藤田貴美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレグラスハート、完結編。
高校生の頃、このシリーズの一作目が出版されたような記憶がある。
若木未生の作品の中で一番好きなシリーズ。
それから10年以上が経過して、グラスハートが完結したことを知った。
読み始めて、ああ、藤谷先生だ、高岡尚だ、坂本くんだ、朱音ちゃんだと嬉しくなった。
完結編の手前の巻で、結構まぁ泥沼だったよな、とか思い出しつつページを繰る。
テンブランクが解散――じゃなくて、休止か。
休止というのは、ショックだった。
自分が、このバンドのことが好きだったんだと再認識する。
そういえば、このシリーズをコバルトで読んでいるとき、実際にCDが聴きたいな、と思っていたっけ。
色恋より音楽が大事な人たち。
坂本くんが朱音ちゃんに、「バンドとしていいことだったから、藤谷さんの気持ちを知っても、喧嘩せずに無視してた」というようなことを言うシーンが好き。
最初のころ、坂本くんのことをカッコイイなんてこれっぽっちも思ってなかったのに、ずいぶんカッコよくなったなぁと思った。
一番成長したのは、坂本くんではないだろうか。
プロポーズも直球だし。
藤谷先生は安心の藤谷先生っぷり。
この人は、なんだろう。孤独だったんだ、本当に孤独だったんだなぁと思った。
可愛そうだと思った。淋しい人。
だけど、とてつもなく天才な人。
ラストシーン。野外フェスのステージ時間ギリギリに現れてから、ステージに上ってMC。
ああああ、テンブランクだ!と思った。やっぱり先生がいなくちゃダメなんだ。
うるさくって、心臓掴まれるような凶悪な音。想像するだけで血が騒ぐ気持ちが、不意に蘇る。
やっぱりこのバンドのこと、大好きだ。
尚は、間違いなく、テンブランクの大人です。
こんな人になりたい、と、そう思います。
でも、解散間際にギターをぶっ壊してるシーンは痛かった。
さらりとしたフォローが好き。
最初のころ、色々と朱音ちゃんを構うシーンが好きだったな。
それから、プロ根性なところも大好き。
朱音ちゃんは、みんなのエネルギーでしょう。
先生が、朱音ちゃんのことを、とてつもない才能持ってるんだから、と言い切っているシーンで、ああそうなんだよなって気づいた。
天才やら、才能あふれる人たちの中にいるけど、朱音ちゃんもとてつもない才能の持ち主なんだ。
それを先生が言葉で認めたということが印象的だった。
ソロアルバム、聞いてみたいな。
完結させてくれてありがとう、と心から思いました…! -
Posted by ブクログ
若木未生さんは、私は、彼女の代表作の「ハイスクールオーラバスターシリーズ」が苦手で、作品の人気がピークだった頃もどうしても馴染めなくって、「この作家さんとは、私、相性が悪いのかな」と思っていたのです。
その後、この「グラスハートシリーズ」がコバルトに連載され、たまたま読んでみたら、これなら私にも、おもしろさがわかる! となりまして、作品が中断するまで、文庫も全部も買って、お話の続きが書かれることを心のどこかでずっと待っていたのでした。
テンブランク、本当に十年の空白(テンブランク)だったよ。というくらい待たされた気がします。
テンブランクとは、作中での主人公たちのバンドの名前です。
天才音楽家と面倒みのいい美形ギタリスト、繊細な音楽オタク少年、熱血ドラム少女の四人がメンバーで、彼らは音楽と情熱を武器に、世間や業界にたちむかっていきます。
音楽家が多いせいか、登場人物たちが誰も彼もやたら繊細で、結果としていろいろしちメンドくさくて、読んでて多少しんどくなりますが、そこがこの作品のおもしろさですよね。
誰もが持っていたはずなのに、いつしかなくしてしまったガラス細工の繊細な心、グラスハートをなくさずにどこまでも純粋に音楽する主人公たち。
私のような、ちょっとトシをとってしまった人たちに、若い頃の気持ちを思い出させるお話として、オススメします。 -
Posted by ブクログ
コバルトで書かれていた頃、リアルタイムに読んでました。やっぱり面白い。昔は、音楽に対する純粋さにあこがれて読んでいたけれど、大人になった今は"その場で響く音"だけではどうにもならない人間の複雑な感情の方にいっそうの面白みを感じます。
あの頃の自分には、繊細すぎて複雑すぎて読み取れなかったことが、今の自分が読み返してみたら少しは読み取れるようになってました。この本の表現は、言葉はまっすぐなのにどこか回りくどくて、センシティブな印象。でも、本当の人の感情ってそういう曖昧なものなのかも。
昔から思ってはいましたが、この人の書く文章ってコバルトで出すには繊細で複雑すぎるなぁ…と今になってもやっぱり思いました(笑