倉田タカシのレビュー一覧

  • 旅書簡集 ゆきあってしあさって

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    SF作家3名がそれぞれの旅行先で見聞きしたことを報告しあうという設定で書かれた、書簡体のリレー小説。世界のどこかにあるかもしれない不思議な土地をめぐる空想旅行記。


    東アジアを思わせる日常的な風景が徐々におかしな方向へズレていく高山さん、旅行先の土地にとって旅人は常に"異分子"であることをホラー的に演出する酉島さん、一番純粋に観念的な幻想の国を組み立てる倉田さん、三者三様の作風の違いが楽しい。そんな三人の旅を、カニ頭の謎の人物と郵便局員シュヴァルが繋いでいく。
    酉島さんはどれも不条理小説のようでゾクッとする面白さがあったけど、特に"外国人がイメージするニッポン&

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    2022年08月30日
  • Genesis 一万年の午後

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    おもしろいシリーズだから愉しみ

     最初に大好きな堀晃作品を読んだ。土地勘あるからスラスラ読める。堀さんの近況報告みたいなものかな。

     最も楽しみにしていた久永作品を最後におき、順番に読む。高山羽根子作品は最初から乗り切れずパス。宮内悠介作品はミステリー感覚て肩透かし。秋永麻琴作品がとても楽しかったぞ。これ別作品も読みたいってことで発見のワクワク感で持ち直す。松崎有理さくひんは少しトーンダウンて、次の生首って作品はさっぱり乗り切れずに少しコーヒータイム。

     リフレッシュ後の宮澤伊織作品は、これまた秋永作品同様にアクションつぽくてとても良かった。これも発見だ。アンソロジーはこれが醍醐味。

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    2022年04月02日
  • Genesis 一万年の午後

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    魅力あふれる6つの異世界。没入した頃に物語が終わるので現実世界に取り残された気持ちになる。
    年1,2回ペースで続刊予定ということで楽しみ。

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    2019年04月27日
  • うなぎばか

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    うなぎが絶滅してしまった世界を舞台にした短編集。
    「うなぎばか」「うなぎロボ、海をゆく」「山うなぎ」「源内にお願い」「神様がくれたうなぎ」

    最初の2編は絶滅後のうなぎ屋や漁師を描き、「山うなぎ」は…うなぎの代用肉を求めて遥かジャングルに行き、後の2編はうなぎの絶滅をなんとかなかったことにするため、タイムマシンやら神様やらが出てくるという。ううんなんだこの本は。あ、『うなぎばか』か。

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    2019年02月16日
  • うなぎばか

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    「うなぎが絶滅した近未来」という場面設定は最高だし、コミカルなタッチも現代エンタメ向きだが、話はどれも今一つ面白くない。表題作『うなぎばか』はうなぎ絶滅を背景に親子の情愛を描いて面白いが、荒唐無稽な「保存会」のせいで台無し。タイムマシンものの『源内にお願い』も平賀源内のキャラで読ませるが、今度はうなぎ絶滅のインパクトが薄い。うーむ。

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    2018年11月15日
  • うなぎばか

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    土用の丑の日に。
    うなぎの絶滅をテーマにした5本の短編。
    絶滅してしまったうなぎをめぐっての「もし」を取り上げていて「すこしふしぎ」系だった。

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    2018年07月20日
  • 母になる、石の礫で

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     ”母”の概念が揺らぐ。
     作者は男性なのだが、性別と言うより、原材料とエネルギーの争いなのかなぁと言うように思えた。
     例えば、昔はいろいろな専用機器で行われた機能が、いまはスマホ一つで何でも出来てしまう。母はスマホのようなもの。プログラム次第でさまざまなものを生み出すことが出来る……と言うような。

     しかしながら、現実世界で何かを作るには材料が必要で有り、"母"だからなんなんだ?とは若干なる。主人公の行動意義が実はよく見えなかった。すごいシンプルなものを見落としている気がする。

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    2015年05月05日