鵜飼秀徳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
明治政府は、人民の統制のため精神的支柱が必要だと考えた。純然たる神道国家のためには、邪魔な仏教を神道と分離すること。神社で祀られていた仏具を排斥、神社にいた僧侶は還俗させ、葬式は神葬祭に切り替えさせた。しかし政府の意向をさらに「忖度」して、仏教を破壊する者も出てきた。この廃仏毀釈の歴史を詳しく解説してくれる。
なかなか面白かった。
全国で進められた廃仏毀釈を地方ごとに説明してくれる。
・廃仏のルーツは水戸藩。無秩序に寺院が増えたため、1666年徳川光圀はきちんとしてない寺を整理した。その後斉昭の時代になると外国船対策のため大砲製作に、仏像な鐘を供出させた。仏教=邪教というプロパガンダとともに。偕楽園にある大砲はその時のもの。また斉昭は、新しい日本を牽引するのは外来の仏教ではなく、日本古来の神道だが、アニミズム的な神道には教学がないので、儒学の教学をアレンジして「忠孝一致」という新しい道徳観を生み出した。
・松本の開智学校は、寺の建材が使われた。
・興福寺五重塔も破却されるところだった。解体費用がかかるので民間に売却された。25円で。買い手は金属目当てだった。塔のてっぺんに綱を掛けて引き倒そうとしたができなかった。火をつけて溶かそうとしたら、延焼の可能性があると住民の反発を受け頓挫した。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「遺骨ってゆうパックで送れるらしいよ」といいながらこの本を返却してきたお客さんがいて衝撃を受け読んでみることに。
「送れるかもしれないけれど送る人そんなにいないだろう」と思いつつ読み進めると、ゆうパックの話だけではない衝撃的なことがたくさん書かれていました。
本当に以前から「宗教法人は非課税だから」とか「坊主丸儲け」とか宗教関係職はあまりよく言われなかったものですが、これを読むとそんなことは全くなく、今の寺院の大変さと言うものが壮絶なことになっているのが良くわかります。
世俗習慣の変化と言うのも大きいとは思いますが、政治がらみというか社会の仕組みや制度の変化によるあおりがかなり大きかったのだ、ということは全く知らず大変興味深く読みました。寺院の土地を一般に払い下げ、と言うような事実は一般には全く知られていないことでしょうね。
著者は僧侶でもあるライターさんと言うことで、僧侶ならではの目線と危機感をリアルに感じられ大変読み応えがありました。
おそらく手に取るのは40代以降で興味のある人だけだろうとおもわれますが、寺や墓のことが気になりだしたら常識やマナー本とは全然違いますが、社会人として読んでおいてもいい一冊かもしれません。
自分もこれを読んで、菩提寺がなくなったら困るのでお布施を増やしたほうがいいのだろうかと思ってしまいました。