堀内静子のレビュー一覧
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ネタバレ辛い現実を前に、人格を分散させることによって心を保ち、命を守る。そんなこともある人間の精神や脳の不思議。一人ひとりの人格はビリーが生み出したもののはずなのに、統合されていくと一部の人格だけしか表れなかったりする。
じゃあ、本当のビリーって??
そんな問いは、場面によって顔を使い分けることにも重なるようで。友人と過ごす自分、家族と過ごす自分、恋人と過ごす自分、一人で過ごす自分。どれも現実で本物なのに、本当の自分に悩んだりする。もしも、これらが統合されて一つの顔しか持てないのなら、どの自分が残るんだろうか、なんて。
ー現実の世界を閉めだすことによって、ぼくたちは自分たちの世界で平和に暮らせます。
ぼくたちは、苦痛のない世界は感情のない世界だと知っています……でも、感情のない世界は、苦痛のない世界なんです。
ビリーの中の子どもの人格を見るたびに切なくなる。犯罪者の人権問題も考える。 -
購入済み
面白かった
犯人も動機も意外ではないけど、
謎解きされると
そういうことだったのかと
目から鱗が落ちる。
それにしてもミステリーの犯人は
必ず余計なことをしてしまうものです。
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Posted by ブクログ
ネタバレ新品で上下巻揃えて買っていたのに途中まで読んで積読していた本作。久しぶりにISOLAを読んだのをきっかけに、数年の時を経てまた読み始めた。
感想は下巻の方にまとめるとして、
とりあえず、翻訳された本にしては格段に読みやすかった!
きっとダニエル・キイスの文章も読みやすいものなんだろうし、翻訳者の方も優秀なんだろうなぁ。
時間を奪われている、気づくと違う場所にいる、という表現でファイトクラブを思い出した。
多くの作品に影響を及ぼしているはずなので、これはしっかり読まなくては…。
それにしても映画はいつやるんだろうな〜。スプリットのマカヴォイの演技がすごかったのでレオ様にも期待しちゃいます。
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Posted by ブクログ
ネタバレアルジャーノンに花束をの作者ダニエル•キースによる実際に存在したビリー•ミリガン氏について書かれたドキュメンタリー小説。
この小説は上・下の2巻構成であり、上巻は主にミリガンにいる人格の解明と人格が分裂するに至った経緯が書かれている。下巻は前半に事件が起きるまでのミリガンの半生、後半にミリガンを刑務所に入れないようにするために世間のバッシングと戦ったミリガンと医者たちの奮闘が書かれている。
この物語はアメリカで起きた3件の婦女暴行事件の犯人であるビリー•ミリガンが捕まったところから始まる。
逮捕され勾留されたミリガンは様子がおかしかった。子供のように怯えていたかと思えば、あるときは知的なイギリス訛りで話し、またあるときは荒々しいスラヴ訛りで話したり、拘束衣から簡単に抜け出したりと。
ミリガンの公選弁護人や心理学者が彼を調べると多重人格であり人格それぞれが技能を身に付けていたことが分かった。
例えば、リーダー的人格のアーサーはIQが高く医学に詳しい。危険な場所での支配権を持つレイゲンはアドレナリンをコントロールし力を最大限に出すことが出来、アレンは口が達者など。
一見、とても便利なフィクションの世界の話のように思えるが、この話は現実でミリガンにとっては幼少期に義父から受けた性的虐待によって自我が保てなくなり分裂したという悲惨な過去から多重人格に苦しめられる人生が始まり、決して羨む特殊能力などではない。
また、この小説は世の中に多重人格という症状を広め、児童虐待の危険性を世に訴えたもので、少しでも精神や多重人格に興味のある方には是非おすすめしたい。
個人的にも多重人格という特殊な病気の方の苦悩を知ることができてとても興味深かった。
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これが実話であり、他にも精神分裂病苦しんている人々がいることは真実であると考える他ない。
幼少の頃の虐待によることが要因であるならばこのような事象を広く世間に認知され、虐待のない世の中になることを願う。虐待する側も病んでいるのだろうし、病が伝染すると考えさせられる。
ビリーの場合、主人格を乗っ取る交代人格による性犯罪で窮地に陥るが、その犯罪履歴を持つものが身近にいるのは確かに恐ろしいし、隔離しておくべきとの主張もよくわかるので難しい問題である。
その犯罪、フィリップが主犯であろうが、レイゲンの暴走による所が大きいと感じた。
多国語を読み書きできる人格がいるのも驚き。自分の脳にも強いきっかけがほしいものである。
上巻では多重人格というものに憧れすら覚えたが、下巻の悲惨な状況に閉口。多重人格という病気が正しく認知され、治療法が確立されることを願う。 -
Posted by ブクログ
多重人格は言葉では知りながらもここまで明確に1つの肉体に共存出来るとは知らず、これがノンフィクションである事に驚く。人格同士は話し合い、スポットとして表の世界に立つ人格と、待機する人格。お互いに存在を認識しなければ確かに生活に支障があるが、ある意味便利な1面を持つ状況、これは娯楽読み物としてと秀逸な設定と感じる。
子どもの頃の悲惨な体験がその人格を形成したのは明確だが、誰もが多少なりともあり得ることで、一般的にも多重人格者が多く存在しているのでは、と考えさせられる。
レイゲンが他に共存する子どもの人格者を守るとか、いかしてる。人格によっては色弱だったり利き手が違ったりなのが不思議で、脳が担う身体の特徴が思いもよらず広いことを思う。
以前読んだ百田尚樹の小説が本作の引用だと今更ながら気がつく。 -
Posted by ブクログ
24人もの人間をビリーとして人格を統合していくことの、なんと難しいことか。
イギリスアクセントの英語、ボストン訛り、オーストラリアの英語、セルボ・クロアチア語を読み、物理・科学・医学・電気・武器に詳しく、絵など‥多才の才能をもち合わせ、それがバラバラの人間の中では発揮できても、統合していくにつれて、その能力が薄められていく不思議さ。
自分の知らない自分を引き出す、俳優・女優のような職業もある様に、本当の自分を分かっていないのかも知れない。
行った事のない、住んだことのない地域の言語まで習得できてしまったその能力とは、心の傷とは裏腹に、その異常にまで発達したその能力に、現代だったら、また違った評価が出てきたのだろうと思う。 -
Posted by ブクログ
以前「24人のビリー・ミリガン」が家にあったので読んだことがある。これはその続編にあたるらしい。
というか、ビリー・ミリガン自体が実在の人物だからこれは彼のその後だけれど。
前回の「24人のビリー・ミリガン」では最後に比較的環境のいい精神病院に入院して話が終わっていた(と思う)。ビリーはその後、ライマという評判の悪い精神病院に移送させられた…というところから話が始まる。
ビリー・ミリガンという人は色んな番組でドキュメンタリーが流されたりしたので、知っている人も多いかもしれない。彼は本当にタイトル通りに、心の中に24人の人格がいる。彼本人も合わせたら25人だけど、彼は自殺する可能性があるとして大概他の人格に眠らされている。
ライマでの生活は本当に屈辱的かつ暴力的で、介護人は好き勝手に暴力をふるい、強制的に精神薬を飲ませてくる。
おかげでせっかく統合に向かっていたビリーの人格は再び混乱し、それぞれが好き勝手し始め…
私はてっきり前作で終わりだと思っていたので、続きがあるのに驚き。
これが過去の物語ってことは、彼は今どうしてるんだろう…とりあえず下巻を読み終わるまでは調べないでおこうっと。
個人的には「アレン」と「トミー」の人格がすごく身近に感じます。
というか、「人格」だけどちゃんと髪の毛の色や目の色、年齢や癖まで決まってるんだなあ…今更だけど、心というものの複雑さに驚きです。