池内恵のレビュー一覧
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出口治明氏の著作の中で勧められていたことから興味を持ち、読んでみた。
アラブ社会の根っこにある思想を、アラブ世界の著作物等を読み解く中で明らかにしていく。
イスラーム主義=楽観的(理想的社会と現実のギャップを埋める必要性を認めない)で排外的(イスラーム的なものと外来的なものを区別し、後者にアラブ世界の問題点を一方的に帰責する)なもの。
これらは、『コーラン』や『ハディース集』自体には、社会や制度に関する規範が具体的に示されていない一方、イスラーム教徒は、「イスラーム=教徒の全生活を規定する包括的システム」であると信じており、多様な要素を「イスラーム的」なものとして構想できることから生じてい -
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70億もの人間がいれば、一般人には理解できない異常な行動をとる人がいても不思議はないし、広い世界ではそういう人たちが組織化することもあるだろう。イスラーム国についてなんとなくそう思っていたが、事実はそんな単純な話ではない。
2011年の『アラブの春』から、2001年の9.11から、1991年の湾岸戦争から、さらには1919年の第一次世界大戦後からもその萌芽を見ることができる、連綿と続く中東の歴史問題の一面が、イスラーム国の登場だ。
大戦終結後、多くのアラブ諸国は不安定な王政からクーデターにより安定した軍制へ移行した。しかし、当然のように腐敗した軍制国家の一方は、資金の確保のため親米派となり、 -
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著者の池内さんは、長年、中東地域の政治や、
イスラームの政治思想を研究をされていて、、
なんて風に書くと、一見とっつきにくい感じですが、
非常にわかりやすく、丁寧にまとめられています。
当初、池袋のジュンク堂で探していたのですが、
新書にしては珍しく売り切れていて、地元で発見しました。
そういった意味では、ちょうど時節に合致しているのかなと。
その内容は、第1次大戦後の秩序形成からイラン革命、
湾岸戦争、9.11テロ、そして「アラブの春」。
この辺りをざっと俯瞰しながら、
イスラーム社会の質の変容をまとめられています。
キーワードは“グローバル・ジハード”、
明確な指導者を持たない -
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アラブ社会の現代史を簡単にまとめながら、二つに分かれていった思想の潮流を読み解く。
非常に読みやすく、わかりやすかった。
こうして二つに分かれた思想は理どちらも行き詰まり、終末論や陰謀史観が出現する。
終末思想が人々の心をとらえたり、求められたりするようになった、要因を思想史として見る上でわかりやすく、興味深かった。
しかし、この閉塞感や袋小路に陥った理由を思想の問題で言い表すのは、限界があるように思えてならない。
閉塞的になる原因は、エジプト庶民の多くが感じている経済的事情にあるように思える。つまり一向に良くならない雇用問題や貧富の格差の増大などである。
それらはこの本が出てから10年たった -
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[ 内容 ]
なぜ今、終末論なのか。
なぜ「イスラームが解決」なのか。
学術書からヒットソングまで渉猟し、苦難の歴史を見直しながら描く「アラブ世界」の現在。
[ 目次 ]
序 アラブ社会の現在(狭まる世界認識 悪化する世相)
第1部 アラブの苦境(「一九六七」の衝撃―社会思想の分極化 「人民闘争」論の隆盛 パレスチナへの視線 ほか)
第2部 高まる終末意識(終末論の流行 セム的一神教と終末論 『コーラン』の終末論 ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険 -
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日本人はというか少なくとも私は「政治と宗教は別物」と考えていたが、アメリカ(特にトランプ支持層)では、宗教的な信念がそのまま選挙の投票行動に直結している。トランプ人気は単なる一時的なブームではなく、根深い宗教の世界観とつながっており、ロシアやインドなどでも、宗教は昔の古い習慣などではない。いま現在の「国を強くするための国家戦略」として、リアルタイムで激しく利用されている。
一番ハッとさせられたのは、私たち日本人の話である。日本人はよく「私は無宗教だ」と言うが、実際には「先祖を大事にする」「世間の空気を読む」といった、独自の「見えない宗教」にどっぷり浸かって生きている。
本書の内容を分かりや -
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ある意味、強権国家の支配者にとって統治に邪魔な民族を追い払い、均質な住民構成とする方が支配は安定する
→難民を流失させることは政権維持のための合理的判断
難民問題は欧米の有力メディアに報じられ、世論喚起により初めて国際政治上の問題として注目されるようになる
西欧諸国の中東諸国への批判(中東の政治的自由の不在、人権侵害、民主化の遅れ)
独裁政権の民族主義(反欧米、反イスラエルの排外的スローガン)喚起
→多様な国民(言語・宗教宗派の多様なコミュニティ)を一方向 に向け、統制する有効な手段
アラブ諸国やトルコがその背後の地域からの難民を人権や自由の理念から疑わしい手法で受け入れてきた
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Posted by ブクログ
著者の別の書籍が好きだったので。9・11事件直後の本のため内容は若干古いが、充分今にも通ずる。アラブ現代史の原点と言われる1967年6月に起きた第三次中東戦争をどうアラブの民が受け止めたか説明している。大まかに二つの流れがあり、一つがマルクス主義に基づく人民闘争論。提唱者は先の戦争の敗北をプチブルジョア政権に求め、プロレタリアート人民の闘争を呼びかけた。この動きはパレスチナ解放運動にも発展した後、世界各国の革命の失敗により自滅したが、イスラエルを仮想敵とした陰謀論として形を変え禍根は残った。もう一つの流れが宗教信仰回帰主義。「イスラームこそ解決だ」と提唱した楽観的なイスラーム主義が、後のイスラ