【感想・ネタバレ】トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇のレビュー

あらすじ

「KADOKAWA『あの子もトランスジェンダーになった』」
あの“焚書”ついに発刊

「今年最高の1冊」エコノミスト誌
「今年最高の1冊」タイムズ紙(ロンドン)
「今年最高の1冊」サンデー・タイムズ紙

ヘイトではありません
ジェンダー思想と性自認による現実です

世界9か国翻訳
日本語版緊急発売

思春期に突然「性別違和」を訴える少女が西欧諸国で急増しているのはなぜか。
かつては性同一性障害と呼ばれていた「性別違和」は幼少期に発現し、およそ全人口の0.01パーセントに見られ、そのほとんどが男児だった。
「性別違和」の急増や男女比の突然の逆転——何が起こっているのか。

・SNSとインフルエンサーたち
・幼稚園からジェンダー思想を教える学校教育
・精神科医の新標準「ジェンダー肯定ケア」
・思春期ブロッカー・ホルモン補充療法・乳房切除手術
・権威すらもキャンセルされる活動家の激しい抗議
……約200人、50家族を取材した著者が少女たちの流行の実態を明らかにする。

「それまで違和感を覚えたことはなかったのに、学校やインターネットで過激なジェンダー思想に触れて傾倒した十代の少女たちがもてはやされている。そうした少女たちの後押しをしているのは、同世代の仲間たちのみならず、セラピスト、教師、インターネット上の著名人たちだ。だが、そんな若さゆえの暴走の代償はピアスの穴やタトゥーではない。肉体のおよそ四五〇グラムもの切除だ。(中略)いわばフォロワーになっただけの思春期の少女たちに、そのような高い代償を払わせるわけにはいかない」(「はじめに」より)

米国ベストセラー『Irreversible Damage: The Transgender Craze Seducing Our Daughters』の邦訳版

【目次】
本書への賛辞
はじめに 伝染
1 少女たち
2 謎
3 インフルエンサー
4 学校
5 ママとパパ
6 精神科医
7 反対派
8 格上げされたもの、格下げされたもの
9 身体の改造
10 後悔
11 あと戻り
おわりに その後
謝辞
解説 岩波明
原注・参考文献

アビゲイル・シュライアー(Abigail Shrier)
独立系ジャーナリスト。コロンビア大学で文学士号(Euretta J. Kellett Fellowship)、オックスフォード大学で哲学士号、イェール大学法科大学院で法務博士の学位を取得。2021年にバーバラ・オルソン賞(ジャーナリズムの優秀性と独立性に贈られる)を受賞。また本書はエコノミスト誌とタイムズ紙(ロンドン)の年間ベストブックに選ばれた。

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Posted by ブクログ

日本での刊行にあたり発売が、反トランスジェンダー本で有害だからという理由で抗議があがり、一旦中止に追い込まれた本書。反トランスジェンダー本でもなんでも無かった。アメリカでも日本でもどこでも有害な活動家(医者をはじめとする専門家も含む)はいるし、彼らを信じて感情的になり事実に目を背ける大衆がいる。本書が日本でも刊行され書店で手に取ることができ、読むこと、知ることの権利が奪われなくて本当に良かった。性別違和、急速発症性性別違和(RODG)に悩み性別適合手術(乳房を切除するトップ手術)を受けた後に、自らの選択、行動を後悔している彼女(少女)らの心のケアは誰が行うのだろうか。日本での本書刊行に反対した人たち(書店員もいたそうだが)は本書を読んでどのような感想を持ったのか?お聞きしたい次第である。まあ、彼ら彼女らが全うな理性を持っているとは思えないのだが…自らもこのような態度を改めて戒めなければならないとつくづく思いました。

6
2024年04月06日

Posted by ブクログ

KADOKAWAを脅して一度は焚書に!
次に産経新聞出版や全国の書店にテロ予告までして葬り去ろうとされた話題の本
この本が出版されてそんなに都合が悪い人は誰なの?って考えてしまう
全く差別本ではありません
当事者への非難はありません
社会を揺るがす悲劇を克明に綴り、社会の歪みに警鐘を鳴らすルポルタージュです
米欧の少女達の中での"流行"がトンデモナイ事態に
アメリカではジェンダーイデオロギーの浸透に「いじめ防止」というレトリックが使われたらしい
しかもそれは(活動家にとって)上手く行き、学校が治外法権の洗脳場となったらしい(怖い)
日本も対岸の火事ではない

この本はトランスジェンダー当事者を1ミリも差別してないどころか、そのことについてよく理解できる内容です
あわせて"'活動家"の手口とレトリックを一つ一つ明瞭に説明されています
このことから"焚書"事件が起こったのだと納得しました
活動家にとってはチューチューモデルの手口がバレてやりにくくなるから死活問題です
そのためテロ予告をしてまで出版を止めたかったのでしょう
そして一番忘れてはならないことは、こうした活動家が騒ぐことで一番迷惑しているのが本当の当事者達であるということです

3
2024年04月14日

Posted by ブクログ

本書の刊行に関する政治的なゴタゴタはともかく、帯にあるとおりヘイト本ではなかった。むしろ、都市化による個人の孤独化やSNSによる子供への精神的な影響、実体を無視して暴走する観念、ネット上でカルト化する人権運動、資本主義経済が倫理を踏み潰して暴れている様などが読み取れるアメリカ現代社会の病理を描いたルポとして非常に興味深い内容だった。トランスジェンダリズムの流行とは現代社会の問題点が集約された社会現象だったのだなと改めて思わされた。

現在アメリカで「トランスジェンダー」を自認する人の多くが、かつて性同一性障害と診断されてきた人々とは違って、思春期に突然性別違和を感じはじめた少女たちだと言う。本書は彼女たちがそこに至った経緯を多数の専門家や証言、データにより分析している。読んでいるとこれは一部の子供だけの問題でないのがよく分かる。

現代の子供達は思う以上に孤独だ。だからこそSNSやインターネットで見聞きしただけの「望めば異性になれる」などというファンタジーにも容易にかぶれてしまう。

大人の自分なども、デバイスのモニターを見つめていると体も周囲の世界も消えてなくなるような感じがある。存在するのは観念ばかりだ。だから誰でもその気になれば犬にも猫にもなれるし、バーチャル・アイドルや老婆にだってなれる。そんな環境にどっぷり浸かれば、自我の危うい子供たちが現実と仮想現実を混同するのも仕方ない気はする。

しかもモニターの向こうにあるSNSとは終わりなきバーチャル戦争の最前線でもある。少しのスキも見せられない。どこかのグループに属して安心を得たくなるのも分かる。共通の「敵」を攻撃することで絆(オキシトシン)は強まるし、快感(ドーパミン)も得られる。

これが現代の子供たちが置かれている生存環境だ。体を動かしていないから一見楽そうに見えても、メンタルヘルスの面から考えるとかなり過酷ではなかろうか。現実から遊離しているせいで確固たる自分は永遠に掴めず、自分が何ものなのかも分からない神経症的不安を生き続けねばならないのだから。

大人にしても状況は似たようなもので、子供時代に泥まみれになって走り回ったり、青年期に他者と肉体を通じて交流した経験がある分だけましとはいえ、カルト的なものにハマる孤独な中高年も多い。インフルエンサーや活動家が唱える教義に熱狂し、大金を吸い取られ、手術の傷跡を誇る「トランスジェンダーになりたい少女」は過酷な社会状況を生きる大人たちの縮図でもある。

本書にある、娘が突然「トランスジェンダー」になってしまった親たちの苦悩はカルト教団に娘を取られた人と全く同じで色々興味深かった。敵と味方しかいないカルト的世界観に洗脳されると人は家族や友達を毛嫌いするようになり、グループにとじこもる。積極的に家族と縁を切らせるのからしてまんまカルトのやり方であり人権運動とは異質な力学を感じる。

昔は、思春期の少女たちが自分の体を否定したくなるのは特別な証拠でもなんでもない、ごく普通の成長過程だった。ただでさえ肉体の変化が激しいうえに性暴力の被害者になりやすい年代でもあるから「女でなくなれば安全かもしれない」「女になりたくない」と思っても不思議ではない。

その上、自我が成長する時期というのは、人と違った自分というものに価値を見出しがちな物でもあるから、自分という人間は他の平凡な女の子たちとは違う進歩的な「トランスジェンダー」「LGBTQ」なのだ、と言いたくなる気持ちも充分共感できる。

ただ、昔から、「私」ではなく「僕」と自称しはじめる思春期の少女は一定数いたものだし、それで差別されるわけでもなく、それぞれ社会となんとか折り合いをつける過程でいつのまにか消えている一過性のものだった。おばさんになってまで「僕」で押し通している人なんて見た事も聞いた事もない。

そうしたありふれた揺らぎの中で悩む子供たちを、周囲の大人や、ちょっと年上の子たちが軌道修正してやれないというのはコミュニティの弱体化の現れではないかと思った。共同体が個人にもたらす情報は言葉だけではない。他人の背中からも人は学べる。そうした言語化不可能な学習の機会を子供たちは失っている。子供だけでなく、今や孤独な都市生活者が見つめるのはデジタル情報だけだ。だからそれらを本物の友達や家族のように感じてしまう。これはカルトが蔓延ってしまう要因でもある。

しかも今は一過性の「僕っ子」ではすまされないから事は深刻だ。

本書が書かれた当時のアメリカでは、少女が「僕は男だ」と言って男服に身を包んだら、「トランスジェンダー」とか「ノンバイナリー」などという輝かしい名札が速攻でつけられ、医師やセラピストや教師といった現実の権威からお墨付きをもらえるという。

そのまま「ジェンダー肯定治療」という名の、一生終わらない医療ルートに乗せられたら最後、身体の永続的な損傷と高額な支払いという高い代償を払うことになるが後戻りはできない。後悔しても泣き叫んでも誰も責任は取ってくれない。切り取られた乳房も子宮も、女性らしい声すら当然ながら戻ってこないのに。

そうした囲い込みとルートがすでに教育、医療、経済、政治システム上に出来上がっているというのだから、現代アメリカで思春期を過ごすのは大変なことだなと思った。とんでもないなと。

もちろん当事者にとっては一種のコーピングとして一定期間は機能するのだろうが、払う代償があまりにも高すぎる。ボディーピアスやタトゥーどころの話ではない。たかが思春期のゆらぎで不妊手術をするなどあってはならないことだ。

本書では何度も「ヒポクラテスの誓い」という言葉がでてくるけれど、これは医療倫理の問題でもあるだろう。

幼少期から続く強い性別違和に苛まれ、ホルモン剤や手術によってしか緩和できない苦痛を感じている人たちと、思春期に突如「性別違和に目覚める」少女たちは別の苦境にいる。同じ治療法で良いわけがない。人権問題についてもまた然りである。

そこをしっかり判断するのが専門家の仕事なのに、本来責任を取るべき専門家が集団でほっかむりしている。得をするのは誰なのか。少女たちをお金儲けのネタとして切り刻むベルトコンベアーに乗せたいのは誰なのか。これは一般に言われるような人権問題ではなくて、都市化がもたらす孤独と行きすぎた資本主義が生み出した悲劇ではなかろうか。

トランスジェンダリズム思想の活動家たちが本書を激しく攻撃したのもむべなるかなという内容だった。

2
2024年04月11日

Posted by ブクログ

アメリカのジャーナリスト、アビゲイル・シュライアーが、アメリカの十代の少女を取り巻くトランスジェンダー関連の状況についてレポートした本。ここでいうトランスジェンダー状況とは、ホルモン注射や外科手術も含む。トランスジェンダーとしてホルモン注射や外科手術を受けた少女や家庭へのインタビュー、インフルエンサー、医療業界、学校関連、トランスジェンダーとして生活している人々、それぞれにしっかりとインタビューしており、それだけでも、著者の並々ならぬ苦労がしのばれる。
以下、箇条書きとなるが、感じたことなど。
・本書は十代の少女にどう向き合うかの方が主題だと思う。原題は「不可逆的なダメージ」であり、キャッチ―なタイトルとして「トランスジェンダー」の言葉が先行しているが、「十代の少女はなぜトランスジェンダーに向かうのか」と「少女」を主語の方が正しいと思う。
・昔からある思春期の少女の揺らぐ気持ちや不安感、それと苦しみながら向き合うことで成長するところを、安易にトランスジェンダーという解法を用意してしまう風潮。トランスジェンダー仲間を増やす手段としているように見える。
・トランスジェンダー「活動家」が学校、医療の現場に対して影響を持ってしまい、漠然とした不安感の原因として提示されたトランスジェンダーではないか、という考えを煽り立て認めてしまう状況。これは昨今の個人の感情を優先する風潮や、子供を叱らない状況が加速させているのではないか。
・医療業界もホイホイホルモン注射や外科手術をやってしまう状況。ポリコレ棒で殴られて最悪職を失うことを恐れているのではないか。
・個人的にはダイバーシティの「みんな違ってみんないい」は正しいと考えている。他者との違いを否定せず認めるのが知だと思う。それなのに、なぜトランスジェンダー「活動家」は僅かでも考えが異なるとトランスフォビアのレッテルを張り排除しようとするのか。好意的に考えれば、今まで迫害されてきたため、攻撃的になることで自分のアイデンティティを保たねばならない(黒人のラップのような)というのがあるのかもしれないが、錦の御旗のもとに他者を屈服させたい人々が集まっているのではないか。
・後半の章に登場するトランスジェンダーの人達は、手術を受けるまで十分に考え、かつ少女たちに対して、安易にホルモン注射や手術を行わず、慎重に考えるようにと述べており、とても好感が持てる。
・大人世代は子供(十代は子供だ)の悩みを受け止めて、ともに苦しみながら悩みに向かい合うのをサポートするのが責務ではないのか。それを全面肯定して不可逆的な道に安易に導くのは責務の放棄としか考えられない。子供が本当にトランスジェンダーで、ホルモン注射や手術が最良の手段だったとしても、安易に結論に飛びつく/飛びつかせるべきではないだろう。「悩みに向かい合う」その過程こそが人間の成長させ、それを手伝うのが大人の責務であろう。

1
2024年04月17日

Posted by ブクログ

抗議が集まって一旦出版が取りやめられたことで話題になった本。思春期になって訴えられる性別違和についての診断は慎重にしましょう、取り返しのつかない処置は特に、という主張で、拍子抜けするほど穏当。カルトへの傾倒や、HPVワクチンによる症状と同様、思春期から青年前期の苦しみをどう受け止めるかが問われている

1
2024年04月15日

Posted by ブクログ

同性に憧れたり
他とちょっと違ってみたかったり
女性的でない振る舞いの方が媚びてなくて良いような気がしたり
思春期に経験することの多い割と普通のことを特別視してなんだかおかしくなっているようで

過去にアダルトチルドレンや多重人格が流行った頃に一気に自分はそうだと言う人が増えた時のよう

0
2025年10月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『トランスジェンダー』がアメリカのティーンエイジャー、とくに少女達の間で"流行っている"という衝撃の書籍。

昨今、急激にポリコレやLGBTQへの理解を深めよう!という世相になってきているのは分かりますが、自分を受け入れてくれる場が欲しい、優しくされたい(チヤホヤされたい、人気者になりたい)→トランスジェンダーになる!という訳のわからなさ。

慎重に、本当にトランスジェンダー?別の心理的要因では?と誠実に進めようとすれば、バッシングの的になるという地獄。
身体的な手術を行なった後では、もう引き返せないというのに。
大学の友人にも、何人かLGBTQの人は居ましたが、決して周囲と同調したとか、そういうことではなかったと思います。
日本は遅れてる!と声高に言われることもありますが、外政の良い面と悪い面どちらも、みていくことは大事ですね。

0
2025年01月12日

Posted by ブクログ

思春期に性自認が揺らぐなんてめちゃくちゃあるあるで、大人になれば自然と落ち着くもの
落ち着いた先がトランスジェンダーならそこから考えていけばいい、というかそれより前に、揺らいでる段階で何かを決定するなんてあまりにも危険
ましてや本人以外の、大人たちがそれを煽るなんて最悪の所業
SNSは功罪あるけど、ちょっと毒がでかすぎて怖い
辞めさせるのは難しいかもしれないけど、時間をかけて規制してくのは必要じゃないかな…
お酒やタバコみたいに。

なんか焚書騒ぎがあった本らしいけど、それはちょっと敏感すぎるような
内容は、正直アメリカの話だし、自分の周りにはもう思春期の子っていないので、ちょっと対岸の火事感…
だけどちゃんと大人として考えていかなければならない問題だなと思う
読んで良かった。出してくれてありがとう!

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2024年12月28日

Posted by ブクログ

これほどのポテンシャルを持った本が、2020年の米での発刊から、2024年にならないと我が国で出ない現実。これがまず大問題。
「幸いなことに、日本の学校関係者も、医療関係者も、トランスジェンダーの扱いについては比較的慎重である。臨床的にも、トランスジェンダーを訴える人が病院の外来を受診することは多いとは言えない。〜略〜大部分は男性であり、米国のような状況には至っていない。」(P332「解説」より)
勿論、日本では比較にならないくらい少ないのであろうが、ホルモン摂取のハードルは格段に下がりつつある(私は限界精神界隈のウォッチが趣味)。専門家に対し野暮は百も承知だが、そんな危機感で大丈夫なのか心配になる。

本書で衝撃だったのは3点。
DSM-5で、性別違和の定義の執筆を監督したほどの専門家が、トランスジェンダー活動家の攻撃により職を解任させられていたこと(勿論、その筋では有名な事件だったみたいだが)。
もう一つは、「ジョンズ•ホプキンス大学の著名な精神医学及び行動科学の教授ポール•マクヒューには答えがあった。性別違和は"過大評価された考え"または心を支配するほどの情熱なのだ。それは「世の中の多くの人々がいだいている考えではあるが、患者や一部の人々にとっては、それが人生のすべてだと激しく思いこんでいる考え」なのだとマクヒュー博士は語った。」(P206)
性別違和とはなにか?に対するこれほど分かり易い答えがあることを私は知らなかった。果たしてこの答えが正解なのか?人の心とは、なんなのか?答えが出る日は来るのであろうか。
最後に、オートガイネフィリア(レイ•ブランチャードによる造語)の存在をトランスジェンダー活動家が否定しているってのは、何かのギャグなのだろうか?(笑)これが最も衝撃的でした。

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2024年10月02日

Posted by ブクログ

不公正、抑圧への、抵抗。
それ自身は、尊重されるべき。

しかし、そうした行動は、社会的な生き物である人間が行う場合、複数名で行うことで、力と正統性を主張する場合が多い。
その場合、正当な抵抗は、いずれ「運動」「活動」「政治」というものに、自然に変化する。
最初は、損なわれたものを取り返すだけの正当な動き、主張であったものが、個としてはでなく、集団としての動きになり、「政治性」を帯びることで、行き過ぎた動きとなる。
その動きには、どんどんと、自らの自己顕示欲を満たすことに重きを置く活動家が入り込み、correctness を求めための動きは、political なものに変質していく。
よく目を凝らしてみると、その動き、活動の中には、既に不公正、抑圧の被害者はあまり見当たらないことも。
本当の被害について、声を上げようにも、その政治性に合致しないものはむしろ疎まれることもあり、あるいは、被害者が阻害されることもあるようだ。
あまりに身勝手で醜悪な、政治性。

少し前の世界の、権力に対するカンターパワーであった、「リベラル」「メディア」たち。
今では、批判を許さない姿勢を貫き、政治性を身に付け、人々を阻害する。

醜悪。あまりに醜悪な姿を、そのままに描き出した良著。

読み進めているうちに、ある日本語を思い出した。
「腫れもの」

特定の団体、メディアが、タブーを作り出し、世の中がタブーとして忌避する「腫れもの」になれば、大人になることを拒否しても、誰も、ついには親も何も働きかけることができない、「腫れもの」になりおおせる。

その先死ぬまで幸せに過ごせるか。
どんなに辛い通過儀礼や修行に臨もうが、幸せなんか確定的に得られるものであるとは思わないけど、「腫れもの」として扱われて、幸せを感じられる人に、自分の子供になって欲しいとは思えない。

著者は、この構造を顕にするという素晴らしい仕事をしたのではないか、と思う。

「腫れもの」を作る人たち。
一体どんな世界に生きているのだろうか。
なんとかそういう人と関わらずに生きていきたいもの、と思う。

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2024年09月26日

Posted by ブクログ

ファッション化してしまっている部分があるよね。
思春期の揺れ動く気持ちの受け皿として、トランスジェンダーが出現している。
人と違う自分になりたいという感情は古今東西あったわけだが、昨今の多様性の尊重。そして、インフルエンサーという虚構じみた存在が身近になってしまった、現代特有の病のように感じられる。
そんな生半可な気持ちで名乗るべきではない。本当にそうである人に対しての侮辱のようにも感じる。
実際にリスクがある決断でもある。

大前提として、多様性を認めることは大切なので、そこは否定しない。
そして本書もそのスタンスは一貫している。よって、この本が差別的だ!!と騒ぐのは流石にナンセンスかな。

思春期の子どもに、性別の変更について意思決定をさせるのは、親としての責任放棄のように感じる。

多様性の尊重というもっともらしい言葉をもっても、そのリスクは許容されるべきではない。
本書でも何度も取り上げているが、数ヶ月で辞める、数十年後に後悔したが時すでに遅していったこともあるからだ。
熟考に熟考を重ねて、やっと決断するような話である。


0
2024年08月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

噂の本読みました。トランスの考え方が、ジェンダー規範の押しつけでしかなくてびっくり。
トランスを自認する人に対しては肯定医療が主流になっているって話も、もはや宗教。。トランス界隈の人たちがこの本の出版を阻もうとしたことでもお察しだけど。

欧米、想像以上だった。その点まだ日本は理性的かなという感じがするけど(さすがキリスト教が根付かなかった極東の地である)、トランス活動家の声が大きくなればいずれ日本も…という怖さはある。すでに欧米で警戒されるようになった思春期ブロッカーを日本へ売り込む動きがあるそうだし。

少子化少子化言われてる現代に、人間の生殖を真っ向に否定するような性自認という概念が根付きつつあるというのは興味深い。世界的にみたらやっぱり増えすぎている人口を抑えようとする種としての見えない力が働いているのかな?

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2024年05月25日

Posted by ブクログ

トランスジェンダーの人権を踏み躙っていると批判されているのを聞いていたので、どんなことが書いてあるかと身構えていた。
しかし、著者はあくまでも幼少期から身体違和を感じていた人については異論を述べず、思春期に突然トランスジェンダーだとカミングアウトした人に対して警鐘を鳴らしている。
なにものかでありたいーそれは人間が普遍的にもつ願望だと思う。しかし、それを実現させるために生殖機能を失うリスクのある、逆戻りできない「治療」は安易に勧められないという筆者の主張は共感できた。

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2025年09月10日

Posted by ブクログ

これでもか、というほどの事例が提示され、それぞれの当事者や関係者の行く末が丁寧に描かれていました。この分量のデータを集め、形にされた筆者の熱意を感じました。

以下、印象的だった内容です。
・物理的には比較的不自由なく生きてきた中で、何らかの原因で周りに馴染めない自分に理由を見つけたくて、「自分は女の子じゃないのかもしれない」という思いに至るというケースが多いということでした。
・未成年からの一方的な主張だけで、身体改造に進んでしまうと、後戻りできなくなる、ということも書かれていました。
・そこまで熱狂的にTGになりたいと思う裏側には、「仲間が欲しい」「何者かになりたい、思われたい」という欲があるという分析もなされていました。


もしも当事者が読んだら、どんな気持ちになるのか様々な想像が膨らみました。個々人で状況も心境も違うという前提はありますが、図星だと感じた人は怒り、それこそ冷静を保てないのではと心配にもなりました。
ある程度恵まれている環境にいるからこそ、いろいろなことを考えてしまうというのは、ギリシャで哲学が生まれた理由(暇だから不要不急無事を考えてしまう)ともつながるのかと感じました。この本のテーマはトランスジェンダーでしたが、多かれ少なかれ、人がものや地位など何かを欲しがる理由としては、周りの目が関わるものだと感じています。
もし無人島で生きていても、そのブランド品のカバンを欲しがったか、出世のための試験を受けたか、性別違和を感じたか、、、などと考えるきっかけとなりました。

特別な自分でいたい、なんて思わされる世の中はしんどいです。

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2025年08月28日

Posted by ブクログ

トランスジェンダーの急増について理解が深まった。
医療の問題、政治的な問題、宗教的な問題と複雑に絡み合って台頭してきたものだと理解した。
日本には強力な宗教信仰がないから、左翼の政治的材料になる程度だと思う。

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2025年05月20日

Posted by ブクログ

厚くて長い本なので、最初だけ読みました。後はパラパラと。

いわゆる、トランスジェンダーと言う概念が広がる中で、本来は医学的には性不一致ではない子供たちが、メンタルの状況によって、トランスジェンダーを自認して、テストステロン投与や、手術に踏み切ってしまうと言うことに、警鐘を鳴らす内容。

そうですね、個人的な、感覚的には、何かファッションの一環というか、考え方1つで、LGBTQになるみたいなところはあるような感じは持っていました。全く否定するわけでは無いですが。

とは言え、LGBTQコミュニティーからは、割と内容的に糾弾された物議を醸した作品だったようです。

LGBTQと言うラベルをつけなくても、まぁ何でも自由に自分が思った通りに生きればいいんじゃない、別に男と女どっちが好きだっていいんじゃない?と言う感じもしますが、結構医学的にシビアな手術とかをして、後遺症が残るような事は、そっちに何か追い込まれていくのは、あまり幸せじゃないなぁとも思いました。親御さんとしては、自分の娘が何かそんな風になっていってしまうのは、止めたいなぁって思う気持ちもわかりますわね。

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2025年02月24日

Posted by ブクログ

豊富な知識が載っていたので星4です。

自分をトランスジェンダーと思い込んだ少女たちについて書かれていました。が、結論を言わずに例をひたすら読者に与え続けて答えを誘導するスタイル、あまり心地良くはなかったです。
本当のトランスジェンダーの人についてはほとんど触れられず、非常に偏った考えの本だと思いました。この作者の書いた真逆の思想の本があれば読んでみたい。思想を中和したい。

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2024年11月29日

Posted by ブクログ

2020年に刊行された本書は、米英有力紙の書評で絶賛されベストセラーとなった。

米国では2010年代以降に10代の少女たちの間でトランスジェンダーとしてカミングアウトし、男性名への改名、性別・人称代名詞の変更、テストステロンの投与、乳房切除、甚だしくは陰茎形成手術などを行うケースが急増した。

書は当事者本人、母親、教師、医者、活動家、反対派、成人した経験者などに幅広く取材し、その背景を多面的に分析したもの。

発行後、活動家界隈からは激しい非難を受けたというが、内容は極めてバランスの取れた常識的なもので、翻訳版を角川書店が発行しようとした際にも爆破予告だかの脅迫を受け断念したらしいが、産経新聞が出してくれたおかげで本邦でも日本語訳を入手できることとなった。
活動家界隈は自分の主張は声高に唱えるが、他者の言論・思想の自由の侵害には何ら気を留めないという習性が、この一点にもよく現れている。

著者の結論は、第二次性徴を迎えた思春期の少女に特有の精神的不安定さにSNSのインフルエンサーや活動家がつけ込みカルト的に洗脳されているケースが大部分で、両親は娘の反感を買うことになっても断固としてインターネットから遮断するなど、影響を及ぼす媒体、環境から本人を切り離すべきというもの。

カミングアウトし、薬品投与までした子どもを長期旅行に連れ出すなとして周囲の影響を断ち切ったところ、生来の女性としての性自覚を取り戻した実例も複数あげ、活動家がいう思春期の性自覚は正しく、一生変わらないという主張を退けている。

リベラルな親は子どもを理解したいと思うあまりカミングアウトした我が子の気に障らないようにしようとするが、薬品投与、手術をしても本人の自己肯定感が上がることはまれで、むしろ生活の質が下がる悪循環に陥る。

思春期の自己認識が不安定なのは経験した者には自明だが、それだけを根拠に専門家としての客観的な診断を怠り、改名や薬品投与、手術などの後戻りの効かない身体侵襲をむしろ後押しする医学会、大学を含む教育界などのなんと無責任なことか。

本書で紹介された少女たちは時を経て親子関係や精神や生活の落ち着きを取り戻しているようだが、こういう悪夢のようなスパイラルに陥る少女たちがいなくなることを願ってやまない。





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2024年08月02日

Posted by ブクログ

多様性を標榜する某界隈からの執拗な抗議に屈して発行すら断念したKADOKAWAのお陰で、発売前から出版が待ち望まれ、強力な宣伝効果があったその本。

この本が「差別」だと言う方々が、LGBTQ活動の中心であると言うことが、答えだと思った。

どこが差別なのか、さっぱり理解できない。
どこを差別と言ってるのか、全く分からない。

いわゆるLGBTQは、昔からその個人の問題を抱えて来た人たちと、今大騒ぎしている活動家界隈と、この本が対象にしている思春期の女性と、全く問題が異なる。

そもそも、生まれながらの性とジェンダーが違うんだと、何十年も前から言い出して来たことが、ここに至る罠ではなかったのかとすら思う。

ヒトの性は、男性と女性しかない。
つか、その男性と女性を、極めて狭い定義に押し込めてるのはその多様性を謳っている方々やろうに。

ヒトの性は、生まれながらに決まるが、社会によって育っていく。

思春期がやばいと言うのは太古の昔から言われてるわけで、疾風怒濤とかなんとか言うわな。

大半の人は悩みながら、答えを見つけてきた。

なのに今は、それを逃げることができる。逃げることを推奨する。

自我が芽生えて来た子供が、色々悩むのは当然だが、今は、簡単に、安易に、知識だけが目に入る。経験も、思慮もなく、最初に見たものに飛びつく。そこで賞賛される。ああ私は間違ってないと思う。
否定されれば、頑なになる。

それを、そうだよ、君は間違ってないよ、こっちにおいでという。出て行ってはいけないよと言う。

カルト宗教と変わらん構造やんか。

判断力が無いうちに、取り込んでしまう。
いわんや、肉体的な施術や投薬で、気がついても帰れない状況に追い込んでしまう。

それを問題視している。
本当の「性同一障害」で悩む人を一言半句も否定していないし、活動家の「活動」自体にも、一言も言及していない(と記憶しているが)。

問題提起として、極めて良書だと思います。

それが困るんだろうが。

なんで困るんだろう。

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2024年07月31日

Posted by ブクログ

焚書、と煽られているが真っ当な一冊だと感じた。
米国で社会問題化している性的違和。
本作で描かれているのは米国が抱える病理そのものだ。
十代は社会的経験値が皆無だから精神的に不安定になりやすい。そこにつけいる熱狂的な一部の集団はまるでカルトそのものだし、そうした光景を「クールだ」としてSNSで拡散する様は歴史の中に時折現れるある勢力のよう。
ある集団を盲信するのではなく、疑うこと。そしてSNSやネットから離れて「自分なりの考え」を持つこと。強く持つこと。本作は今後の世界を語る上で重要な役割を担うかもしれない。

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2024年07月24日

Posted by ブクログ

2020年にアメリカで出版され、賛否両論の騒動を巻き起こした本の全訳版。当初はKADOKAWAから出版される予定だったが、発売前からタイトルや帯、内容を巡って批判が殺到し、謝罪と刊行中止に追い込まれた。それを引き継いだ産経新聞出版や書店に対しても脅迫が行われた。
21世紀に入ってから「自分はトランスジェンダーだ」と主張する思春期の少女が急増した(この時点でなにか異常な事態が起きていることがわかる)。本書は彼らや家族を中心にインタビューし考察した、まっとうなノンフィクションである。
インターネットやスマホの普及でどんな情報にも簡単にアクセスできる時代の功罪か。自由すぎるアメリカ社会にも問題がありそうだ。

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2024年06月24日

Posted by ブクログ

本書はアメリカで2020年に発刊され、ベストセラーになった本の翻訳版です。アメリカで十代の思春期の多数の少女たちが突然、性別違和を感じ、トランスジェンダーを志向する問題を知ることができたのはよかったと思います。本書を読むことでトランスジェンダーを志向する思春期のまだ他人から影響を受けやすい少女たちが性別移行のための処置を行うことの危険性が分かります。ただ、その対策として著者が著わした内容が実現可能なことなのかはちょっと疑問が残りました。巻末の解説も併せて読むと良いと思います。

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2024年05月25日

Posted by ブクログ

ある日突然、自身はトランスジェンダーだと主張する10代の女性が増えている。
そうした少女たちを取り巻く問題について、様々な証言を通して、取り上げている。

読んでいて、決して差別的な本でもないし、むしろ、公平な立場から、問題は問題であると主張している本だと感じた。
実際、10代の少女にとって、テストステロンやトップ手術などは身体に与える健康リスクも大きく、その決断が取り返しのつかないものとなりうることは確かだろう。
(原題の通りIRTEVERSIBLE DAMAGE となりうる)

権利を求める活動は別に悪いことばかりでもないだろうが、
それにより起きている医療的な問題を棚上げにして、それを問題として指摘する本書のような主張が迫害されるというのもおかしなことだと思う。

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2024年05月08日

Posted by ブクログ

トランスジエンダーとは何なのか?。著者の膨大な時間と取材により様々な実例を下に考察を深めて多くが少女であると言うことは非常に興味深い。そもそも性同一性障害が進んだものかと思っていたが、これはある種の洗脳なのではないかとさえ思う。トランスジェンダーは・・という前に、アメリカという大国の病というものを非常に強く感じた。教育現場、医療機関など親の知り得ない場所で侵食するイデオロギーは恐怖すら感じた。彼らの主義主張はイデオロギーなのか、金儲けなのか・・。少女達の手のひらに収まるデバイスの先に広がるインターネットの世界の様々な情報の犠牲者。思春期の多感な少女たちを食い物にするために巧妙に仕掛けられた、様々な情報や罠にどう立ち向かっていくか非常に悩まされる内容だ。人の成長の速度とコンピュータの進化のギャップが生んだ悲劇。それを金儲けネタにした仕掛けた人々。
手術にまで至った少女たちを思うと心が痛い。

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2024年05月01日

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ジェンダーについて関心があったのと、話題になったので読んでみた。
今アメリカで起こっていることを全く知らなかったため驚いたし、怖くなった。この本が出版取りやめになったままだったら、知ることがなかっただろう。日本だって他人事じゃない話。正直読んだとて、難しいことはわからないままだが、読んでよかった。

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2024年04月27日

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ネタバレ

女性が男性になる、というところが米国の特徴である。逆に、日本やアジアでは男性が女性になることのほうが多いように思われる。SNSを見せない。ということで対策を書いていたが、その原因がどれほどのものかを調べる必要があったであろう。LGBTQの人々からの反論が多いというのも、反論も掲載してくれると助かる。

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2025年05月22日

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私は昨今のトランスジェンダー問題に懐疑的である。トランス女性が女性スペースに侵略したり、スポーツの世界で女性の表彰を妨害することに反対である。
だからこそ、著者の思想自体には近いと言えるが、読んでみると著者自身もミソジニーを内包していたり、性愛至上主義的なところがあることが分かる。そこに注意を傾けながら読まなければならない。

今が辛い時、別の何かにさえなれば問題は解決すると錯覚しがちであるが、その考えは危険だ。特に思春期には。
非常に難しい問題だと感じたが、訳者あとがきに書かれていたように精神疾患・精神病界隈では医学的事実が時代によって二転三転する。(発達障害についての知見とか)なので、トランスジェンダー問題も現時点でその渦中にあるのかもしれない。(話はずれるが、性別違和が精神疾患扱いするのは差別的だという感覚自体障害者差別なのでは?治療すべきものか否かの違い?でも性別適応手術等何らかの手を加えるのなら疾患ではあるだろうに)

少女達が自分とは別の性になれば人生が改善されると考える理由の一つにこの世の中に蔓延るミソジニーがあると思う。だが、この本の著者自体もミソジニー的思想に支配されているまとめ方をしており、それがまた恐ろしかった。

以下、読みながらのメモや感想


性別違和はおおむね幼少期に発現する

性別移行を撤回 “ディジスター”
医療処置で外見を変更したのを元に戻そうとしている“ディトランジショナー”

男性になりたいわけではなく、女性でいたくない逃げ道。
ノンバイナリーも同じことが言えるのではないだろうか。

手っ取り早く解決しようとする時代特有の演出がある

思春期にない、性体験や恋愛経験がない人生経験の乏しさを、彼女たちは性に関する語彙やジェンダーイデオロギーで補っているとあるが、思春期に性体験や恋愛経験は必ずしも必要ではないだろう。
それがおかしなことだと考えるのは性行為至上主義、恋愛至上主義と変わらない。
それがないからおかしな方向に行くんだという考え方は改めた方が良いと思われる。

今のトランスジェンダー問題は、所謂思春期に一人称を「おれ」や「ぼく」にする女性らしさに支配されたくない女性(少女)の行く着く先なのではないだろうか。
彼女たちに必要なのは、彼女達の選択に舵を切る外的治療ではなくカウンセリングと向精神薬なのでは?

“生まれもった性に対して一般的と考えられない振る舞いや性的表現をする人”とは如何に?
フェミニズムが後退している。

ジェンダー・クリティカル

女性蔑視 父権社会 男性支配
精神障害差別

多くの少女達にとってこの選択はこの世に蔓延る女性蔑視と性の道具としてしか見られない男達への反発から来ているのかもしれない。だからこそ、肉体が男性のトランス女性に女性スペースが侵略されて更にフェミニズムが後退していることが皮肉でありおぞましく感じる。

アメリカも、日本も変わらないのだ。

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2025年01月21日

Posted by ブクログ

親戚の方が読めなかったとのことでいただいた本。
確かに難しいし日本人には理解しきれない部分はあるのだけれど、現実を知るには十分だと思う。
トランスジェンダーだけでなく、ジェンダーマイノリティ(という言葉が適切かはわからないが)についてもっと理解を深めなければと思った。

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2024年11月28日

Posted by ブクログ

 時は2010年代。トランスジェンダー、性自認が肉体の性と異なる感覚を抱いていると主張する人が、特に欧米の、未成年の少女の間で急増していることがわかった。理解が広まった結果なのであれば喜ばしいことだが、調査を始めると、全く別の、社会全体に関わる重大な問題が顕になってきた――。
 少女たちが自ら望む "Irreversible Damage――回復不能な損害" とは。
 本書を短絡的にジェンダー/トランスジェンダーの問題に分類すれば、必ず問題の本質を読み誤る!
 少女たちの "流行" の実態を明らかにし、ジェンダー思想と性自認の実情、思想と彼女たちを政治的に利用する人々、そして副次的に "キャンセル・カルチャー" の問題まで社会に突きつけた衝撃のルポルタージュ。

 本書で示された問題が解決したとしても、内面にある真の問題を解決しない限りは、似たようなことはこれからも、何度も起きるのでしょう。第二次性徴期/思春期を迎えた子と親に読んでほしい。
 なお、原著の刊行は2020年で、作中で紹介された問題や課題、用語を英語で検索すると、2024年現在、ディトランジショナー(性別移行のプロセスを中断したり元々のジェンダーに再移行した人)らが性急な性別移行の危険性を訴えたり、WHO(世界保健機関)がケアの対象を成人に限定することを求める見解を発表したりするなど、行き過ぎたトランスジェンダー称賛に対して社会全体で揺り戻しが進んでいることを確認できる。

"トランスジェンダー/Transgender"
"ディジスター/Desister"
"ディトランジショナー/Detransitioner"

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2024年04月27日

匿名

ヘイターにしか評価されない本

産経がまともな本を出版するはずがないといえばそれまでですが、これを読む時間とお金があり、本当にトランスジェンダーについて理解したいと考えているのなら、高井ゆと里/周司あきら両氏の『トランスジェンダー入門』(集英社新書)のような良書があるので、そちらをお薦めします。
帯でわざわざ「ヘイトではありません」などと言い訳していますが、既に原書に当たった方々から問題点は指摘されていますし、X(Twitter)でトランス差別を行っている人々がこぞって擁護している時点で推して知るべし。貴重なお金と時間を無駄にするのはやめましょう。

#怖い #ドロドロ

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2024年04月29日

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