安楽死を遂げた日本人
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安楽死を遂げた日本人

913円 (税込)

4pt

4.6

NHKスペシャルで大反響。

ある日、筆者に一通のメールが届いた。
〈寝たきりになる前に自分の人生を閉じることを願います〉
送り主は、神経難病を患う女性だった。全身の自由を奪われ、寝たきりになる前にスイスの安楽死団体に入会し、死を遂げたいという。実際に筆者が面会すると、彼女はこう語った。
「死にたくても死ねない私にとって、安楽死はお守りのようなものです。安楽死は私に残された最後の希望の光です」
日本人が安楽死を実現するには、スイスに向かうしかない。お金も時間もかかる。ハードルはあまりに高かった。だが、彼女の強い思いは海を越え、人々を動かしていく。

〈本作を読んだ多くの方が考えただろうことを、私も考えた。もし小島ミナと同じ境遇に置かれたら、はたしてどのような選択をするだろうか、と。
著者が作中で記しているように、現にそうした状況に直面したわけでもない者の考えなど、しょせんは切迫感に欠けた想像や推測の類にすぎない。ただ、それでも考えてしまう。彼女のように安楽死を望み、それを選択するだろうか、と〉――解説:青木理

(底本 2021年7月発行作品)

※この作品は単行本版として配信されていた『安楽死を遂げた日本人』の文庫本版です。

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安楽死 のシリーズ作品

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  • 安楽死を遂げるまで
    935円 (税込)
    あなたの生き方を変える。 世界の医療現場で、安楽死合法化の気運が高まっている。超高齢社会を迎えた日本でも、昨今、容認論が聞こえてくるようになった。しかし、実態が伝えられることは少ない。 安らかに死ぬ――その柔らかな響きに、欧州在住の筆者は当初懐疑的だった。筆者は、スイスの安楽死団体でその「瞬間」に立ち会い、またはアメリカやオランダで医師や遺族と話を交わすなかで、死に対する考えを深めていく。 文庫解説で武田砂鉄氏はこう書く。 <本書から繰り返し聞こえてくる著者の吐息は、安心感なのか戸惑いなのか疲弊なのか、読者はもちろん、それは著者自身にも分からないのではないか。死にゆく様を見届けた揺らぎが、そのまま読者に届く。読んで、同じように揺らぐ。目の前に広がった死の光景をどう受け止めればいいのだろうか>―― 読後、あなたは自らに問うはずだ。私はどう死にたいのか、と。 第40回講談社ノンフィクション賞受賞作にて、日本で安楽死議論を巻き起こすきっかけとなった衝撃ルポルタージュ。
  • 安楽死を遂げた日本人
    913円 (税込)
    NHKスペシャルで大反響。 ある日、筆者に一通のメールが届いた。 〈寝たきりになる前に自分の人生を閉じることを願います〉 送り主は、神経難病を患う女性だった。全身の自由を奪われ、寝たきりになる前にスイスの安楽死団体に入会し、死を遂げたいという。実際に筆者が面会すると、彼女はこう語った。 「死にたくても死ねない私にとって、安楽死はお守りのようなものです。安楽死は私に残された最後の希望の光です」 日本人が安楽死を実現するには、スイスに向かうしかない。お金も時間もかかる。ハードルはあまりに高かった。だが、彼女の強い思いは海を越え、人々を動かしていく。 〈本作を読んだ多くの方が考えただろうことを、私も考えた。もし小島ミナと同じ境遇に置かれたら、はたしてどのような選択をするだろうか、と。  著者が作中で記しているように、現にそうした状況に直面したわけでもない者の考えなど、しょせんは切迫感に欠けた想像や推測の類にすぎない。ただ、それでも考えてしまう。彼女のように安楽死を望み、それを選択するだろうか、と〉――解説:青木理 (底本 2021年7月発行作品) ※この作品は単行本版として配信されていた『安楽死を遂げた日本人』の文庫本版です。

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安楽死を遂げた日本人 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年11月11日

    前作とセットで読むことで宮下さんの思考の過程が伝わってくる。
    ありのままの姿を伝えようとする真摯な姿勢。
    その中でも悩み苦しみ迷う。
    その過程を追わせていただき、とても学びの多い一冊だった。
    極論に偏らずに答えのない答えを探すことが大切だと感じた。

    0

    Posted by ブクログ 2023年10月24日

    誰だって痛いことや苦しいことは嫌だ。
    ましてやその先に「死」しかないのだったら、楽に死なせてほしいと思うだろう。
    けれどいま日本では、安楽死は認められていない。
    そんななか、安楽死を望む人たちが、どのような手続きを取ってどのように行動していったのかを書いたノンフィクション。

    そもそも「死」は当事者...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年09月19日

    私の父が前立腺がんで全身転移、最後には緩和ケア病棟でセデーションを行いました。
    私自身も、がん専門病院の生命倫理の研究室で事務員として働いていたことから、安楽死は身近で議論されていました。
    それでも私の中で日本における安楽死の是非について未処理のまま。
    そんな時に、ジムでNHKスペシャルの「彼女は安...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2024年02月16日

    自分には関係ないと思わず、向き合って考えなければいけないと思った。安楽死、一概に賛成とは言えないものの事情は理解できる点が有り、とても難しい。

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2023年03月25日

    安楽死を遂げた日本人

    著者:宮下洋一
    発行:2021年7月11日
    小学館文庫
    初出:2019年6月(単行本)

    安楽死にまつわる世界6カ国での現場を取材した「安楽死を遂げるまで」(2017)を上梓し、高い評価を得た(講談社ノンフィクション賞)著者による、その続編とも言うべき本書。前作を借りに行った...続きを読む

    0

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