【感想・ネタバレ】トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇のレビュー

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Posted by ブクログ

日本での刊行にあたり発売が、反トランスジェンダー本で有害だからという理由で抗議があがり、一旦中止に追い込まれた本書。反トランスジェンダー本でもなんでも無かった。アメリカでも日本でもどこでも有害な活動家(医者をはじめとする専門家も含む)はいるし、彼らを信じて感情的になり事実に目を背ける大衆がいる。本書が日本でも刊行され書店で手に取ることができ、読むこと、知ることの権利が奪われなくて本当に良かった。性別違和、急速発症性性別違和(RODG)に悩み性別適合手術(乳房を切除するトップ手術)を受けた後に、自らの選択、行動を後悔している彼女(少女)らの心のケアは誰が行うのだろうか。日本での本書刊行に反対した人たち(書店員もいたそうだが)は本書を読んでどのような感想を持ったのか?お聞きしたい次第である。まあ、彼ら彼女らが全うな理性を持っているとは思えないのだが…自らもこのような態度を改めて戒めなければならないとつくづく思いました。

6
2024年04月06日

Posted by ブクログ

KADOKAWAを脅して一度は焚書に!
次に産経新聞出版や全国の書店にテロ予告までして葬り去ろうとされた話題の本
この本が出版されてそんなに都合が悪い人は誰なの?って考えてしまう
全く差別本ではありません
当事者への非難はありません
社会を揺るがす悲劇を克明に綴り、社会の歪みに警鐘を鳴らすルポルタージュです
米欧の少女達の中での"流行"がトンデモナイ事態に
アメリカではジェンダーイデオロギーの浸透に「いじめ防止」というレトリックが使われたらしい
しかもそれは(活動家にとって)上手く行き、学校が治外法権の洗脳場となったらしい(怖い)
日本も対岸の火事ではない

この本はトランスジェンダー当事者を1ミリも差別してないどころか、そのことについてよく理解できる内容です
あわせて"'活動家"の手口とレトリックを一つ一つ明瞭に説明されています
このことから"焚書"事件が起こったのだと納得しました
活動家にとってはチューチューモデルの手口がバレてやりにくくなるから死活問題です
そのためテロ予告をしてまで出版を止めたかったのでしょう
そして一番忘れてはならないことは、こうした活動家が騒ぐことで一番迷惑しているのが本当の当事者達であるということです

3
2024年04月14日

Posted by ブクログ

本書の刊行に関する政治的なゴタゴタはともかく、帯にあるとおりヘイト本ではなかった。むしろ、都市化による個人の孤独化やSNSによる子供への精神的な影響、実体を無視して暴走する観念、ネット上でカルト化する人権運動、資本主義経済が倫理を踏み潰して暴れている様などが読み取れるアメリカ現代社会の病理を描いたルポ。トランスジェンダリズムの流行は現代社会の問題点が集約された社会現象だったのだなと改めて思う。

現在アメリカで「トランスジェンダー」を自認する身体女性の多くが従来性同一性障害と診断されてきた人々とは違い、思春期に突然「性別違和」を感じはじめた少女たちだと言う。本書は彼女たちがそこに至った経緯を多数の専門家や証言、データにより分析している。読んでいるとこれは一部の子供だけの問題でないのがよく分かる。

現代の子供達は思う以上に孤独だ。だからこそSNSやインターネットで見聞きしただけの「望めば異性に変身できる」などというファンタジックな思想にも容易にかぶれてしまう。

確かに、デバイスのモニターを見つめていたら自分の体も自然も消えてなくなるような感じがする。あるのは観念ばかりだ。ネットなら男にも女にもなれるし、犬にも猫にも、アイドルや老婆になる人もいる。

しかもSNSは終わりなきバーチャル戦争の最前線でもある。少しのスキも見せられない。どこかのグループに属して安心を得たいというのも人情だろう。共通の「敵」を攻撃することで絆は強まるし、快感も得られる。

これが現代の子供たちが置かれている生存環境だと思うと、側からみる安逸さに反してかなり過酷だ。自分が何ものなのかも分からず、ただただ神経症的に不安定なまま生きねばならないのだから。

子供時代に泥まみれになって走り回ったり、青年期に他者と肉体を通じて交流した経験がある分だけましとはいえ、スマホ依存になっている大人たちも状況は似たようなもので、カルト的なものにハマる人は中高年にも多い。インフルエンサーや活動家が唱える教義に熱狂し、金を吸い取られ、手術の傷跡を誇る「トランスジェンダーになりたい少女」は自分たちの姿でもある。

親たちの苦悩もカルト教団に娘を取られた人のそれであった。娘の幸せを1番に願って手を尽くしているのに、敵と味方しかいない世界観に洗脳された娘には毛嫌いされてしまう。積極的に家族と縁を切らせるのからしてまんまカルトだなと思う。

昔は、思春期の少女たちが自分の体を否定したくなるのは特別な証拠でもなんでもない、ごく普通の成長過程だったはずだ。ただでさえ肉体の変化が激しいうえに性暴力の被害者になりやすい性別であり年齢でもある。「女でなくなれば安全かもしれない」「女になりたくない」と思っても不思議ではない。吉田秋生『桜の園』にも大きすぎる胸を苦にする少女が出てくる。

それに、自我が成長する時期というのは、人と違った自分というものに価値を見出しがちな物でもあるから、他の平凡な女の子たちと違って、進歩的な「トランスジェンダー」「LGBTQ」なのだと主張する気持ちも共感できる。目新しい進歩思想にかぶれるのも若者の特権みたいなものだ。

だいたい昔から、「私」ではなく「僕」と自称しはじめる思春期の少女は一定数いたものだし、それで差別されるわけでもなく、社会となんとか折り合いをつける過程でいつのまにか消えている。おばさんになってまで「僕」で押し通している人なんて見た事も聞いた事もない。日本とアメリカでは事情が異なるだろうがそこまで別世界というわけでもないだろう。

そうしたことを、周囲の大人や、ちょっと年上の子供たちが当人に伝えきれないというのはコミュニティの弱体化の現れではないかと思う。共同体が個人にもたらす情報は言葉だけではない。人の背中を見て学ぶ機会も今の子供たちは失っている。これがあたかも家族や知人友人のような顔をしてカルトが蔓延ってしまう要因でもある。

しかも現代は一過性の「僕っ子」ではすまされないから事は深刻だ。

いまアメリカでは、少女が「僕は男だ」と言って男服に身を包んだらトランスジェンダーとかノンバイナリーなどという輝かしい名札がつく。しかも医師やセラピストや教師といった現実の権威からのお墨付きで。そうなると勘違いだろうとなんだろうと熱烈に応援される。

そのままジェンダー肯定治療という一生続く医療ルートに乗せられたら最後、健康体の永続的な損傷という高い代償を払うことになるが、後悔しても泣き叫んでも誰も責任は取ってくれない。切り取られた乳房も子宮も、女性らしい声すら当然ながら戻ってこない。

そうした囲い込みとルートがすでに教育、医療、経済、政治システム上に出来上がっているというのだから、現代アメリカで思春期を過ごすのは大変なことだと思う。もちろん当事者にとっては一種のコーピングとして一定期間は機能するのだろうが、払う代償があまりにも高すぎる。ボディーピアスやタトゥーどころの話ではない。言い方を変えたら要するに不妊手術なのだ。

本書では何度も「ヒポクラテスの誓い」という言葉がでてくるけれど、これは医療倫理の問題でもあるだろう。

幼少期から続く強い性別違和に苛まれ、ホルモン剤や手術によってしか緩和できない苦痛を感じている人たちと、思春期に突如「性別違和に目覚める」少女たちは別の苦境にいる。同じ治療法で良いわけがない。人権問題についてもまた然りである。

そこをしっかり判断するのが専門家の仕事なのに、本来責任を取るべき専門家が集団でほっかむりしている。得をするのは誰なのか。少女たちをお金儲けのネタとして切り刻むベルトコンベアーに乗せたいのは誰なのか。

トランスジェンダリズム思想の活動家たちが本書を激しく攻撃したのもむべなるかなという内容だった。

2
2024年04月11日

Posted by ブクログ

アメリカのジャーナリスト、アビゲイル・シュライアーが、アメリカの十代の少女を取り巻くトランスジェンダー関連の状況についてレポートした本。ここでいうトランスジェンダー状況とは、ホルモン注射や外科手術も含む。トランスジェンダーとしてホルモン注射や外科手術を受けた少女や家庭へのインタビュー、インフルエンサー、医療業界、学校関連、トランスジェンダーとして生活している人々、それぞれにしっかりとインタビューしており、それだけでも、著者の並々ならぬ苦労がしのばれる。
以下、箇条書きとなるが、感じたことなど。
・本書は十代の少女にどう向き合うかの方が主題だと思う。原題は「不可逆的なダメージ」であり、キャッチ―なタイトルとして「トランスジェンダー」の言葉が先行しているが、「十代の少女はなぜトランスジェンダーに向かうのか」と「少女」を主語の方が正しいと思う。
・昔からある思春期の少女の揺らぐ気持ちや不安感、それと苦しみながら向き合うことで成長するところを、安易にトランスジェンダーという解法を用意してしまう風潮。トランスジェンダー仲間を増やす手段としているように見える。
・トランスジェンダー「活動家」が学校、医療の現場に対して影響を持ってしまい、漠然とした不安感の原因として提示されたトランスジェンダーではないか、という考えを煽り立て認めてしまう状況。これは昨今の個人の感情を優先する風潮や、子供を叱らない状況が加速させているのではないか。
・医療業界もホイホイホルモン注射や外科手術をやってしまう状況。ポリコレ棒で殴られて最悪職を失うことを恐れているのではないか。
・個人的にはダイバーシティの「みんな違ってみんないい」は正しいと考えている。他者との違いを否定せず認めるのが知だと思う。それなのに、なぜトランスジェンダー「活動家」は僅かでも考えが異なるとトランスフォビアのレッテルを張り排除しようとするのか。好意的に考えれば、今まで迫害されてきたため、攻撃的になることで自分のアイデンティティを保たねばならない(黒人のラップのような)というのがあるのかもしれないが、錦の御旗のもとに他者を屈服させたい人々が集まっているのではないか。
・後半の章に登場するトランスジェンダーの人達は、手術を受けるまで十分に考え、かつ少女たちに対して、安易にホルモン注射や手術を行わず、慎重に考えるようにと述べており、とても好感が持てる。
・大人世代は子供(十代は子供だ)の悩みを受け止めて、ともに苦しみながら悩みに向かい合うのをサポートするのが責務ではないのか。それを全面肯定して不可逆的な道に安易に導くのは責務の放棄としか考えられない。子供が本当にトランスジェンダーで、ホルモン注射や手術が最良の手段だったとしても、安易に結論に飛びつく/飛びつかせるべきではないだろう。「悩みに向かい合う」その過程こそが人間の成長させ、それを手伝うのが大人の責務であろう。

1
2024年04月17日

Posted by ブクログ

抗議が集まって一旦出版が取りやめられたことで話題になった本。思春期になって訴えられる性別違和についての診断は慎重にしましょう、取り返しのつかない処置は特に、という主張で、拍子抜けするほど穏当。カルトへの傾倒や、HPVワクチンによる症状と同様、思春期から青年前期の苦しみをどう受け止めるかが問われている

1
2024年04月15日

Posted by ブクログ

ある日突然、自身はトランスジェンダーだと主張する10代の女性が増えている。
そうした少女たちを取り巻く問題について、様々な証言を通して、取り上げている。

読んでいて、決して差別的な本でもないし、むしろ、公平な立場から、問題は問題であると主張している本だと感じた。
実際、10代の少女にとって、テストステロンやトップ手術などは身体に与える健康リスクも大きく、その決断が取り返しのつかないものとなりうることは確かだろう。
(原題の通りIRTEVERSIBLE DAMAGE となりうる)

権利を求める活動は別に悪いことばかりでもないだろうが、
それにより起きている医療的な問題を棚上げにして、それを問題として指摘する本書のような主張が迫害されるというのもおかしなことだと思う。

0
2024年05月08日

Posted by ブクログ

トランスジエンダーとは何なのか?。著者の膨大な時間と取材により様々な実例を下に考察を深めて多くが少女であると言うことは非常に興味深い。そもそも性同一性障害が進んだものかと思っていたが、これはある種の洗脳なのではないかとさえ思う。トランスジェンダーは・・という前に、アメリカという大国の病というものを非常に強く感じた。教育現場、医療機関など親の知り得ない場所で侵食するイデオロギーは恐怖すら感じた。彼らの主義主張はイデオロギーなのか、金儲けなのか・・。少女達の手のひらに収まるデバイスの先に広がるインターネットの世界の様々な情報の犠牲者。思春期の多感な少女たちを食い物にするために巧妙に仕掛けられた、様々な情報や罠にどう立ち向かっていくか非常に悩まされる内容だ。人の成長の速度とコンピュータの進化のギャップが生んだ悲劇。それを金儲けネタにした仕掛けた人々。
手術にまで至った少女たちを思うと心が痛い。

0
2024年05月01日

Posted by ブクログ

 時は2010年代。トランスジェンダー、性自認が肉体の性と異なる感覚を抱いていると主張する人が、特に欧米の、未成年の少女の間で急増していることがわかった。理解が広まった結果なのであれば喜ばしいことだが、調査を始めると、全く別の、社会全体に関わる重大な問題が顕になってきた――。
 少女たちが自ら望む "Irreversible Damage――回復不能な損害" とは。
 本書を短絡的にジェンダー/トランスジェンダーの問題に分類すれば、必ず問題の本質を読み誤る!
 少女たちの "流行" の実態を明らかにし、ジェンダー思想と性自認の実情、思想と彼女たちを政治的に利用する人々、そして副次的に "キャンセル・カルチャー" の問題まで社会に突きつけた衝撃のルポルタージュ。

 本書で示された問題が解決したとしても、内面にある真の問題を解決しない限りは、似たようなことはこれからも、何度も起きるのでしょう。第二次性徴期/思春期を迎えた子と親に読んでほしい。
 なお、原著の刊行は2020年で、作中で紹介された問題や課題、用語を英語で検索すると、2024年現在、ディトランジショナー(性別移行のプロセスを中断したり元々のジェンダーに再移行した人)らが性急な性別移行の危険性を訴えたり、WHO(世界保健機関)がケアの対象を成人に限定することを求める見解を発表したりするなど、行き過ぎたトランスジェンダー称賛に対して社会全体で揺り戻しが進んでいることを確認できる。

"トランスジェンダー/Transgender"
"ディジスター/Desister"
"ディトランジショナー/Detransitioner"

0
2024年04月27日

Posted by ブクログ

ジェンダーについて関心があったのと、話題になったので読んでみた。
今アメリカで起こっていることを全く知らなかったため驚いたし、怖くなった。この本が出版取りやめになったままだったら、知ることがなかっただろう。日本だって他人事じゃない話。正直読んだとて、難しいことはわからないままだが、読んでよかった。

0
2024年04月27日

匿名

ヘイターにしか評価されない本

産経がまともな本を出版するはずがないといえばそれまでですが、これを読む時間とお金があり、本当にトランスジェンダーについて理解したいと考えているのなら、高井ゆと里/周司あきら両氏の『トランスジェンダー入門』(集英社新書)のような良書があるので、そちらをお薦めします。
帯でわざわざ「ヘイトではありません」などと言い訳していますが、既に原書に当たった方々から問題点は指摘されていますし、X(Twitter)でトランス差別を行っている人々がこぞって擁護している時点で推して知るべし。貴重なお金と時間を無駄にするのはやめましょう。

#怖い #ドロドロ

0
2024年04月29日

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