堀内静子のレビュー一覧

  • ABC殺人事件

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    ネタバレ

    ヘイスティングズが登場してくれると軽やかにページをめくることができてありがたい。
    途中の雲行きを思うと、邪悪としか言いようがない真犯人判明にかえってほっとしている。
    被害者連合の人間模様とか、直接的に関わらないところでドキドキさせてくれるのも毎度ながら楽しい。

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    2025年11月29日
  • ABC殺人事件

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    ネタバレ

    事件の犯人像が内部的でなく外部的になるだけでこんなにも難解になり、犯人の姿や動機についてもずっと雲をつかむような所ばかりで、作中のヘイスティングズ同様ひたすらやきもきしてました。
    だからこそ「ストッキング」がでてきた時の興奮具合は半端なく、ラストで遂に真犯人の名がポアロから明かされた瞬間のはっと息をのむ感じと胸の高鳴りが最高でした。
    ポアロの「干し草の山には針がある」という言葉がよく沁みた事件だった。

    犯人の恐ろしさが郡を抜いて怖かったです。
    トリックの為に容易く無関係な人達を巻き込み、人生を壊していく非道さも、なによりポアロに真相を見破られ負けを確信した瞬間、躊躇い無く自身の頭を撃ち抜こう

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    2025年11月20日
  • ABC殺人事件

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    ネタバレ

    ABCの頭文字の入っている人が、その頭文字で始まる地名で順番通りに殺害される。ポアロへの挑戦状のような手紙も送られていて、狂気の人の犯行として捜査は始まる。

    殆どはヘイスティングスの語り口調なのだが、ヘイスティングスの知らぬところで犯人らしき人物の怪しい動きが書かれていて、ポアロシリーズではあまり見かけないし、全く繋がりの無さそうな人の連続殺人というのもシリーズではめずらしい。

    この中でポアロが犯人に対して最も怒りをあらわにしたのは、殺人そのものではなく、その犯行を無実の、精神的弱者のやったことにしようとしたこと。
    作品の中盤でも、それでも無実の人間が疑われるよりは進展が無い方がまだまし、

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    2025年11月13日
  • ABC殺人事件

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    ずっと読みたかった作品!やっと読めた!
    90年前に発売されたとは思えないくらい読み応えがある作品だった。

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    2025年10月18日
  • ABC殺人事件

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    ネタバレ

    予想にしてなかった犯人でけっこう驚いた!
    事件と会話のテンポが良くて面白かった。1つの事件を隠すためには複数の事件の中に埋めてしまえばいい。賢すぎる。でもそのために殺された被害者や犯人の身代わりにされそうになったカストが可哀想すぎる。カストほんとに疑い晴れてよかった。
    これがミステリーにおけるミッシングリンクの原点ね。勉強になりました。

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    2025年10月01日
  • ABC殺人事件

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    スタイルズ荘の怪事件、そして誰もいなくなったに続いてアガサ・クリスティ3作目
    今のところ1番面白かった!テンポが良くて読みやすい。

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    2025年09月10日
  • ABC殺人事件

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    『ABC殺人事件』、タイトルから想像していたのと全然違う方向に展開して、犯人像に衝撃を受けた。クリスティの意外性はやっぱりすごい。

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    2025年08月27日
  • ABC殺人事件

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    ネタバレ

    ヘイスティングズが語り部でない部分が出たのは新鮮。一見無関係に見える被害者同士を結びつける隠れた共通項を探していくものを『ミッシング・リンク・テーマ(くさりの中の1つ)』というらしいが、それを主軸としながらも第三者の視点を入れるというアガサクリスティのオリジナリティが出た作品のよう。
    その第三者があまりにも犯人のようで、物語も終盤まで彼が犯人だというていで動いていくから疑いようがなかったが、最終的にはやはり『被害者の死に対して誰が得をするか』が大切なのを思い知らされた。しかし、本当に殺したい相手を『ABC』のなかに紛れ込ませると、さすがに気付きにくい…。してやられた感。兄の財産も手にするのはも

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    2025年10月11日
  • ABC殺人事件

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    アガサ・クリスティーは前々から読みたかった小説。ただ翻訳本は読みにくいという先入観があってなかなか手が出せなかった。しかし、登場人物や都市名の混乱もさほどなく楽しめた。最後まで真相がわからない、伏線回収のストーリーにワクワクさせられた。

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    2025年08月06日
  • ABC殺人事件

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    ネタバレ

    言わずと知れた古典ミステリの傑作の1つ。100年近くも前の作品なので、さすがに時代設定や犯人の動機などに現代の感覚と乖離したところはあるものの、 犯人を早くに提示して動機を探る ”Why Done It?” 系の作品だと思わせて終盤ひっくり返すあたり、色褪せない技巧を感じる。
    米澤先生の古典部シリーズの『クドリャフカの順番』がこの作品をオマージュしていて、原典がずっと気になっていたのでついに読めてよかった。今の倫理観で言うと「目的のためにこの犯人は殺し過ぎる」と思うし、主人公のポアロ含め殺人の扱いが軽いようにも思うが、古典って大抵そうかもしれない。

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    2025年06月21日
  • ABC殺人事件

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    ネタバレ

    昔NHKで見たクリスティーのアニメ作品の記憶を消せたらなぁ…とつくづく思った今作。
    未読だったので読んでみたけれど、内容を知らなかったらクリスティーの鮮やかな騙しの手口にこれでもかと唸らされていたことだろう。
    途中ポアロがヘイスティングズに対して「シャーロック・ホームズ風の推理を聞きたがっている!」とからかう場面があるのだけれど、ポアロもといクリスティーの良さは人の心理、人格を照らし合わせて、思い描く犯人像と矛盾しないかを物語の鍵としている点だと思う。
    ネタバレ回避が難しいので説明が雑になってしまうけど、もし未読の方は是非に。

    ただ、登場人物が多くて人名やら土地名でちょっと混乱しやすい点では

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    2025年06月18日
  • ABC殺人事件

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    ネタバレ

    読みやすい文体で最初からサクサク読める作品。
    最後の語りでトリックを暴いていくが、細かい設定まで覚えておらず謎解きを楽しみきれなかった感がある。

    次のアガサ作品は自分でも解き明かせないか考えつつ読むとよりポアロの面白さを享受できそう。

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    2025年05月15日
  • ABC殺人事件

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    1936年の作品。
    ポワロシリーズ長編11作目。

    ポアロの元にABCと名乗る人物から犯行予告の書かれた挑戦状が届く。
    その挑戦状の通り、Aで始まる街「アンドーバー」で、「アッシャー」という老女が殺される事件が起こる。現場には「ABC鉄道案内」が落ちていた。
    さらに続いて犯行予告が届き、予告の通りにBで始まるベクスヒルでベティという娘が殺され、Cで始まるカーマイケルクラーク卿がチャーストンで殺された。事件が新聞で報道され、イギリス中を騒がせるニュースとなる中第4の事件が起きる。
    Dがつく街ドンカスターの映画館で、Dの人物と間違えてEのつく名前の人物が殺され、ついに犯人と思われる人物が現れるが…

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    2025年03月18日
  • ABC殺人事件

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    書いてあることをすごいそのまま真っ直ぐ読んでたから、犯人が全然思いもしないところでびっくりした。
    あと海外の地理に疎すぎてちょっと混乱したりもしたし、登場人物多くて覚えるの大変だったし、たぶん皮肉なんだろうな……ってところの意味がわからないところもちょくちょくあったけど、基本的にさっと読めて面白かった。
    ヘイスティングスとポアロは仲良いんだよね……きっとね……よくわかんなかったけど……。

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    2025年03月02日
  • ABC殺人事件

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    コナンでよく見かける名前が多く出てきた。まあそれはおいといて、伏線回収や論理構造が丁寧に書かれていて少し複雑だったが、面白かった。

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    2025年02月24日
  • ABC殺人事件

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    七里センセのバイブルを読破することにしました。中山七里の『超合理的!ミステリーの書き方』に挙げられている本です。大人買いして、まずはこれを。

    かつて本作を読んだかどうかも覚えていませんが、私が海外ミステリーを面白いと思ったきっかけは、間違いなくアガサ・クリスティ。子どもの頃、父の書棚に『そして誰もいなくなった』があるのを見つけて初めて読んだとき、衝撃を受けてその後何度も読んだのを思い出します。

    本作は今から90年前に発表された作品だというのに少しも色褪せていない。訳のわからない犯罪が多い時代になって、動機も意味不明のことが増えたけれど、やっぱり「動機」。

    七里センセのバイブルを1冊ずつ読

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    2025年02月02日
  • ABC殺人事件

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    古典的な名作、連続殺人の中で犯人像を照らし合わせながら真犯人を見つけていく。新装版では人物一覧のところに何番目の被害者なのか、誰と繋がりがあるのかが書いており、そう言った意味でもわかりやすく楽しむことができる。どうしてポアロに挑戦状を出す必要があったのか、ここがすっきりとしたとき事件の流れがとても整理された。伏線の回収と書きたいテーマの一貫性がとても素晴らしい。

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    2025年01月25日
  • 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 上

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    『アルジャーノンに花束を』が良かったので。

    私のビリー・ミリガンに関する知識は、多重人格の犯罪者、といったものだった。実際読むまではその”犯罪”は殺人だと思っていた(なぜだ)。
    多重人格という題材はある意味アイキャッチーで、興味本位で書かれたものには食指が働かず、よって本書にも手が伸びなかった。
    ノンフィクションというのもためらった理由の一つだったのだが(現実は救いがないからだ)、本書はまるで小説のようだった。

    一気に読んだ。

    まずはダニエル・キイスは誠実に描こうとしており、私の勝手な先入観とは全く異なり、決して興味本位の本ではなかった。
    執筆のきっかけはビリー本人によるものであり、ビリ

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    2023年07月05日
  • 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 下

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    ネタバレ

    辛い現実を前に、人格を分散させることによって心を保ち、命を守る。そんなこともある人間の精神や脳の不思議。一人ひとりの人格はビリーが生み出したもののはずなのに、統合されていくと一部の人格だけしか表れなかったりする。

    じゃあ、本当のビリーって??

    そんな問いは、場面によって顔を使い分けることにも重なるようで。友人と過ごす自分、家族と過ごす自分、恋人と過ごす自分、一人で過ごす自分。どれも現実で本物なのに、本当の自分に悩んだりする。もしも、これらが統合されて一つの顔しか持てないのなら、どの自分が残るんだろうか、なんて。

    ー現実の世界を閉めだすことによって、ぼくたちは自分たちの世界で平和に暮らせま

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    2022年05月05日
  • 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 上

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    自分の心を守るために、人はいろいろな反応をする。多重人格もその反応の一つ。

    空想の人格なのだけど、その一人一人が「人格」と言われるのを嫌うように、それぞれに過去があり個性のある別の人のように思う。実際にどこまで表情や仕草、口調が変わるのかは分からないけれど、訛りはなかなか真似できるものじゃないだろうし、どこで彼はそういったものを習得して一人一人を生み出していったのかと興味がわく。それを23人分も。
    そうまでして守られる、人の心の不思議。

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    2022年04月04日