池内恵のレビュー一覧

  • イスラーム国の衝撃

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    著者の専門とするイスラム政治思想史の知識に立脚したイスラム国の分析は説得力があった。イスラムの専門家といわれるものが、往々にして露骨にアンチ西欧に立脚して立論にしているのに対して、誠実な印象を持った。

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    2016年01月14日
  • イスラーム国の衝撃

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    2014年に日本人がシリアで拉致されて斬首され、その衝撃的な映像で存在を世界に知らしめた「イスラム国」の正体を書いた本。
    欧州では、イスラム国の存在は日本にいるよりずっと身近であるが、日本に住む著者がここまで書くのはすごいと思う。
    アルカイダと何が違うのか、など謎の部分を丁寧に簡潔な文章で説明してある。中東情勢を知るのに一番分かりやすい本ではないだろうか。
    まとめると、イスラム国は2011年の「アラブの春」により中東諸国の政治基盤が緩んだ環境で、ジハードを呼びかける過激派が、シリアとイラクの無統治地区で勢力を広げて発生したものらしい。また、代表者がメディアで宣伝をしたアルカイダと違い、地下組織的なネットワークで個人単位で活動しているケースも多い。
    斬首映像がいかに心理的効果を考えて工夫して作られているかや、オレンジの囚人服が意味するものなど、本書で初めて知った。読んでよかった。

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    2016年01月13日
  • イスラーム国の衝撃

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    イスラーム国関連の概要を知ることができた、ような気がする。巻末の関連書等も読んでみたい。
    今「つけ」が回ってきているのだなと思う。

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    2015年12月23日
  • イスラーム国の衝撃

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    Islamic State に至る経緯、2015/1出版だが特に最後の二十年、その論理の位置付け、メディア戦略について知ることができる。
    知らないいことばかりだった。精読すれば膨大な情報が得られると思うが、理解しながら読むには相当な時間がかかりそうで、表面的にしか読めなかった部分も多い。
    IS がどうなるにせよ、中東の前途は悲観的にしか考えられない。
    IS が出している生の情報には接していないが、説明によりその質の高さはよくわかった。

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    2015年12月19日
  • イスラーム国の衝撃

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    イスラーム国はアルカーイダの理念に共鳴した者たちが各地でローン・ウルフ型のテロを行う一方で、「アラブの春」によりイラクやシリアなどの政権が崩壊したことに乗じて組織化していった。



    イスラーム国が発する教義はイスラーム法学上は極めてオーソドックスであり、特別なものではない。

    イスラームを脅かす異教徒や侵略者が現れればジハードを行うというのは、イスラーム法上の義務でありそれを実行しているに過ぎない。

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    2015年12月07日
  • イスラーム国の衝撃

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    73年生まれの東大准教授による著作。リアルタイムで進行しているシリア・イラクでのISISの勢力拡大を、イスラム教の教義や、中東各国・欧州各地の近年の政治イベントと照らし合わせながらひもといている。参考になる記述が多数あり、片っ端からキンドル本でハイライトした。

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    2015年11月30日
  • イスラーム国の衝撃

    購入済み

    読んで下さい

    メディアの皆様に是非とも読んでいただきたい一冊です。特に報道にたずさわっている方は是非是非読んで下さい。お願いします!これを読んでからというものニュースを見るたびにハラハラしております。

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    2015年02月03日
  • 現代アラブの社会思想 終末論とイスラーム主義

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    2001年のアメリカ同時多発テロの翌年に著された同時に至るアラブ、特にエジプトの社会思想についてまとめた書。第三次中東戦争後のアラブの思想界の苦境と、著者自身、偏りがあることを認めつつも、特にイスラーム教における現代の終末論をまとめているのが特徴。少なくともアラブ世界の一面を示しているのだと思います。

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    2013年11月30日
  • 中東 危機の震源を読む(新潮選書)

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    本書は、中東政治を専門とし

    現在は、東京大学准教授である著者が

    現代中東政治について論じた著作です。


    主要な新聞、テレビニュースのほか

    学術誌や学会での発表、個人的な体験をもとに

    近年のの中東・イスラムの主要なトピックスについて

    評価・分析を加えます。


    取り上げられるのは

    イラン、イラクはもちろん

    イスラムへの対応にゆれるヨーロッパ諸国

    ソマリア、東南アジア、そして中国など

    日本のニュースでも取り上げられる話題なので、

    特に予備知識がなくても、読みにくさは感じません。


    また、わかりにくい国際法や政治学などの用語もほとんど登場せず

    具体的なエピソード中心に論じられることが、読みやすさを増します。


    欧米における多文化主義・寛容と価値観の闘争

    アフマディネジャドの挑発的な言説の真意

    欧米とイスラムに対する、日本ならではの戦略

    など、どの記述も興味深かったのですが、

    著者がモスクを訪れた際に肌で感じた空気を皮切りに、

    フィリピンの現政権とイスラム社会の緊張を論じた箇所や

    ゲーツ国防長官の『ミネルヴァ・コンソーシア』を取り上げた箇所は

    とりわけ印象深く、より深く知りたいと感じました。


    書かれた順に従って読むのもよいでしょうが

    個人的には、何気なく開いたページをパラパラと読む方が

    いっそう長く、深く付き合えるように思います。


    幅広いトピックスを論じながらも

    統一的な評価・分析を知ることができる本書。


    アルジャジーラ等をチェックしている方はもちろん、

    国際問題等に関心がある方には、強くおススメしたい著作です☆☆

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    2010年06月27日
  • 「世界を動かす宗教」講義

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    ・白人カトリックをも取り込んだ共和党の戦略
    ・キリスト教シオニズムがもたらす中東の暗雲
    ・宗教シオニズムと大イスラエル主義
    ・ロシア正教会が戦争を支持する理由
    ・バチカンの近世以降の歴史
    ・パリ五輪におけるフランスの特殊性
    ・中国の宗教は儒教か
    ・ダライ・ラマは転生する
    ・ヒンドゥー至上主義
    ・事故物件を再生させる科学風儀礼

    この辺り特に興味深かったです。

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    2026年09月04日
  • 【中東大混迷を解く】 シーア派とスンニ派(新潮選書)

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    宗教感が希薄な日本人にはシーア派とスンニ派対立と聞くと、教義の対立と思いがちだが、そんな単純な構図でなく、その時の解釈や勢力図で協力するしないを繰り返してきたのが中東の混迷。今のイスラエル政権(主張は異なるが政権取るために手を組む)と同じに見えた。

    また、著者の説明は、どの派にも偏る事なく冷静に、かつ裏の面の解説をしていて興味深かった。シーア派(ムハンマドと嫁、父等)の家庭事情、サウジ皇太子+ユダヤ人学者スポークスマンの反イラン広報活動等。

    レバノンの政治制度は宗派の人口で割り当てられるが、これだと数の論理で、人口が少ない宗派は常に不利。しかし、少数派のシーア派は、移民で国外へ出ていかないし、出生率も高いのでいつの間にか多数になったというのも面白い。

    アラブの春のうねりはSNSから。しかし、イスラームの文化や価値観は変わらなかったのか。この著が出てたのが2018年。今2026年、アメリカがイランを攻撃した。明らかに国際法違反で。中東大混迷なんて言ってる場合でない。

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    2026年08月07日
  • 「世界を動かす宗教」講義

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    世の中で起きていることを調べていくとなにかと背景に宗教が絡んでいるようなことが多いなぁと思っていたのですが、詳しくないので知りたくて本を探していた時に見つけたこちら。
    三宅香帆が毎日新聞だかで書評を書いたと聞き購入
    まえがきが私には難しくて、教養としての宗教入門という別の新書を読んでからこちらを読んだ。
    スイスイ読めた、面白かった。
    特に、アメリカ、中国、ヨーロッパの宗教と今の世の中の話が面白かった。
    シオニズムって言葉も恥ずかしながら初めてちゃんと知った。
    宗教を守るために人生や命をかけるような暮らしをしていないので、生まれ育った土地や環境をもってヒトはこんなにも違う人生となるのかと改めて驚いた。
    所詮ヒトが作った世界なんだけど、これをヒトが作ったのかと思うと恐ろしいなぁと思った。

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    2026年05月24日
  • 「世界を動かす宗教」講義

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    ネタバレ

    知らなかった事いっぱい。
    勉強になった。
    宗教と政治がこんなに密接してるとは、って感じでした。
    それでも、あまり知らない国の事は、論じられてもわからない事たくさんで、もっと勉強せねばな、と。
    日本人にとって宗教は「権利」だけど、他国の人にとって「義務」だ。考え方として、ストンと落ちた。なるほど。

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    2026年05月11日
  • 「世界を動かす宗教」講義

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    いくつかの章からなる宗教についての講義。その中でも特に自分が気に入ったのは、「宗教と経営は互いに学び合える」というタイトルの章でした。経営と宗教の類似点の説明に始まり、経営者が創業書の理念について末端の従業員まで浸透させる手法はまさに宗教のそれと類似している事について共感しました。そして一見不可解な政治判断や軍事行動が実は宗教観に基づいているものだと気付かされた一冊。宗教が政治に影響を与えている事例を西洋、東洋問わず解説してくれている良書。書評者によって内容の分かりづらさ、読みやすさに差はあるが、それがかえって偏らずに読めたのも良かった。

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    2026年05月03日
  • 【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛(新潮選書)

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    サイクス・ピコ協定の本。
    中東がどうして平和にならないのか知りたくて最近これ系の本を読み漁ってる。
    宗教も民族もごちゃっと住んでる所を西欧列強が適当に国を取り合って国境を引いたからだとか、各宗派や部族を自国の有利になるようにけしかけて代理戦争をさせているというのがよく分かってきて暗澹とした気分になってます。
    サイクス・ピコ協定以外にもクルド人についてもちょっと書いてました。
    日本に入って来て欲しくないなぁ。
    自分の国を作ってください中東に。
    世界に平和なんて来ないのかな。
    この人たちはずっと紛争をやり続けるのかな。

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    2024年09月24日
  • イスラーム国の衝撃

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    かなり細かいところまで書かれており、難解だが、最終章の中東秩序の行方の章を読めば、頭の整理ができてこの本が読みやすくなる。
    むしろ、最終章を序章に持ってくるべきだったろう。

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    2024年08月27日
  • UP plus ウクライナ戦争と世界のゆくえ

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    各分野の碩学による評論集。

    ロシア−ウクライナ関係そのものではなく、今般のロシアの暴発を受けて欧州、米国、中国、中央アジア、中東等の対外政策がどうなるのかを考察する。

    紛争地である欧州にどうしても一つ目が向く中、周辺地域の動きが俯瞰できて興味深い。

    共通して言えるのは、今般の紛争が世界の変化を方向付けるのではなく、すでに多く起きつつあった変化を加速するということだろう。

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    2023年04月12日
  • UP plus ウクライナ戦争と世界のゆくえ

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    ウクライナ戦争について、各地域の国々の考えとそこにいたる歴史や背景(特にロシア及びアメリカとの関係)の考察が興味深かった。日本の報道だと、欧米各国の反応はよく報じられるが、中央アジアや中東等はあまり触れられないので、勉強になった。
    (誤字脱字等が多かったが、急ぎ出版したので仕方ないのかなと思う)

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    2023年01月25日
  • UP plus ウクライナ戦争と世界のゆくえ

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    ウクライナ戦争についてのジャーナリスト的な本はたくさんでていて、どれも役にたつものだが、これは一味違った視点を与えてくれるものであった。

    東京大学出版会からの本で、主として東大の教授などが中心となって執筆した論文集。

    ロシアの侵攻に対する国よって異なる考えがあることがさまざまな地域の専門家が冷静に分析してある。

    複数の視点をもつこと、価値観を共有することが難しい多極的な世界をどう理解するか、どう捉えるか。

    と言っても、価値ニュートラルな相対主義的な世界にとどまることは、今回の戦争は倫理的に許されないという感覚がある。

    そのあたりをしっかり考えるのに役にたつ。

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    2023年01月16日
  • 現代アラブの社会思想 終末論とイスラーム主義

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    人はほぼほぼ脳の中に現実を抱えている事を面白可笑しく論じている点は良いなぁ〜
    ただ、筆者が西洋に絡め取られていて現状肯定的に現支配者を擁護する形にしかなってないのが残念。
    まぁでも、これから研究者として名を成そうと出版に漕ぎつけた本なんだから当たり前か?
    人は自分を生きながらせる使命を松任する為に利己となる訳だがひとりでは生きられないという類的な性質もあり、利他も求められる。
    人として生きるのはなかなかに難しい…

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    2022年01月20日