村山美雪のレビュー一覧

  • トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇

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    焚書、と煽られているが真っ当な一冊だと感じた。
    米国で社会問題化している性的違和。
    本作で描かれているのは米国が抱える病理そのものだ。
    十代は社会的経験値が皆無だから精神的に不安定になりやすい。そこにつけいる熱狂的な一部の集団はまるでカルトそのものだし、そうした光景を「クールだ」としてSNSで拡散する様は歴史の中に時折現れるある勢力のよう。
    ある集団を盲信するのではなく、疑うこと。そしてSNSやネットから離れて「自分なりの考え」を持つこと。強く持つこと。本作は今後の世界を語る上で重要な役割を担うかもしれない。

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    2024年07月24日
  • トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇

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    2020年にアメリカで出版され、賛否両論の騒動を巻き起こした本の全訳版。当初はKADOKAWAから出版される予定だったが、発売前からタイトルや帯、内容を巡って批判が殺到し、謝罪と刊行中止に追い込まれた。それを引き継いだ産経新聞出版や書店に対しても脅迫が行われた。
    21世紀に入ってから「自分はトランスジェンダーだ」と主張する思春期の少女が急増した(この時点でなにか異常な事態が起きていることがわかる)。本書は彼らや家族を中心にインタビューし考察した、まっとうなノンフィクションである。
    インターネットやスマホの普及でどんな情報にも簡単にアクセスできる時代の功罪か。自由すぎるアメリカ社会にも問題があり

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    2024年06月24日
  • トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇

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    本書はアメリカで2020年に発刊され、ベストセラーになった本の翻訳版です。アメリカで十代の思春期の多数の少女たちが突然、性別違和を感じ、トランスジェンダーを志向する問題を知ることができたのはよかったと思います。本書を読むことでトランスジェンダーを志向する思春期のまだ他人から影響を受けやすい少女たちが性別移行のための処置を行うことの危険性が分かります。ただ、その対策として著者が著わした内容が実現可能なことなのかはちょっと疑問が残りました。巻末の解説も併せて読むと良いと思います。

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    2024年05月25日
  • トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇

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    ある日突然、自身はトランスジェンダーだと主張する10代の女性が増えている。
    そうした少女たちを取り巻く問題について、様々な証言を通して、取り上げている。

    読んでいて、決して差別的な本でもないし、むしろ、公平な立場から、問題は問題であると主張している本だと感じた。
    実際、10代の少女にとって、テストステロンやトップ手術などは身体に与える健康リスクも大きく、その決断が取り返しのつかないものとなりうることは確かだろう。
    (原題の通りIRTEVERSIBLE DAMAGE となりうる)

    権利を求める活動は別に悪いことばかりでもないだろうが、
    それにより起きている医療的な問題を棚上げにして、それを問

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    2024年05月08日
  • トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇

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    トランスジエンダーとは何なのか?。著者の膨大な時間と取材により様々な実例を下に考察を深めて多くが少女であると言うことは非常に興味深い。そもそも性同一性障害が進んだものかと思っていたが、これはある種の洗脳なのではないかとさえ思う。トランスジェンダーは・・という前に、アメリカという大国の病というものを非常に強く感じた。教育現場、医療機関など親の知り得ない場所で侵食するイデオロギーは恐怖すら感じた。彼らの主義主張はイデオロギーなのか、金儲けなのか・・。少女達の手のひらに収まるデバイスの先に広がるインターネットの世界の様々な情報の犠牲者。思春期の多感な少女たちを食い物にするために巧妙に仕掛けられた、様

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    2024年05月01日
  • レディ・オリヴィアの秘密の恋

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    ネタバレ

    ロマンス小説の基礎って感じの王道の話。
    美しいヒロインが隣に越してきたヒーローの噂を聞き窓越しに観察。ヒーローはそれに気づき不快に思っている時、ロシアの貴族がヒロインに入れ込んでいるから監視しろと命じられる。ただの外見が良いだけのヒロインと思っていたが、接するうちにお互い好きになっていき、結婚をと思った時にヒロインがさらわれ、事仲を得て結婚。
    ロシアの貴族がヒロインを怖がらせないように、ヒロインの客間で仕事をしたり、窓越しに朗読したりと素敵なシーンが多くて良かった。また読みたいってほど盛り上がりもないけれど、初めての方には読みやすくて良いんじゃないかと思った。ただ、朗読の本の詳細は省いてよかっ

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    2023年09月14日
  • 新しい時代への歌

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    解説込みで600ページちょいあるんだけど面白くて一気に読んでしまった!
    不運にも現実とリンクするような世界観で読んでて頭がぐらぐらしたが、現実に重なるからこそ今絶対に必要な物語だった。
    ルースの言葉が真っ直ぐで格好良くて私はこの言葉を待っていたんだなあと涙ながらに読んでいた。

    感染症とテロによってライブができない世界で音楽を作り続けるルースと音楽を世界に届けようと奔走するローズマリー。
    正反対の二人が導き出した答えに胸が熱くなった。
    映画みたいな幕引き!
    最高!!

    この小説は音楽を作る人と音楽を届ける人の物語であり、創作活動をする全ての人に捧げた物語でもあると思うので全員漏れなく読んでほし

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    2023年07月09日
  • メイドの秘密とホテルの死体

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    人が話す言葉のウラを理解できない、ホテルの清掃係(メイド)が主人公。祖母を亡くし、ひとりぼっちの彼女は、言動も周りに理解されず、思いこみも手伝って危なっかしい。でも一人称で語られる彼女にも、読み手からすればどこか信じきれないところもあり不安にさせる。最終的にはハッピーエンドかもしれないが、それも彼女から語られるだけであって本当は、、、。と言う気にさせられた。

    映画になると後書きに書いてあったので、どういう雰囲気に演出されるのか楽しみ。

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    2023年04月29日
  • ブリジャートン家1 恋のたくらみは公爵と

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    ドラマの方は3話で脱落してしまった。原作を読んでからドラマを観るべきだったな。
    でも、原作の方がダフネは気取ってないし、三兄弟は面白いし、お母さんは個性的だし...で読んでいてジェイン・オースティンの小説を読んでいるみたいだった!!

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    2023年04月13日
  • メイドの秘密とホテルの死体

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    とても面白くてどんどん読み進めることができた。前半はモーリーの個性的な性格に魅了されつつもその危うさを不安に思いながら読み進め、後半はモーリーが成長して行く姿が素敵だった!要所要所で出てくるおばあちゃんの言葉が素敵だった!

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    2023年02月09日
  • ブリジャートン家1 恋のたくらみは公爵と

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    これは、ドラマから見た作品です。もともと、海外ミステリーが好きですが、ドラマが面白かったので読もうと思いました。本もさくさくと読めて良かったです。

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    2023年01月10日
  • ブリジャートン家1 恋のたくらみは公爵と

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    先にNetflixのドラマで見てしまっていたので登場人物のイメージが固まってしまっていたけれど、それでも細かく書かれたそれぞれのシーンで、主にサイモンの側からの描写にドキドキされられた。女性目線だとキュンとするけど、男性目線だとドキドキするのね。初体験でしたw
    ドラマとは違って王妃様やエロイーズ、フェザリントン家の様子はほとんど出てこない。それだけにダフネとサイモン、そして兄アンソニーに集中できる。うっとり、キャー!、ドキドキ、ぽ〜♡みたいな繰り返しで読んでたわけですが、新婚初夜の宿のシーンはゲラゲラ笑ってしまった。このじれったさ!
    ダフネの可愛らしさが最高!まぁそのあとは情熱的なシーンがある

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    2022年12月31日
  • メイドの秘密とホテルの死体

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    202209/期待以上に楽しませてもらった!序盤はモーリーの周囲の心無い言動がつらかったけど、モーリーのしたたかさ含め色々な面も描かれていて人物像に奥行が感じられたのもとてもよかった。

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    2022年12月14日
  • ブリジャートン家6 青い瞳にひそやかに恋を

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    ネタバレ

    【覚書 子沢山なので】

    Bridgertons

    Edmund 1764-1803
    Violet 1766-

    Francesca 1797- / father33 mother31 /
    John Stirling, 8th Earl of Kilmartin 1792-1820
    Michael Stirling, 9th Earl of Kilmartin 1794-
    When He Was Wicked / 1824 / Michael30 Francesca27 /
    A40 B38 C33 D32 E28 F27 G23 H21

    実はこのフランチェスカとPenelope、エロイーズ

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    2022年02月13日
  • 血の葬送曲

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     「1951年、レニングラード」「線路に並べられた5つの死体」という帯の言葉が眼を引く。大戦後、スターリン支配下の共産国家の恐怖政治下の警察小説ということで、かなりの変わり玉だと思いつつ読んだのだが、期待通りの突然変異的な作品。どこにもないこの個性的作品に出会えたことはまさに収穫だった。

     物語に未だ尾を引くナチスドイツとのレニングラード攻防戦について、作品では少なからず触れているが、兵糧攻めに合ったレニングラードは、長期に渡る攻防の下、圧倒的な飢餓に襲われ、その後遺症は物理的にも精神的にも戦後復興に向かおうとするこの都市には、まだまだ存分に吹き荒れていた。

     スターリン指揮下の秘密警察に

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    2021年07月08日
  • ブリジャートン家1 恋のたくらみは公爵と

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    家族愛

    自然に笑顔になったり、心配になったり、いつの間にかストーリーに入りこんでしまいました。
    公爵の歪んだ心を満たしていくダフネの愛情がブリジャートン家の家族の愛に包まれているからで、3人の兄たちと母の愛の行動を読むのを読むのが楽しみでした。
    深刻な場面の主人公2人の会話のウィット感は最高です。

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    2021年06月22日
  • 血の葬送曲

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    小説から歴史に興味を持つことはよくあるし、それが無いとこういう作品をよむのはしんどいかもしれない

    ストーリーやサスペンスの内容は面白いが、和訳の情景描写が入って来づらかった事だけが星を一つ減らした要因です



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    2021年06月06日
  • 血の葬送曲

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    1951年、スターリンの恐怖政治のレニングラードが舞台。秘密警察によって警官も逮捕されるようななかで殺人事件の捜査。粛清に怯えつつ事件を追うロッセル。何かを話すことすら憚れるような空気で捜査も進展しない。暴力と権力によって支配されている国の怖さが物語にずっと流れている。ロッセルの過去と事件とのつながりやロッセル自身の心の内の葛藤と国と個人の闘いのような先の見えないものがある。結末まで読み応えがある。続編もこの先あるみたいなのでぜひとも読みたい。

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    2021年05月26日
  • 血の葬送曲

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    ベン・クリード『血の葬送曲』角川文庫。

    クリス・リッカビーとバーニー・トンプソンの2人が合作名で描いたデビュー作。

    ソ連の歪んだ恐怖政治を背景に進行する骨太の歴史ミステリーであった。社会主義国家を維持するために国民の反対分子に常に目を光らすMGB(国家保安省)と、いつ彼らに連行されるかと怯える国民。社会主義国家には連続殺人犯は居ないという前提で物語が展開するトム・ロブ・スミスの『チャイルド44 』を彷彿とさせる。

    舞台は1951年のスターリン体制下のソヴィエト、レニングラード。凍てついた線路に並べられた5つの死体は全て歯を抜かれ、顔を剥がされるなど激しく損壊されていた。捜査にあたる人民警

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    2021年04月28日
  • ブリジャートン家3 もう一度だけ円舞曲を

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    ブリジャードン家 次男 ベネディクトと伯爵の庶子 ソフィの物語です。

    童話のシンデレラをモチーフにしていますが、魔女のような継母の執拗なイジメがだんだんエスカレートし、童話のように簡単にはハッピーエンドを迎えそうもない。

    後半は、これからどうなるのだろうとハラハラドキドキで目が離せず一気読みでした。

    ブリジャードンの家族達はもちろん、他の登場人物も個性的でますます楽しみなシリーズです。

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    2021年04月11日