あなたの生き方を変える。
世界の医療現場で、安楽死合法化の気運が高まっている。超高齢社会を迎えた日本でも、昨今、容認論が聞こえてくるようになった。しかし、実態が伝えられることは少ない。
安らかに死ぬ――その柔らかな響きに、欧州在住の筆者は当初懐疑的だった。筆者は、スイスの安楽死団体でその「瞬間」に立ち会い、またはアメリカやオランダで医師や遺族と話を交わすなかで、死に対する考えを深めていく。
文庫解説で武田砂鉄氏はこう書く。
<本書から繰り返し聞こえてくる著者の吐息は、安心感なのか戸惑いなのか疲弊なのか、読者はもちろん、それは著者自身にも分からないのではないか。死にゆく様を見届けた揺らぎが、そのまま読者に届く。読んで、同じように揺らぐ。目の前に広がった死の光景をどう受け止めればいいのだろうか>――
読後、あなたは自らに問うはずだ。私はどう死にたいのか、と。
第40回講談社ノンフィクション賞受賞作にて、日本で安楽死議論を巻き起こすきっかけとなった衝撃ルポルタージュ。
Posted by ブクログ 2022年07月08日
世界中の安楽死の状況について、取材人である筆者が実録として記したのが本書。
まずはスイスから。安楽死といえばスイスを思い浮かべるほど、スイスは尊厳死先進国というイメージがある。
ディグニタスやエグジットという実際の団体や、自殺ほう助を行う女性など、ありのままの現実がレポートされ、夢中になって読んで...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年03月27日
安楽死が出来ると思うと自殺しようとしなくなる、と言うのはちょっと分かる気がする。
著者が安楽死とはどうなんだろうと迷いながら、安楽死を選んだ人に死の直前にインタビューを内容と聞いて、びびる。どういうセンセーショナルな本なのかと。物見高いだけなのでは?と。
いやいや、そんなことはなく、自分の中...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年03月03日
安楽死に関するルポ
安楽死の現場の立ち会いの描写や、患者、家族、医師などの関係者へのインタビュー、取材を続ける中で著者の考えの変化など
一口に安楽死といっても様々な方法がある
・積極的安楽死
・自殺幇助
・消極的安楽死
・セデーション
医師の手による処置、医師が事前に説明した上で患者の手による処...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年05月21日
超高齢化社会を迎えている日本にあるにも関わらず、安楽死の議論が“ほとんど”ないことに、この本を読んで違和感を感じた。あっても良さそうなのに、ないのは、東南アジア同様の日本の文化なんだろう。カナダでは社会保障が抑えられたとの分析もあり、日本でも裏テーマとして社会保障が抑えられるという理由で議論されても...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年05月09日
精神疾患で辛くてどうしようもない人は、自殺ではなく安楽死という選択肢があるということを知ることで、とても楽になれるんだと思う。死ぬということは、その当事者だけではなく、家族や恋人、集団意識が絡み合っているもの、かもしれないけど、痛みがひどい病気などを抱えてる当事者からしたら、安楽死は本当に良い選択肢...続きを読む
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