▼Comment
本書の考え方を軸に沿えれば、日々気にしていた雑多なことも気にならなくなり、目の前の本当に大切なことに集中できるようになると思う。
「心を前と後ろに分ける」、「人生は“ 五つの妨げ”を引いてなんぼ」の話が特に好きだ。
▼Memo------------------------
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・①悩みがある⇒②悩みには理由がある⇒③悩みには解決策がある、これを理解する
・ブッダの考え方の特色は、「人生には悩み・問題がつきものなのだ」という現実を最初に受け入れてしまうことにあります。
・苦しみの原因は、“ 執着=手放せない心”にある。
・人はなぜ、悩み、執着を手放せないのか、さまざまな問題を抱えるのか。そうした悩ましい現実を作り出しているのは“ 心の反応”である。
・苦しみをもたらしているものは、快(喜び)を求めてやまない“ 求める心”なのだ。
・以下のサイクルを繰り返しているのが、人間の人生である。
(1)まず“ 求める心”があり、
(2)それが“ 七つの欲求”を生み出し、
(3)その欲求に突き動かされて、人は反応する
(4)ときには欲求を満たす喜びが、
(5)ときには欲求がかなわない不満が生まれる
・悩みはいつも「心の内側」に生じます。だから、悩みを抜けるには、「心の外」にあるカラダの感覚に意識を向ける事がベストの方法なのです。
・「正しい理解」に「反応」はありません。ただ見ているだけです。動揺しない。何も考えない。じっと見つめているだけです。そういう徹底したクリアな心で、自分を、相手を世界を理解することを「正しい理解」と表現している。正しい理解こそが苦しみを超える道である。
・もしあなたの周りに、傲慢な人がいたら、その心理を理解してあげてくださ。判断ゆえの快楽と、承認されることへの欲求です。心が渇いているその人の苦しみを感じてあげてください。
・人と人とが関わるときには、必ず見解の違いが出ます。考えている前提、立場も経験も脳も、違うからです。
・仏教が目指す「正しい理解」とは、逆説的な言い方になりますが、「正しいと判断しない」理解です。そんなことより、「真実であり、有益である」ことのほうが大事ではないか、と考えるのです。
・仏教的には、どんな状況であれ「怒りを作り出さない」という方針に立つことです。どんな状況にあっても、「判断しない」(否定しない)というのが、重要なのです。
・日頃ネガティブな判断が心に沸いてきたら、そこで「ゲームオーバー」だと考えましょう。その先に待っているのは、自己否定という暗い妄想です。その闇の中に希望はありません。考えても答えは見つかりません。
・自分を苦しめる判断を抜けることほど、人生で大切なことはありません。じっくりと肚をすえて、心の自由を取り戻すまで、歩いてみようではありませんか。
・失敗するかもしれない、とういう将来への不安(妄想)がある。その妄想を打ち消したくて「自信を持ちたい」と考えるのです。こうした心境で思い浮かぶ「自信」とは、不安な現実を埋め合わせるための自分に都合の良い妄想です。
・心を「前と後ろ」に分けてください。目を閉じてみて、①前の方を向く心と、②心の内側(奥・後ろ側)を見る心をイメージしてみるのです。
①はそのまま相手を見ることに使います。反応はしません。「ただ理解する」という立場に立ちます。相手をただ見て、その言葉が理解できるかどうかだけが問題です。
②は内なる反応に気付くことにつかう
・人間にとって一番大切なのは、「心に苦悩を溜めない」ことです。どんな幸福感も、苦悩(という反応)によって、いつも台無しになってしまうからです。とすれば、苦しみを引きずることになる相手への判断も、ないほうがよいのです。相手のことを思い浮かべて、「あの人はここがダメ」と判断し続けることは、自分自身にマイナスなのです。
・相手と言い争ったとき、最初の「怒り」の対象は「相手」かもしれません。でもその場も離れてなお、相手のことがアタマから離れず、ムシャクシャ、モヤモヤ、イライラしているとしたら、その原因は「相手」ではありません。自分の中の「記憶」です。過去を思い出して「記憶」に反応して、新しい怒りを生んでいる。そんな時はこれはただの「記憶」と考える事
・「正しい努力」とは、いわば「外の世界」を忘れて、「自分のモノゴトに集中」して、そのプロセスに「自ら納得できる」ことです。これが成果を運んでくれるのです。
・目を閉じるのは、反応しないため。目を開くのは、妄想から目を醒ますため。これが競争という名の妄想から抜け出すための第一歩です。
・迷いに満ちたおのれの心の状態に気づくが良い。そこには“ 五つの妨げ”がある。すなわち、(1)快楽に流される心、(2)怒り、(3)やる気の出ない心、(4)そわそわと落ち着かない心、(5)疑い、である。気づくがよい。このような心の状態では、物事をよく理解する事も、正しく考えることもできない。ゆえに苦しみの連鎖は、いつまでも続くであろうと。
・妨げに襲われたら、「なるべく反応しないで“ 妨げが襲ってきている”と理解する」というのは正しい勝ち方。また「方向性」つまり、自分の目標をよく見て、「こんなことで負けてはいけない」と、自分を奮い立たせることも、勝ち方のひとつです。
・“五つの妨げ ”についてわかっておきたいのは、「人生は“ 五つの妨げ”を引いてなんぼ」ということです。引いた「残り」が、ありのままの自分なのだという事です。
・貢献という動機に立てば、「では、この場所で自分にできる役割は何だろう?」と最初に考えることになります。そのときに、本当の“ 自分にぴったり合った人生”がスタートするのです。