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NHKスペシャルで大反響。
ある日、筆者に一通のメールが届いた。
〈寝たきりになる前に自分の人生を閉じることを願います〉
送り主は、神経難病を患う女性だった。全身の自由を奪われ、寝たきりになる前にスイスの安楽死団体に入会し、死を遂げたいという。実際に筆者が面会すると、彼女はこう語った。
「死にたくても死ねない私にとって、安楽死はお守りのようなものです。安楽死は私に残された最後の希望の光です」
日本人が安楽死を実現するには、スイスに向かうしかない。お金も時間もかかる。ハードルはあまりに高かった。だが、彼女の強い思いは海を越え、人々を動かしていく。
〈本作を読んだ多くの方が考えただろうことを、私も考えた。もし小島ミナと同じ境遇に置かれたら、はたしてどのような選択をするだろうか、と。
著者が作中で記しているように、現にそうした状況に直面したわけでもない者の考えなど、しょせんは切迫感に欠けた想像や推測の類にすぎない。ただ、それでも考えてしまう。彼女のように安楽死を望み、それを選択するだろうか、と〉――解説:青木理
(底本 2021年7月発行作品)
※この作品は単行本版として配信されていた『安楽死を遂げた日本人』の文庫本版です。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ 2023年10月24日
誰だって痛いことや苦しいことは嫌だ。
ましてやその先に「死」しかないのだったら、楽に死なせてほしいと思うだろう。
けれどいま日本では、安楽死は認められていない。
そんななか、安楽死を望む人たちが、どのような手続きを取ってどのように行動していったのかを書いたノンフィクション。
そもそも「死」は当事者...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月19日
私の父が前立腺がんで全身転移、最後には緩和ケア病棟でセデーションを行いました。
私自身も、がん専門病院の生命倫理の研究室で事務員として働いていたことから、安楽死は身近で議論されていました。
それでも私の中で日本における安楽死の是非について未処理のまま。
そんな時に、ジムでNHKスペシャルの「彼女は安...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年03月25日
安楽死を遂げた日本人
著者:宮下洋一
発行:2021年7月11日
小学館文庫
初出:2019年6月(単行本)
安楽死にまつわる世界6カ国での現場を取材した「安楽死を遂げるまで」(2017)を上梓し、高い評価を得た(講談社ノンフィクション賞)著者による、その続編とも言うべき本書。前作を借りに行った...続きを読む
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