木村誠のレビュー一覧
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タイトルは新書にありがちな派手なものになっていて大学の「大崩壊」の様子が示されているとは言えないと思いますが、日本の大学を取り巻く現状を把握するのには便利な一冊です。著者は研究者と言うわけではなさそうなのでしっかりと分析しているわけではないし、なされる主張も主観的なものが多いような感じもしますが、現場にいる人間にとっても、今何が起きているのか理解し、どう対応するべきか対策を考えるための情報源として役立つかな、と思います。文科省、その背後にある財務省、産業界の意向に振り回され、どのようにじわりじわりと国立大学の崩壊が進んでいるのかは良く分かります。ではそうすれば良いか、小手先の対応で何とかなるの
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"明治→三年連続志願者トップ。同日に共通試験問題で複数学部受験可能(全学部統一試験)・地方会場設置。リバティータワーによる都心イメージ。各種広告多く広報力には定評。
GP(Good Practice)などの外部資金獲得にも強化。国が大学間にも競争が必要として、大学が申請した取り組みを審査して採択されれば資金を拠出するといった仕掛け。GPはその一つ。
競争的資金を使って教育研究活動を充実できるだけでなく、GP獲得は公的に認めれた大学の教育力として広報の大きなポイントとなる。
立教→職員から全学共通カリキュラムについて新科目を提案・コーディネートし、教員に依頼する。国公私立共に例はあ -
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ネタバレ<目次>
はじめに
第1章 「質か量か?」を迫られる有名私大、あがく地方私大
第2章 研究費確保に疲弊する国立大学
第3章 使い捨てのポスドク、非常勤講師
第4章 奨学金返済問題という時限爆弾
第5章 「グローバル化」の実態は留学生頼み
第6章 1校しか認可されなかった専門職大学
第7章 情報公開で明らかになる不都合な真実
<内容>
相変わらずタイトルは大袈裟。まあ、今回は大学を取り巻く様々な真実がちりばめられている。しっかりと読み解けばいい。特に第7章の「情報公開」は、実質倍率、入学率、就職率、国家試験合格率などを載せてくるだろうから要チェックだ。第6章の「専門職大学」も認可 -
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ネタバレ本書の印象は、大学をテーマにしたジャーナリスティックな手法・内容だということだ。時勢に乗りつつ、各大学の現状や様々な取組みを広く浅く紹介した内容だ。都道府県別の大学進学率、主要大学を対象にした定員超過・定員拡大申請の状況、センター試験利用率、科研費採択件数と採択額、志願者数の変化等多岐にわたるデータが紹介されているが、表面的に紹介するだけで、深く切り込んだ分析はない。政治的、教育的あるいは学校運営的観点から、どのような問題点が孕んでおり、どのように現状を改善すべきなのかといった、建設的で未来志向的な提言もない。そんな本書が取り上げる話題の中で、印象に残った点について私見を述べたい。
●防衛省 -
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<目次>
序章 なぜ「大学大倒産時代」なのか
第1章 データで読み解く大学教育の現状
第2章 志願者を囲い込む有名私大~早慶上智とMARCH, そして関関同立の分かれ道
第3章 明暗を分ける都会派中堅私大~成成明国武、日
東駒専、大東亜帝国、産近甲龍の「崖っぷち」
第4章 活路を切り開くローカル中規模大学
第5章 有力国立大学も格差が拡大
第6章 冬の時代の地方国立大学のチャレンジ
第7章 不要論まででた女子大はそう生き残るか
<内容>
前作『消える大学、生き残る大学』もそうだったが、倒産する大学の具体名が出てこない(前作は消える大学名がなかった)。この本で紹 -
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6月5日、文部科学省から「大学改革実行プラン」が出された。これまでのように将来の大学のあるべき姿を示すぼんやりしたものではなく、いついつまでにどうこうするという改革行程が示されたものとして画期的なものであろう。しかし、中身を読むとかなり問題を含む内容でもある。
たとえば、私学助成の改善充実を図るとうたわれた部分では、教学上の問題があるとされた私学に対して組織廃止命令を出したり、経営改善の見込みがないと判断された私学に大して解散命令を出したりするとしている点がある。つまり、国が教学上問題あると判断すれば、私学を解散させることができるということになるわけだから、国の意に染まない私学を恣意的につぶ