池内恵のレビュー一覧

  • 現代アラブの社会思想 終末論とイスラーム主義

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    [ 内容 ]
    なぜ今、終末論なのか。
    なぜ「イスラームが解決」なのか。
    学術書からヒットソングまで渉猟し、苦難の歴史を見直しながら描く「アラブ世界」の現在。

    [ 目次 ]
    序 アラブ社会の現在(狭まる世界認識 悪化する世相)
    第1部 アラブの苦境(「一九六七」の衝撃―社会思想の分極化 「人民闘争」論の隆盛 パレスチナへの視線 ほか)
    第2部 高まる終末意識(終末論の流行 セム的一神教と終末論 『コーラン』の終末論 ほか)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険

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    2010年11月23日
  • 現代アラブの社会思想 終末論とイスラーム主義

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    なんでか積読に入っていた本。
    1967年から2001年頃までのイスラム社会の「時代精神の歴史」を解説する。
    2002年発行なので、当然ながらそれ以降の情報はない。

    ユダヤと西洋に対する敵愾心、国内の問題から目をそらすためにそれを利用する者、知識人ですら陰謀論を信じる傾向。

    インターネットの発達によって、それらが改善することはあるのだろうか。

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    2025年02月15日
  • UP plus ウクライナ戦争と世界のゆくえ

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    世界情勢などについて知識が浅い自分にとっては、こちらを読むのにかなりの時間を要した。
    この戦争に際しての各国の動きについて、ニュースを見ているだけでは知ることの出来ない部分を広く知ることが出来たように思う。
    どの章も客観的に冷静に話が進められており、特に偏った思考はなかったので、読んでいて感情的になることはなく、淡々と情報を得ていく感覚だった。
    読み解くのは大変であったし、内容が頭に入り切ったとは言えないけれど…。
    それでも読む前よりは視野が広がった気がするので、読んで良かったです。

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    2024年10月05日
  • 【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛(新潮選書)

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    ある意味、強権国家の支配者にとって統治に邪魔な民族を追い払い、均質な住民構成とする方が支配は安定する
     →難民を流失させることは政権維持のための合理的判断

    難民問題は欧米の有力メディアに報じられ、世論喚起により初めて国際政治上の問題として注目されるようになる

    西欧諸国の中東諸国への批判(中東の政治的自由の不在、人権侵害、民主化の遅れ)
    独裁政権の民族主義(反欧米、反イスラエルの排外的スローガン)喚起
     →多様な国民(言語・宗教宗派の多様なコミュニティ)を一方向 に向け、統制する有効な手段

    アラブ諸国やトルコがその背後の地域からの難民を人権や自由の理念から疑わしい手法で受け入れてきた
      

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    2023年10月28日
  • 【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛(新潮選書)

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    ビックリするくらい中東情勢について分かったような気にさせてくれる。
    トルコとシリアのやっかいさから学ぶ近現代の国際政治の枠組って感じかしら。

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    2021年12月05日
  • 【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛(新潮選書)

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    この協定を聞くと
    学生時代の己の阿呆さを思い出します。
    中東のあたりの歴史、よくわかんねえーと悩んでおりました。
    インド史?南アジア史に至ってはお手上げでした。
    K大文学部の受験時、一つの大きな設問が出たのを思い出します。
    解けなかったのに何故か合格いたしました。なんでだろう
    我が家はど田舎の貧乏人だったのに。合格させても意味ないぞと。
    お父様の御不幸。どうぞ御愁傷さまです。

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    2019年12月10日
  • 【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛(新潮選書)

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    ネタバレ

    単純に諸悪の根源とも言い切れない、地域の入れ子状の複雑さ、多様さがよく伝わってきた
    当時の中東に国家と社会を形成できる主体があったか疑わしいあたり、近代国家のあり方を中東に押し付けるのが欧州の傲慢さに感じられる
    その上セーブル自体も自立が困難なものであった
    難民の流出が、問題の解決に近づくというのは、なるほど言い得て妙だなと思う
    国の利益のために、他国の紛争を続けさせるというのも、紛争のリアルさが読み取れる

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    2018年11月28日
  • イスラーム国の衝撃

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    一見メチャクチャにもうつるISだが、かれらなりにオーセンティックなイスラムの教えに準拠しているということ。キリスト教が歴史的にそうしてきたようにイスラム教の世俗化が可能かどうかなど。

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    2018年11月05日
  • 【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛(新潮選書)

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    1916年サイクス=ピコ協定(第一次世界大戦後、オスマン帝国の支配地域をどのように分割し統治するかの、イギリスとフランスによる取り決め)→1920年セーヴル条約(アナトリア各地で現地の勢力が進めた実効支配を、列強や周辺諸国が認め、恒久化しようとした)→1923年ローザンヌ条約(ムスタファ・ケマルらが設立したトルコのアンカラ政府が、セーヴル条約受け入れを拒否。トルコ独立戦争を戦い、フランスやソ連軍に対して有利に戦闘を進めて、個別に条約締結に持ち込んだ)

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    2018年11月04日
  • イスラーム国の衝撃

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    アル・カイーダ、アラブの春、イスラーム国とそこに一連の流れがある。それにしてもアラブ諸国やイスラムは洋語が複雑すぎる。(笑)もう何冊か読んで状況を俯瞰してみよう。

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    2018年04月04日
  • 現代アラブの社会思想 終末論とイスラーム主義

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    著者の別の書籍が好きだったので。9・11事件直後の本のため内容は若干古いが、充分今にも通ずる。アラブ現代史の原点と言われる1967年6月に起きた第三次中東戦争をどうアラブの民が受け止めたか説明している。大まかに二つの流れがあり、一つがマルクス主義に基づく人民闘争論。提唱者は先の戦争の敗北をプチブルジョア政権に求め、プロレタリアート人民の闘争を呼びかけた。この動きはパレスチナ解放運動にも発展した後、世界各国の革命の失敗により自滅したが、イスラエルを仮想敵とした陰謀論として形を変え禍根は残った。もう一つの流れが宗教信仰回帰主義。「イスラームこそ解決だ」と提唱した楽観的なイスラーム主義が、後のイスラ

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    2017年01月07日
  • イスラーム国の衝撃

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    2年近く前の本なので、情報が古いのは仕方ないが、近代~現代における中東の状況をきちんと説明してあって、イスラーム国が生じるまでの背景がわかりやすい。

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    2016年12月22日
  • 【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛(新潮選書)

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    サイクスピコ協定が今の中東の混乱を招いたというのが、最近富に聞こえる話だが、どうやらそれだけではないというのが本書の内容。

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    2016年08月07日
  • イスラーム国の衝撃

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    イスラーム国の成り立ちのためにイスラーム教やカリフ制を理解する必要があるし、戦闘員をならず者と大くくりしないようグローバル・ジハードという崇高な共同主観があることを理解する必要があるし、でまだまだ消化に時間がかかる本になりそうです。

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    2016年02月07日
  • イスラーム国の衝撃

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    ネタバレ

    イスラム世界の事を少しでも知ろうとして読んだか、想像以上にややこしかった。丁寧にイスラム国の成り立ち、資金源、外国人戦闘員はなぜ集まるのかが解説してあり、あまり詳しくない身としては為になった。
    資金源は主に、石油(日100万ドル)と身代金(年2000万ドル)で、サウジアラビアなどが支援しているというのは、アサド政権やロシアのプロパガンダで流された情報らしい。
    外国人戦闘員は貧困からイスラム国に身を投じるのではなく、思想に感化されて加わる者が殆どらしい。白人戦闘員は少ないがイスラム国のメディア戦略により、象徴的にクローズアップされているようだ。

    主な外国人戦闘員の内訳(15年1月時)
    チュニジ

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    2016年04月06日
  • イスラーム国の衝撃

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    突然現れたわけではなく、近現代の歴史の中で大きくなっていったイスラーム国。詳細は覚えられない。
    最近ニュースをちゃんと追ってない、、、

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    2015年11月02日
  • 現代アラブの社会思想 終末論とイスラーム主義

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    面白いは面白い。内容は詳細。
    だいたい流れも掴めたが、もう少し分析対象の期間を長くして、アラブの思想を概観できると良かった。

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    2013年06月01日
  • 現代アラブの社会思想 終末論とイスラーム主義

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    イスラムの現在おかれている思想的現状を
    終末論にとり憑かれたものとして描いてしまった本。

    筆者の、「こんな風に書きたくないんだけどさぁ」っていう
    泣き言というか、うめきが聞こえてくる。

    現実はどうか知らない。
    これは興味深い資料となるけど、ちょっとこの書き方では
    紙幅の問題があるとしても、現実をこれで知ったつもりにはなれない。

    まぁ、そう思わせてくれるのが、筆者のうめきなんだけれどもね。

    それにしても、死者が這い出してくる終末の刻は
    確かに今の全体的なネットワークの包囲網を思わせるところがある。
    (これは勝手な意見だけれど)
    富めるほど終末が近づくと言う。
    そして、獣が現れるというのな

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    2011年02月10日