池内恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
なぜ今、終末論なのか。
なぜ「イスラームが解決」なのか。
学術書からヒットソングまで渉猟し、苦難の歴史を見直しながら描く「アラブ世界」の現在。
[ 目次 ]
序 アラブ社会の現在(狭まる世界認識 悪化する世相)
第1部 アラブの苦境(「一九六七」の衝撃―社会思想の分極化 「人民闘争」論の隆盛 パレスチナへの視線 ほか)
第2部 高まる終末意識(終末論の流行 セム的一神教と終末論 『コーラン』の終末論 ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険 -
Posted by ブクログ
ある意味、強権国家の支配者にとって統治に邪魔な民族を追い払い、均質な住民構成とする方が支配は安定する
→難民を流失させることは政権維持のための合理的判断
難民問題は欧米の有力メディアに報じられ、世論喚起により初めて国際政治上の問題として注目されるようになる
西欧諸国の中東諸国への批判(中東の政治的自由の不在、人権侵害、民主化の遅れ)
独裁政権の民族主義(反欧米、反イスラエルの排外的スローガン)喚起
→多様な国民(言語・宗教宗派の多様なコミュニティ)を一方向 に向け、統制する有効な手段
アラブ諸国やトルコがその背後の地域からの難民を人権や自由の理念から疑わしい手法で受け入れてきた
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Posted by ブクログ
著者の別の書籍が好きだったので。9・11事件直後の本のため内容は若干古いが、充分今にも通ずる。アラブ現代史の原点と言われる1967年6月に起きた第三次中東戦争をどうアラブの民が受け止めたか説明している。大まかに二つの流れがあり、一つがマルクス主義に基づく人民闘争論。提唱者は先の戦争の敗北をプチブルジョア政権に求め、プロレタリアート人民の闘争を呼びかけた。この動きはパレスチナ解放運動にも発展した後、世界各国の革命の失敗により自滅したが、イスラエルを仮想敵とした陰謀論として形を変え禍根は残った。もう一つの流れが宗教信仰回帰主義。「イスラームこそ解決だ」と提唱した楽観的なイスラーム主義が、後のイスラ
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Posted by ブクログ
ネタバレイスラム世界の事を少しでも知ろうとして読んだか、想像以上にややこしかった。丁寧にイスラム国の成り立ち、資金源、外国人戦闘員はなぜ集まるのかが解説してあり、あまり詳しくない身としては為になった。
資金源は主に、石油(日100万ドル)と身代金(年2000万ドル)で、サウジアラビアなどが支援しているというのは、アサド政権やロシアのプロパガンダで流された情報らしい。
外国人戦闘員は貧困からイスラム国に身を投じるのではなく、思想に感化されて加わる者が殆どらしい。白人戦闘員は少ないがイスラム国のメディア戦略により、象徴的にクローズアップされているようだ。
主な外国人戦闘員の内訳(15年1月時)
チュニジ -
Posted by ブクログ
イスラムの現在おかれている思想的現状を
終末論にとり憑かれたものとして描いてしまった本。
筆者の、「こんな風に書きたくないんだけどさぁ」っていう
泣き言というか、うめきが聞こえてくる。
現実はどうか知らない。
これは興味深い資料となるけど、ちょっとこの書き方では
紙幅の問題があるとしても、現実をこれで知ったつもりにはなれない。
まぁ、そう思わせてくれるのが、筆者のうめきなんだけれどもね。
それにしても、死者が這い出してくる終末の刻は
確かに今の全体的なネットワークの包囲網を思わせるところがある。
(これは勝手な意見だけれど)
富めるほど終末が近づくと言う。
そして、獣が現れるというのな