結局言いたいことは、「他人をおもいやろう」なんだと思うけどそこに行きつくまでのアプローチがおもいろい。
箱の中と外にいる状態は、単に行動に表れるものじゃなくってもっと深いところでの問題。人を物として捉えるのではなく、自分と同じ感情のある人間として捉える。
自分の感情に背いたとき人は箱に入り、自己欺瞞を行う。この状態では他人の欠点をおおげさにあげつらい、自分の長所を過大評価する。問題は相手にあるのだと思い、相手の非を責める。
箱に入っている状態でテクニックや行動で箱の外にでることは不可能。箱の外側にあるものへの抵抗をやめた瞬間、変わり始めることができる。箱の外に留まり続けるには、箱の外に出ているときに、自分が他人に対してなすべきだと感じる感覚を尊重することである。
家族との関係も職場の人間関係も基本的には一緒で、問題は自分が原因で発生している。自分が箱の外にでることができたら、他人にもいい影響を与えることができる。
最後は一種のリーダー論として締めくくられてるけど、日常生活の些細な場面で応用できると思った。でも他人を責めて自分の非を認めないのって楽だからね。結局今の現状は変えられないけど、どう捉えるかは気持ち次第なんだろな。
最後の知ったことに即して生きることのまとめの、
・完璧であろうと思うな、よりよくなろうと思え。
・自分が他の人に力を貸せているかどうかに気をつけろ
っていう考えは生きていくうえで心を軽くする。他人が自分にどのように働いてくれるかを不安に感じているより、他人のためによりよい人間でありたいと思いながら行動するほうが主体的で、自分からアクション起こすことでくよくよしてる暇さえなくなっていくと思う。
ここまで書いて、さて自分は?と顧みてみると、やっぱりまだまだ他の人を思いやることができてないなー。自己を正当化することで逃げている場面が思い返される。
心の片隅に留めておこうと純粋に思える本だった。