタバレ描写が綺麗。
王道ファンタジーとミステリーのバランスがいい。
ミステリーとして売り出してないにも関わらず、伏線の貼り方や真相が明るみになっていく過程は王道ミステリーそのもの。
ジョウのことをなぜ皇后と呼んだのか分からなくて、ジョウって女性だっけ?って思っちゃったけど、なるほど、、「皇后は子を産むだけじゃなく、支える人」ね。
これ当たり前のこと言ってるかと思ったけど、たしかに「支える人」を別個として考えれば、男性も「皇后」と捉えることもできるね。
最後のページで、本当の気持ちに気づいてしまったシリウスが、自分が1番に受け入れられなくて、皆に横暴な態度をとったと思うとしんどいな、。
イリスに殺され