宮下洋一のレビュー一覧
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匿名
購入済み権利の一つとしての死
自分が病気でまさに安楽死を考えているか、友人や知人、家族が安楽死を検討でもしていないと考えないようなことについて、この本はその機会を提供してくれる。
安楽死をする本人とその周囲の人々の感情・思考を具体例を通じて知ることができると同時に自分の立場ではどう感じるだろうかと考えさせられる。 -
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誰だって痛いことや苦しいことは嫌だ。
ましてやその先に「死」しかないのだったら、楽に死なせてほしいと思うだろう。
けれどいま日本では、安楽死は認められていない。
そんななか、安楽死を望む人たちが、どのような手続きを取ってどのように行動していったのかを書いたノンフィクション。
そもそも「死」は当事者だけのものなのか。
遺された家族の思いは考慮しなくてもいいのか。
一番よく聞くのは、「寝たきりになって下の世話までしてもらってまで生き続けたくはない」という意見。
たしかに下の世話をしてほしいかとか、寝たきりになりたいかと言われたら、嫌だ。
でも、それで生き続けることができるのなら、生きればいいと -
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ネタバレずっと読みたかった本。
尊敬するジャーナリストの宮下氏の少し前に出版された本。
不妊治療と言っても、人工授精、体外受精くらいしか聞いたことがなかった。その2つの違いも明確に知らないくらいだった。
海外では第三者の卵子提供による体外受精も可能だという。
不妊治療の話が出るとほぼ登場する
『諏訪マタニティークリニック』
新聞のトップにもでるような日本ではタブーとされている数々のケースを発表しているドクターだが、この本で知ったのは世界的に見れば、このやり方こそ、世界的に一般的だという。
このドクターの
『昔、たくさん子どもが産まれていたときは養子にだしたりは普通のことだった。精子、卵子の養子縁組 -
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2022/12/20リクエスト 1
アメリカの死刑囚、ジョン・ウィリアム・ハメルが最初の章に出てくる。彼は3人を殺害、放火した罪で死刑宣告され、執行を待つ身だった。
そんな時に、宮下氏は、面会する。
あまりに澄んだ目をして、刑を受け入れる覚悟が見えたハメルに、かなりの部分、肩入れしているように感じなくもなかったが、他の死刑囚、周りの人々のインタビューを読み進めると、それも仕方ないように思う。
もちろんジャーナリストとして宮下氏が一番残念に思ったであろうが、ハメルの最期のときに立ち会うことができなかったのは、読者としても、消化不良な気持ちだった。
死刑を徹底的にオープンにするアメリカ。死刑囚 -
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世界中の安楽死の状況について、取材人である筆者が実録として記したのが本書。
まずはスイスから。安楽死といえばスイスを思い浮かべるほど、スイスは尊厳死先進国というイメージがある。
ディグニタスやエグジットという実際の団体や、自殺ほう助を行う女性など、ありのままの現実がレポートされ、夢中になって読んでしまう。
それから、オランダや日本など、いくつかの国の状況も語られる。
日本に関しては、死がタブー化されすぎていると思う。死について考えることは、人生について考えることに繋がる。
「死を決める権利」といった概念が本書には登場するけど、深く賛同しながら読んだ。
一方で、死にたいほどの苦しみに対す -
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安楽死が出来ると思うと自殺しようとしなくなる、と言うのはちょっと分かる気がする。
著者が安楽死とはどうなんだろうと迷いながら、安楽死を選んだ人に死の直前にインタビューを内容と聞いて、びびる。どういうセンセーショナルな本なのかと。物見高いだけなのでは?と。
いやいや、そんなことはなく、自分の中で迷いがありながらも、安楽死に携わる人たちを丁寧に見ている眼差しにおちつく。そして何度も出てくる(その人は安楽死を選んだから)もう会えないという言葉を聞くたびに考えてしまう。
それでも、個人的には死にたいと思ったときに、安らかに死ねると思えば、いつでも逃げていいというお守りをもって生きられるような -
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安楽死に関するルポ
安楽死の現場の立ち会いの描写や、患者、家族、医師などの関係者へのインタビュー、取材を続ける中で著者の考えの変化など
一口に安楽死といっても様々な方法がある
・積極的安楽死
・自殺幇助
・消極的安楽死
・セデーション
医師の手による処置、医師が事前に説明した上で患者の手による処置、延命治療の停止、意識レベルを下げる処置
「尊厳死」という言葉の定義は曖昧
安楽死を提供する団体
検察も把握していながら暗黙の了解という状態も
安楽死を合法的に行える条件も国によって異なる
余命宣告、回復の見込みがない、耐え難い苦痛など
ただ、医師によってもその判断が分かれる
治療を停止 -
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私の父が前立腺がんで全身転移、最後には緩和ケア病棟でセデーションを行いました。
私自身も、がん専門病院の生命倫理の研究室で事務員として働いていたことから、安楽死は身近で議論されていました。
それでも私の中で日本における安楽死の是非について未処理のまま。
そんな時に、ジムでNHKスペシャルの「彼女は安楽死を選んだ」を見て、ダンベル片手に立てなくなるほど衝撃を受けました。数年後の今年、この本を本屋で見つけて「安楽死を遂げるまで」と共に購入してすぐ読みました。
何度も号泣。
けっきょく、まだまだ日本で安楽死の法が敷かれるのはまだまだ先だな…と思うと共に、私の中で安楽死についてはいったんケリが着きまし -
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購入済み生と死は表裏一体のもので、すぐ死が待ち構えているように思っていたが、もしかしたら生と死の狭間には複雑で混沌とした領域があって、一足飛びに超えるようなものではないのかもしれない。その領域について深く考えさせられた。
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購入済みフィクション、ノンフィクション問わず本当に良い本に巡り合えたと心から思いました。(内容についてはあえて触れませんが)テーマがテーマということも少なからず影響しているのか作者の配慮か、昨今の読者を煽るようなわざとらしい大袈裟な表現もなく白々しいコメントもない
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購入済み安楽死を行えるのを自国人だけと定めており、外国人が安楽死できる国は唯一スイスのみである。スイスでは、安楽死用に使う薬品も薬局で僅か数百円で買えると言うから恐ろしい。
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世界の不妊治療に関する本です。
とくに卵子提供に重点を置いて書かれています。
日本では,第三者の卵子提供に違和感を抱く人が多いのに対し,欧米では,それほどでもない国があるそうです。
「家」の意識の強い日本と,「個」の意識の強い欧米では,こんなところにも差があるのですね。
不妊治療について,日本の技術は世界トップレベルといってよさそうです。
が,妊娠率や出産率については,あまり高くありません。
この本を読むと,その理由について納得できると思います。
うわべだけを見て,本質を見失うことは多々ありますが,そうなってはいけないことを,この本を読んで強く思いました。