宮下洋一のレビュー一覧
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死刑制度について、アメリカ、フランス、日本、スペインの制度や実情、また加害者や被害者遺族の取材を通じて書かれている。
先進国のなかで死刑制度があり、なおかつ実際に死刑を行なっているのはアメリカの一部の州と日本である、というのは広く知られた話である。
「死刑制度があり、なおかつ実際に死刑を行なっている」という書き方をしたのは、死刑制度そのものはあるが長く執行されていないため事実上の廃止となっている国があるからだ。日本に近い国でいえば、韓国がそれにあたる。
本書は著者の揺れ動く思考を表す文章が幾度となく書かれる。それでも、最後には結論めいたものが提出されている。今後の日本の死刑制度において、著 -
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アメリカ、フランス、スペイン、日本等世界の死刑囚、遺族、死刑制度関係者を取材する事で制度そのものを問いかける本。国は違えど長期刑よりは早く処される方が良いと考える囚人も何人かいて興味深い。
人を殺して8年で出所して遺族の近所に住む事を受け入れる村もあったが、自分としては死刑囚に長く苦しんでもらいたいという日本の遺族の方の言葉が偽りのない心情だと思う。フランスの有名な爺さんが死刑制度を否定されていたが著者が指摘する様に死刑制度の無い代わりに現場で射殺されまくったり、犯罪が増加するのは果たして如何。
本書とは関係ないが、日本の女子高生コンクリート殺人事件で加害者達は少年だったため今は娑婆に出てきて -
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ネタバレ去年(2022年)、映画『PLAN75』を観て、書籍では『海を飛ぶ夢』(ラモン・サンペドロ著)を読んだころ、安楽死について検索しているときに、安楽死関連の取材を続けレポをあげている著者のことが引っかかっていた。その時は『海を飛ぶ~』を読んで忘れいた。
※余談ながら、倍賞千恵子さん、『PLAN75』ほかで、イタリア映画祭での生涯功労賞受賞おめでとうございます。
そこに、今月になって全国紙の書評で改めて著者の名前をみつけ、そこで取り上げられていた本書を知ることに。これもご縁と読んでみたもの。
自分の考えと近い著者の主張、なのでとても読みやすかった。
要は、死刑制度の維持については「賛成」 -
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ヨーロッパで暮らす筆者が、アメリカ、日本、そしてフランスやスペインで、死刑囚本人やその家族、被害者やその遺族、司法関係者等、思いつく限りの対象者に取材を試みたもの。
途中、死刑に対する疑念を語る場面も多かったが、筆者の本書での最終結論は、日本という国における制度としての死刑に意義を見いだすものだった。
筆者個人の意見なので、それがダメだとかどうとかいうものではないが、私としては「ああ、そっちへ行っちゃうのか」という感じ。
私個人は、死刑は廃止した方がいいという立場。身内や友人を理不尽に殺害されたという経験がないため、自分が被害者遺族となってもそう言えるのか、と問われれば、それはわからないと -
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ネタバレ安楽死を遂げた日本人
著者:宮下洋一
発行:2021年7月11日
小学館文庫
初出:2019年6月(単行本)
安楽死にまつわる世界6カ国での現場を取材した「安楽死を遂げるまで」(2017)を上梓し、高い評価を得た(講談社ノンフィクション賞)著者による、その続編とも言うべき本書。前作を借りに行ったがたまたま貸出中で本書を読む。2冊セットで読まないと価値は半減以下かもしれない。
本書は、前作以降、メルアドを公開している筆者のもとに、メールを寄せた小島ミナという女性が、日本人として合法的に安楽死を遂げるまでをルポしたもの。彼女は多系統萎縮症という病気で、小脳以外の脳幹が萎縮し、全身、とくに胸、 -
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死刑制度を存置しているアメリカと日本、廃止したフランスとスペインを主な取材先とした骨太なノンフィクション。
宮下さんの著作を読むのは「安楽死」をテーマにした2作以来だが、取材対象者の言い分に振り回されず、自分の考えを押し付けるでもなく、とても冷静に書かれていて読みやすかった。
犯罪抑止力としての効果や遺族感情として極刑を望むのはわかるが、人が人を裁けるのかという疑問は残る。執行に直接関わる方の負担も気になるところだ。最近では「死刑になりたかった」とほざく馬鹿もいるし、冤罪の可能性も否定できない。
宗教や死生観も絡み簡単に答えは出せないが、「外圧で廃止」はなしにしてほしい。 -
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購入済み私の心の中に
いま、自分は人生の終末に向かって先が見えない坂を転げ落ちている、誰にも止められない、望もうと、望むまいが間違いなくその終焉は来ます、そして
その形は無限、光輝き生まれた命がその時は燃え尽きた蝋燭の様に 線香花火の様に静かに消えて逝き その人の人生の総てを持って逝きます、その時生きている自分は残された想いになるのは止められません、自分には病で苦しむ人を救いそして 逝く人を止める事など そのような力は授かっていません、何も出来ないのです、涙を流し静かに手を握っている事だけです、自分の父の時
その時を告げられ病室に入って見た姿は様々な管に繋がっていて心臓は機械で動いていました、時々心臓停止で甲高