木村誠のレビュー一覧
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ネタバレ受験本。
といっても、勉強法とかではなく、副題にもある通り、将来の大学入試の新課程について、大学別や学部別の展望について書かれています。
ちょうど、今、中学3年生~高校1年生が大学入試の頃に関わってくる話であり、自分の時とは本当に違うんだなぁ~としみじみ感じたたともに、自分の経験だけで、子供に対して助言することのリスクを感じることができ、とても良かった。
高校受験を控えている親御さんが、本書を手に取る気にはならないかもしれないが、まさに、その高校でええんか?ということを考えるきっかけになると思うので、おススメ(すんごい限定されてるけど)。
学歴社会と言われて久しく、一方、学歴そのものが、本人の -
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昨今の大学にまつわる様々なデータや特色ある大学の取り組みの事例が分かりやすく紹介されていただけでなく、図表を見る上での留意点がしっかり強調されており、紳士的な印象を持ちました。
また、地方の活性化のためには、地方大学の役割が重要であるという主旨の主張が本書では繰り返し強調されておりますが、それに対して激しく同意します。
財政に余裕がないと言われていますが、少子化で若年層が少なくなっている昨今だからこそ、東京一極集中ではなく日本全体の底上げを図るためにも教育予算の増額を切に願います。
今でも有名大学のテレビへの露出が多いですが、この本にも書かれてあるように特色ある取り組みに力を入れている地方大学 -
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大学を取り巻く環境、文科省(財務省)手動で行われる一連の大学改革とその問題点、地方国立大学のなかで広島大学に特にフォーカスして、その取り組みが概説される。
本書でも述べられているが、国立大学といえも、旧態依然としてはいられないし、日本なり、地方の活性のために求められる役割は大きい。文科省(財務省)の国民へのアリバイ作りの種々の改革には納得しがたいものも多くあるが、社会が変容していくなかで、大学も改革していかなければならない。大学が社会のために活躍できる場面はたくさんあるはずだ。大学で働くうえで、知っておきたいことや、ヒントとして広島大学の取り組みが本書にはたくさん述べられていた。
お役所的であ -
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大学はやばいやばいって言ってるだけで、じゃあどうすればいいの?はあんまり書かれていない印象。大学関係者向けに警鐘を鳴らす本ということでしょうか。
まだだいぶ先だけど、子供の進学どうする?を考えるきっかけにしようと思ったけど、潰れる大学は潰れていくし、奨学金返済に困らないようにしないといけないし、とりあえずポスドクにはならないようにしないといけないってのくらいか。
情報開示がもっとされるようになると、大学の優劣ははっきり分かるようになるということなので、厳しく見ていきたいと思います。現時点では、就職実績や、講義内容が一方的でなくアクティブラーニングしているかどうかなどが判断基準になるそうです。
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著者は書く「文部科学省や財務省の「大罪」を明らかにしたつもりだ」と。研究費と研究時間の確保に疲弊し、ポスドクや非常勤講師として有為な研究者を使い捨てにし、奨学金という名の借金で卒業後の学生を追い詰める。それらすべてが、大学から活力を奪い、研究は先細っていく。研究の成果は出ず、国際競争力は失われていき、そして大学は崩壊する。
財務省と文科省の政策全部が大学を崩壊させていく、その過程を追う。教育は国家百年の大計というけれど、大学の崩壊はつまりこの国の崩壊にきっと繋がる。財務省と文科省の罪は大きい。
しかしこれは、解がない問いではない。著者はいくつかについて他国の事例などを引いて、すでに見本 -
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本書の「主要私立大学サバイバル度ランキング」で,福岡大学は全国9位にランクされています.まあ,確かに学生数,蔵書数,校舎面積等,どれをとっても九州エリアではトップクラスですし,財務体質もよいようですから,生き残る確率は極めて高いだろうと思います.あとは,どこまで教育・研究の質の高さを求められるか,といったところでしょうか?
ところで,この著者の大学に対する分析力が気にならなかった訳ではありません.ユニークな試みをすればよい,というものでもないような気がします.著者の分析の観点はそれだけではないかも知れませんが,本当によい教育,よい研究というのは,一見地味に見える事柄の中にこそ潜んでいるのでは -