なぜ、彼女たちは日本で産まないのか。
先進国では出産の高齢化が進行している。それにともない、日本でも不妊治療の件数が増加、2012年には体外受精で生まれた子供の割合が27人に1人の割合になった。
しかし、日本では技術の進歩に法律が追い付かず、「出生前診断」「代理出産」「第三者卵子提供」「出自を知る権利」――など、生殖医療がはらむ様々な問題点について、ここ数年、議論を重ねているという現状がある。この国には、いまだ法律が存在しないのだ。
スペイン在住の著者は、ある日、バルセロナで『卵子提供のフリーダイヤル』という日本語のポスターを目にする。
「なぜ、誰のために?」
その素朴な疑問からスペインだけでなく、フランス、アメリカ、日本、タイ、スウェーデンと、いつしか、世界6カ国に亘る不妊治療現場の旅に出る。異なる価値観を持った、各国の医師や専門家から技術や制度を教えられる一方、不妊に悩む女性たちの体験に耳を傾けた。
6組に1組が不妊に悩む日本。各国の専門医や患者の証言を経て、子を授かることの意義を探りながら、日本で起きている不妊治療論争を多角的に論じる。
Posted by ブクログ 2015年08月25日
世界の不妊治療に関する本です。
とくに卵子提供に重点を置いて書かれています。
日本では,第三者の卵子提供に違和感を抱く人が多いのに対し,欧米では,それほどでもない国があるそうです。
「家」の意識の強い日本と,「個」の意識の強い欧米では,こんなところにも差があるのですね。
不妊治療について...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月28日
ずっと読みたかった本。
尊敬するジャーナリストの宮下氏の少し前に出版された本。
不妊治療と言っても、人工授精、体外受精くらいしか聞いたことがなかった。その2つの違いも明確に知らないくらいだった。
海外では第三者の卵子提供による体外受精も可能だという。
不妊治療の話が出るとほぼ登場する
『諏訪マタ...続きを読む